■【就活企業研究シリーズ】企業業績、従業員数、給与と最近の株価



京都大学・薬学部の学生が就職する上位企業とはの画像はこちら >>

企業の最新の株価や業績実績とともに、シリーズでお伝えしている「就活企業研究シリーズ」。今回はその中でも京都大学薬学部の卒業生が就職する人数が上位の企業ランキング及びそのうち上場企業1社をピックアップし、有価証券報告書をもとに過去5年間の業績動向、従業員数、年間平均給与や最近1年間の株価動向について見ていきましょう。



■京都大学薬学部(6年)の卒業生が就職する上位企業ランキング



京都大学が2018年9月に発表した2017年度における薬学部を卒業した学生の就職先(2名以上)は以下の通りです。



  • 小野薬品工業:4名(3名)
  • 京都大学医学部附属病院:2名(1名)
  • 日本新薬:2名(1名)

※カッコ内は女子で内数



23名が就職し、そのうち2名以上の就職先が先に示したものです。



■就職先企業の業績、従業員数、給与と最近の株価



ここまで見てきたように、京大薬学部(6年)の就職先は日本を代表する医薬品メーカーを含みます。



ただ、同じ年の薬学研究科(修士課程)の就職者数をみると43名おり、京都大学でいえば、学部で就職する人数(23名)の方が少ないと言えます。



ちなみに、学校教育法の改正に伴い、薬剤師法も改正され(平成16年6月23日公布)、薬剤師効果試験を受けることができるのは、原則として6年制学部・学科の卒業生とされています。



さて、ここまで見てきた上位就職先企業について、特徴的な企業をピックアップし、業績動向や従業員数、給与とともに最近の株価を見ていきましょう。



小野薬品工業

同社の2014から2018年3月期までの過去5年の業績動向を見ていきましょう。



営業利益は100から700億円台で推移しています。2015年3月期に147億円であったものが、2017年3月期には722億円までに拡大しています。2018年3月期には606億円を計上しています。



また、(親会社の所有者に帰属する)当期利益は、100から500億円台で推移しています。過去5年で見れば、2017年3月期の557億円を計上し最高水準となっています。

そして2018年3月期は502億円を計上しています。



では、同社の従業員数や給料はどうなっているのでしょうか。



連結の従業員数は3480名(2018年3月期)。また、単体の従業員数は3199名で、平均年間給与は905万円。平均年齢は41.4歳となっています。



最後に同社の過去1年の株価動向について見てみましょう。



過去1年の株価だけでいえば、大きく上昇する局面もあれば、その一方で下落する場面もある展開となっています。1年前は3000円台となっていたものの、その後は2500円付近まで下落。また秋にかけて再び3000円台まで戻し、再度下落。現在は2100円台となっています。



【ご参考:業界研究及び企業研究に関しての注意点】

ここでお示ししたランキングや企業が必ずしも学生の人気ランキング順というわけではありません。



積極的に採用する企業が結果として上位就職先企業となっている側面もあります。

ただ、学生が就職を希望しないことには最終的には就職先にはなりません。その観点からも、採用側の企業と大学生の需要と供給が一致した結果といえるでしょう。



また、注意すべきは連結従業員数と単体従業員数の違いです。たとえば、連結子会社が多い企業は一見すると従業員数が多く見えます。自分がどの会社に応募をしようとしているのかは改めて注意するのが良いでしょう。連結での従業員数が多く見えても、自分が応募している企業の従業員数が少ないこともあります。



最後に、企業研究をする際には、今回参考したような有価証券報告書や決算説明会資料なども参考にするとよいでしょう。決算説明会資料はどの投資家にもわかるように説明がされていることも多く、学生にとっても有益な資料といえます。決算説明会資料はアニュアルレポートほど堅苦しくなく、事業ごとの業績が分かりやすい資料といえます。



【参考文献】
  • 京都大学学生総合支援センター キャリアサポートルーム「就職のしおり 2019」
  • 文部科学省「薬学教育制度の概要」
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