ロングスローの準備をするパルティ photo/Getty Images
ロングスローも当たり前の武器に
今季のイングランド・プレミアリーグはリヴァプールが制したが、英『sky Sport』がそれに合わせて今季のデータを振り返り、現代サッカーのトレンドを探っている。
今季はノッティンガム・フォレストやボーンマスといった中堅クラブの躍進も目立ったが、彼らがベースにしているのが『堅守速攻』だ。
今季はチームの90分平均スプリント数が252.5回を記録していて、これは昨季の242回を上回って過去5シーズンで最多だ。マイナスな影響としては、筋肉系のトラブルが増えている。サッカー界全体で試合数が増えたことも影響しているかもしれないが、今季のプレミアではハムストリングの負傷が全体の21%を占めている。これは負傷内容で最多となっていて、選手の筋肉にかなりの負担がかかっているのが分かる。
しかし今後も速攻は重要な武器となっていくはずで、よりスピードと運動量を備えた選手が求められていくのだろう。
もう1つの変化が『ロングスローの増加』だ。今季のプレミアではペナルティエリアに5人を送り込んだ状態で、20m以上のスローイングをおこなったケースが404回もあった。昨季は305回、一昨季が301回だったことを考えると、ロングスローの回数が大幅に増えていることが分かる。
プレミアのゲームではないが、アーセナルはチャンピオンズリーグ準決勝のパリ・サンジェルマン戦2ndレグだけで11本ものロングスローを放り込んでいる。投げたのはMFトーマス・パルティだが、最近はロングスローを得意とする選手をスタメンに入れるケースも増えている。
プレミアではブレントフォードもロングスローから6ゴールを奪っていて、同メディアはコーナーキックやフリーキックと並ぶセットプレイの武器になったと主張。
スピード、運動量、パワー、高さと、今のサッカー界でフィジカルは重要な要素となっている。違いを生むには技術の高さも重要ではあるが、フィジカルを重視するチームはまだ増えるだろう。