2月9日(日)の放送では、リスナーから届いたさまざまな相談に、江原がアドバイスを送りました。
江原啓之
<リスナーからの相談>
父と夫の不仲で悩んでいます。父は昭和22年生まれで一代で会社を築き、会社を大きくしてきました。典型的な昭和のワンマン社長です。
従業員である夫は、マスオさん的存在で、一緒に働いています。母と私は事務全般を切り盛りし、不景気のなか、零細企業で頑張って経営をしています。夫は前の会社を辞めて、頭を下げて実家の家業を手伝いに来てくれました。それなのに、父の夫に対する扱いの悪さに、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
周りの会社は息子世代に代替わりをしています。父も年なので、母が「若い人に譲っていこう」と手続きを始めたら、父は「継がせたくない。会社は閉める」と、いじわるなことばかり言いだしました。頑固でプライドが高く、最近では耳が遠くなったので、お客様との会話もチンプンカンプンです。「出てけ」と威嚇する、こんな父が会社を譲る日が来るのでしょうか? 私たち夫婦は実家をうまく継ぐことができるのでしょうか?
私は夫の味方でいます。
<江原からの回答>
江原:お父さんが本当に頑固でワンマンで、しょうがないのでしょうね。しかし、昨日今日で急に、何かが取り憑いたように頑固になったわけではないでしょう? お父さんはもともと頑固なんです。最初から分かっていたことなのに、なぜ継いだのでしょう? ワンマン社長であってもお父さんが頑張ってくれて、みんなお父さんに甘えてきた。「跡を継いで……」と、甘い家族団らんを期待していたのだとしたら、相談者さんもちょっと甘いですよね。
このお父さん、確かに頑固でワンマンで、ろくでもない親父です。でも、家族への愛情は強いのだと思います。だからここでやってはいけないのは、「私は夫の味方でいます」という態度を表に出してしまうこと。
しかし、お父さんに接するときは「お父さんあっての私たちです! 教えてください! お願いします!」と、へりくだる。「お前なんかダメだ」と言われても、「申し訳ありません!」……と、このようにやらなければいけません。それを「演じられるかどうか」ですよ。
夫婦だけで独立を考えたら、会社は潰れるでしょう。お父さんも後継者がいることに甘えているんですよ。「最初から働かなければ良かった」という話ですけれど、ここまで来てしまったからには、“演じるさん”になるのが良いのではないかと思います。「お父さん、よろしくお願いします。私たちも早く、少しでもお父さんに楽させたいから……」と、腹が立つかもしれないけれど、やらないと。それができないのなら、もっと早くに見切りをつけるべきでした。
お父さんが「継がせたくない」と言うということは、夫も少し頼りなく見えているのかもしれません。
いっそ全て辞めてしまう手もありますが、絶対に「お父さん、かわいそうだったなぁ」と、後で悔やむと思います。それならばもうここまで来てしまったのだから、やるしかないでしょう。だから、よく考えてみてください。

江原啓之、奥迫協子
●江原啓之 今夜の格言
「身の丈を知って幸せになりましょう」
<番組概要>
番組名:Dr.Recella presents 江原啓之 おと語り
放送日時:TOKYO FM/FM 大阪 毎週日曜 22:00~22:25、エフエム山陰 毎週土曜 12:30~12:55
出演者:江原啓之、奥迫協子