いつからブラジルの選手は欧州を参考にするようになったのか ブ...の画像はこちら >>

ブライトバイテは現在グレミオに所属している photo/Getty Images

ブラジルの文化が失われてきている?

2020年からの2年半はバルセロナでもプレイし、デンマーク代表でも69キャップを記録してきたFWマルティン・ブライトバイテ。現在はブラジルのグレミオでプレイしているが、ブライトバイテは若い頃よりブラジルのサッカーに強い刺激を受けてきたと明かしている。



その始まりは1998ワールドカップで、ブライトバイテの母国デンマークは準々決勝でブラジルと対戦している。当時のデンマークにはGKピーター・シュマイケル、FWミカエル・ラウドルップ、MFマルティン・ヨルゲンセンらがいたが、ブライトバイテは何とブラジルの方を応援していたというのだ。

ブラジルにはFWベベットやリバウド、MFドゥンガ、若き日のFWロナウドらがおり、ブライトバイテにとっては憧れのチームだったのだ。

「ワールドカップの思い出だね。誰かの家であの試合を見ていた記憶があるんだけど、僕はブラジル代表チームのペイントを顔に塗って観戦していたんだ。デンマークは愛国心の強い人が多いから、他の人はそれを理解してくれなかった。当時7歳だった僕は自分の国を応援すべきとは知らなかったんだよ。単純にブラジルのプレイが好きで、憧れの選手もいたから応援していたんだ」(『Globo Esporte』より)。

ブライトバイテはこのように語っているが、だからこそ最近のブラジルサッカー界には思うところもあるという。近年はワールドカップで欧州勢にやられてしまうケースが多く、ブラジルの選手たちが欧州のプレイを参考にしがちだ。ブライトバイテはそれをやめてほしいそうで、ブラジルらしいプレイを貫いてほしいと語る。

「今は欧州の選手たちのプレイを見過ぎだよ。
かつては欧州の選手たちがブラジル人選手のプレイを見ていたんだから。それを維持すべきだと思う。ブラジルが長い間ワールドカップを制していないのは分かっているけど、ブラジルは世界で最もプレッシャーのかかるチームでもある。良い時も悪い時も、ブラジルは常に優勝候補なんだ。大きなプレッシャーがあり、勝つのは容易じゃない。誰もがブラジルの試合を見たいと思っているし、僕にとってサッカーとはブラジルなんだ。ブラジルは自分たちのプレイスタイルを守るべきだよ。欧州の選手を真似る必要なんてない」

特に戦術面は欧州トップリーグから次々と新しいアイディアが生まれ、それを世界が真似る流れとなっている。その中で欧州のスタイルに合う選手たちが増えていて、ブラジルもその傾向にあると言える。ファンタジスタと呼べるタイプの選手は減少していて、今のブラジルはストリート出身の選手も多くない。ブラジルらしさが失われているとも言えそうで、ブライトバイテにとっては少々面白くない状態のようだ。



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