2019年4月1日からスタートした「有給休暇の義務化」により、会社は社員に対して必ず有休休暇を取得させなくてはならないようになりました。



忙しく、なかなか有休休暇をとることができなかった人にとっては、日々の仕事の疲れをリフレッシュできるよい機会ではありますが、これを手放しでは喜べない人たちもいるようです。



そこで今回は、有給休暇の義務化のルールのおさらいとともに、有給休暇義務化に対する家庭の反応についてもみてみましょう。



■「義務化」の対象になるのは?



まずは、有給休暇の義務化におけるルールを確認しておきましょう。対象となる事業所に範囲は設けられておらず、大企業から小規模な会社までのすべてが対象となります。小さな事務所だけの特例などは存在しません。



また、「年次有給休暇を10日付与される人」が対象者となります。もともとフルタイムで半年以上勤め、かつ8割以上出勤している人に10日間の有給休暇が与えられるのが決まり。

そのため、正社員のほとんどが対象になると思われます。



なお、パートタイマーの場合は「勤続3.5年以上かる週4日以上勤務している人は、最低10日付与される」と決まっています。この基準に該当する方は、制度の対象になるので覚えておきましょう。



そして、義務化の対象となるのは5日間のみ。付与された日から1年以内に取得しなければなりません。ただし、通常の有給と異なり、会社が取得日を指定することになっています。

この制度とは別で5日以上の有給を取得している、計画年休制度により5日間付与されているというケースは対象外となるため、注意しておきましょう。



■あなたの会社、有給は取りやすいですか?



義務化された以上、これからは正々堂々と取得できるはずの有給休暇。しかし、まだまだ取得しにくい空気が漂っている職場も少なくないようです。



・「いざ有給を取ろうとすると、上司から『俺がお前くらいの時は、有給休暇なんて取らなかったぞ』という嫌味が…。正直、かなり気まずいです」



・「社長に『有給休暇の件ですが…』と声をかけると、たちまち機嫌が悪くなります。そのため、まともに話すことができません」



・「誰も有給休暇について言い出さないので、私も黙っています。

上司が積極的に話してくれたらいいのに」



・「人手が足りず、思うように取得できないのが現状です」



周りが有給休暇について触れていないため、仕方なく自分も我慢しているというケースもあるようです。とくに上司から口を挟まれた経験がある方は、「次からは黙っていよう」と思ってしまうことが多いようですね。



■夫の有休休暇に不満を感じる妻も。



では、家庭では、この「有給休暇の義務化」はどうとらえられているのでしょう?夫の有休休暇についての妻の意見を集めてみました。



・「夫の勤務はカレンダー通りなので、家族でのお出かけはいつも週末。遊園地やテーマパークにたくさん行きたいんですが、何処も混んでいるし、子どもがまだ小さいから大変で…。

平日休んでもらえると、思い切ってテーマパークとかに行きやすいので、助かります。」



・「私は平日休みの職場で、夫は土日が休みの職場。お互いの職場の休みがとりやすい期間も違っていて、なかなか休みが合わないのですが、義務化なら、休みが合わせやすくなりそう…。ちょっと期待しています。」



・「夫は、自分の休みは家族と一緒に出掛けたい派。でも土日休みの職場なので、有給休暇をとるとなると平日。子どもは学校だから、有給休暇をとったときは、『夫婦で一緒に出掛けよう』って誘われるんですけれど、正直子ども抜きで夫といるのは苦痛で…。ひとりで好きなことをしていてくれるなら、いくらでも有給休暇使ってくれて構わないんですけれど。」



・「主人が家にいると仕事が増えるんです。

ご飯を考えないといけないし、出かけるにも『どこ行くの。』っていちいち聞かれるし。特に趣味もないので、ずっとリビングでTV三昧。こちらは、いろいろ忙しいので、その姿を見るとイラっとします。だから主人が平日休みなんてストレスが溜まって…。義務化なんて、嫌がらせか何かかと思っちゃう(笑)。」



■まとめ



働き方改革の一環ということで、導入された有給休暇の義務化。

でも、まだまだ職場内に有給休暇をとりにくい雰囲気が残っているなど、課題も多いようです。
また、家庭内での捉え方もさまざま。まだまだ一長一短という感じなのかもしれません。