杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。


9月7日(日)の放送テーマは「あなたの街でも始まります! マイナ救急」。消防庁 救急企画室の金子洋(かねこ・ひろし)さんから、10月1日(水)から全国で始まる「マイナ救急」について伺いました。

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(左から)杉浦太陽、金子洋さん、村上佳菜子



◆“約4秒に1件”ペースで救急車が出動

毎年9月9日は「救急の日」です。これは救急医療および救急業務に対する国民の理解と認識を深めることを目的に制定されました。2024年のデータによると、救急車の出動件数は年間で約771万件。これは1日あたり約2万1,000件、つまり約4秒に1件のペースになります。まさに私たちは救急隊員の存在に日々支えられていることがわかります。

◆10月1日から始まる「マイナ救急」

救急車を呼ぶとき、多くの人は慌ててしまい、冷静に対応できません。家族の服用している薬や通院している病院の名前など、必要な情報を正確に伝えられるか不安を抱える人も少なくないでしょう。こうした場面で役立つのが、10月1日から始まる「マイナ救急」です。

金子さんは、「マイナ救急とは救急隊員が、搬送される方のマイナ保険証(健康保険証として利用登録を済ませたマイナンバーカード)を活用し、その方の病歴などの情報を確認できる仕組みのことです。これにより、病気やケガで救急車を呼んだとき、救急隊員にマイナンバーカードを提示するだけで、病歴や処方されている薬の情報、病院の受診歴などを伝えることができます」と説明します。


また、119番通報で駆けつけた救急隊員は、適切な応急処置や搬送する病院の選定をおこなうため、さまざまな情報の聞き取りが必要となってきますが、本人や家族が動揺していて情報を伝えられないケースも多くあります。「そのような状況でも、マイナ救急で正確な情報を入手できれば、ご本人やご家族が説明する負担が軽減されるだけでなく、より適切な処置が受けられます。これが、マイナ救急の最大のメリットです!」と強調します。

なお、マイナ救急では、暗証番号の入力による本人確認は原則不要で、救急隊員が事前にご本人の同意を得たうえで、カードに記載された顔写真と本人を照合することで確認をおこないます。とはいえ、「ご本人の意識がないなど、同意を得るのが困難な場合で、生命・身体の保護のために必要な場合は、同意なしで情報を確認することもあります」と補足します。

◆マイナ保険証は家族で保管場所の確認を

10月から全国でスタートするマイナ救急は、一部の消防本部において昨年度に約2ヵ月間の実証をおこないました。期間中は、マイナ救急による情報確認を約1万1,000件おこない、なかには一命を取り留めたケースも複数あったそう。
ここでは70代男性の事例を紹介します。

「足のふらつき、意識がもうろうとしている」と119番通報があり、現場に駆けつけたところ、本人は救急隊員との意思疎通が困難な状態でした。そこで、すぐさま救急隊員がマイナ保険証を確認したところ、服用している薬の情報から「消化管出血による貧血」を疑い、緊急輸血や内視鏡手術に対応できる病院を選定。迅速な処置により命が救われました。

「このケースの場合、飲んでいる薬の効果や現在の男性の症状から病名を推測し、適切な医療機関を選定することができました。
搬送先の医師も薬の情報を事前に得られたため、緊急手術などの事前の準備ができ、マイナ救急の効果の大きさに驚いたそうです」と金子さん。こうした事例からも「マイナ保険証を常に持ち歩くことは命を救う第一歩」と言えるでしょう。

また、カードをどこにしまっているかを家族で共有しておくことも大切です。「近年は高齢のご夫婦のみで暮らしている方も多く、救急搬送の約6割が高齢の方です。この機会に、ご家族で保管場所を確認していただければと思います」と話します。

◆救急隊員に安心してマイナンバーカードを渡せる理由

マイナンバーカードのICチップには、税金や年金といったプライバシー性の高い情報は記録されていないため、持ち歩いても問題はありません。その一方で、村上が「でも、マイナンバーカードを使って、年金や税金の情報も見られますよね?」と疑問を投げかけます。

これに、金子さんは「救急隊員が確認できるのは氏名、生年月日、住所、受診した医療機関名、病歴、薬剤情報、特定健診(メタボリックシンドロームに着目した健診)など医療情報だけで、プライバシー性の高い情報を見ることはできません」と声を大にします。

改めて「マイナ救急は、命にかかわる一刻を争う場面で、救急隊員があなたの病歴などの情報を正確に把握することで、より適切な処置を受けられる取り組みです。そして、10月1日からは、あなたの街でも始まります。ご自身の“もしも”のためにも、マイナ保険証を持ち歩きましょう」と呼びかけました。

番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「マイナ救急」について復習。
2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず村上は注目ポイントとして“あなたの命を守るマイナ救急”とスケッチブックに書きます。続けて杉浦は“もしものためにマイナ保険証を持ち歩こう!”とし、「マイナ救急について詳しく知りたい方は、消防庁のマイナ救急のWebサイトをご覧ください」とコメントしました。

「マイナンバーカード」提示で救急搬送がスムーズに…10月1日から導入される「マイナ救急」のメリットを専門家が解説

(左から)杉浦太陽、村上佳菜子



<番組概要>
番組名:杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、村上佳菜子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm
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