子どもが産まれ、2人目3人目と授かり。
兄妹が欲しいと思っていたママにとっては、とても嬉しいことでしょう。
ですが、それと並行して頭に浮かぶのは「上の子に寂しい思いをさせないか?」「まだ小さいのに負担をかけてしまうんじゃないか……」といった、上の子育児に関する悩みではないでしょうか。
筆者も長男と次男を年子で産み、性別も2人とも男の子で、体力的にしんどい時期がありました。
ですが当時、体力的なものよりも心に引っ掛かっていたのは、長男への思いでした。
「こんな小さいのに無理をさせているんじゃないか」「寂しい思いをさせているんじゃないか」という思い。
そして、さらには「この子はこのままでいいのだろうか?」という心配。
これは、「負い目」……と言ってしまったら語弊があると思いますが、どうしても下の子を産んだことで長男に負担が掛かっているのではないかと思ってしまっていたのです。
そして、それが長男に悪影響を与え、ひねくれた性格になってしまうのではないか、良い子に育てることができないのではないかと常に気がかりでした。
気持ちの余裕が無い時、それは心配というよりも、怒りとして表現してしまう場面も多々ありました。
そんな時に、私を救ってくれた言葉。
そして、その時の私の心情について、お話したいと思います。
■長男・1歳10カ月でお兄ちゃんになる
長男と次男は1歳10カ月差でしたが、学年で言えば1学年違いの年子です。
まだトイレトレーニングも始めておらず、おむつ姿の長男。
気が付けば常に一緒にいる次男。
私も「お兄ちゃんだから」と言って育てることはしないようにしようと思っていましたので、2人に差をつけて育てたつもりはありませんでした。
■我の強い長男。これって私のせい!?
ですが、成長するにつれて我が強くなってくる長男。「俺のものは俺のもの!お前のものも俺のもの!!」と言わんばかりに、弟に振る舞う長男の姿に私は心配していました。
今考えれば、2~3歳という自我が出てくる時。当然の主張だったのだろうと思えるのですが、対象が小さい次男に向かうことが多く、それが当時の私をさらに悩ませるポイントでした。
「差を付けていないつもりでも、長男を傷つけていたのではないか?」
「私がもっと頑張ればよかったんじゃないか……」
そんな風にネガティブに考え、落ち込むことも増えてきたのです。
■「いくつになっても、心配なのはいつも上の子」
当時、プレ幼稚園に通っていた長男。そこの先生に、ご自身も4人のお子さんを持つベテラン先生がいました。
さまざまなセミナーに参加したり、自分が理想とする幼児教育を進めるべく、常に忙しくしている先生でした。
その先生に帰り際、何の気なしに長男のことで話を聞いてもらいました。
「次男に乱暴で困る」
「自分を押し通そうとし過ぎて、手が出ることも増えている」
「私に何が足りなかったんだろう…これからでもできることって、何だろう…」
そんなことを話していました。相談というよりも、私の愚痴を聞いてくれているような感じでした。そのときに先生が言ってくれたのです。
『私にも4人の子どもがいて、今はみんな成人してるけど。何かと気になるのは一番上の子よ~。いくつになっても、心配なのはいつも上の子』
その言葉を聞いた時、何かスッと気持ちが軽くなった気がしたのです。
幼児教育のプロで、ご自身も4人の子持ちで、母としても幼稚園の先生としてもプロで大ベテラン。そんな先生でも、子どものことで悩むし、悩むのは一番上の子なんだ……。
そう思えた時、長男に対して心配している自分を許せる気がしたのです。
■そして、いまだに心配なのは…
そんな長男も、いまや中学生になりました。親に言われてうっとうしがる思春期真っ只中です。私には現在幼稚園児の娘がいますが、その小さい娘よりも、いまだに心配な対象かもしれません。注意される回数も、忘れ物も、やっぱり一番多い長男。
もしかしたら、過保護過ぎるのかも…と自分で反省し、口に出すことをグッとこらえてみるのですが、それでもやっぱり目にとまってしまうのです。その理由は男の子なだけに、女親には理解しがたい言動を取ることにも原因があるのかもしれません。
そんな時に、先生の言葉を思い出すんです。
『いくつになっても、心配なのはいつも上の子』
そうすると、”気にしてもいいんだ”という思いから、気持ちが楽になると同時に、つい口に出てしまう長男への小言の回数も減る気がしています。
それでも言い過ぎたなって思った時には、謝ります。
「言い過ぎた、ごめん。