みなさんは「お金持ちほどケチである」という言葉を聞いたことはありませんか?誰しも一度は耳にしたことがある言葉かもしれませんが、実際のところその真偽はわかりませんよね。そこで本記事では、世界の有名なお金持ちたちのエピソードから、「お金持ちほどケチである」という言葉の真相を考察していきたいと思います。



■びっくり!有名なお金持ちの倹約エピソード



まずは、みなさんがご存知の有名なお金持ちの倹約エピソードを紹介していきましょう。



Facebookの創業者 マーク・ザッカーバーグ氏

1人目は、Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグ氏のエピソードです。Forbes JAPANによると、マーク・ザッカーバーグ氏の保有資産は2019年4月時点で718億ドル(約8兆円)と判明しています。



しかしながら、毎日着ている服はGAPの同じTシャツとデニム、乗っている車は中古車、昼食はホットドッグ…と、資産額にそぐわない質素な生活ぶりが話題となっているのです。



また結婚式は自宅の庭で挙げ、ハネムーン先ではマクドナルドのハンバーガーを食べていたとも知られています。



実際にマーク・ザッカーバーグ氏は自身の生活について「私はすっきりとした生活を心から望んでいる。そうすれば、決断事項を極力減らして、Facebookに最大限貢献するにはどうすればよいかということだけに集中して考えることができる。」とコメントしています。



世界的な投資家 ウォーレン・バフェット

2人目は、世界的な投資家でありながら世界最大の投資持株会社バークシャー・ハサウェイのCEOを務めるウォーレン・バフェット氏のエピソードです。



Forbes JAPANによると、ウォーレン・バフェット氏の保有資産は2019年3月時点で825億ドル(約9兆円)と判明しています。



しかし住んでいる家は1958年に購入した質素な家、持っている携帯電話はガラパゴス携帯、自宅のデスクにはコンピューターがない…といった驚きの質素な生活を送っているのです。



また食の嗜好も庶民的で、バーガーキングやデイリークイーン、コカ・コーラの商品が好物だそうで、コーラは1日に5本も飲むそうです。ちなみにこれらの企業には彼自身が出資をしています。



実際にウォーレン・バフェット氏は自身の生活について「私はこのうえなく幸せだ。家を何軒も所有していたら、むしろ状況は悪くなっていただろう。

私は必要なものをすべて持っているから、これ以上は必要ない。一定のレベルにまで達したのなら、それ以上に違いは生じない。」とコメントしています。



■お金持ちは「ケチ」。それは本当?



彼らの資産額を見たあとですので、「なんて質素な生活をしているのだろう」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。または、「なんてケチなんだ!」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。 このように、実は「ケチ」という感覚は、極めて主観的な感覚なのです。それでは彼らは、彼らの感覚において本当に「ケチ」なのでしょうか?



私たちの感覚での「ケチ」とは、“何かを犠牲にしてまで安く済ませようとすること”ですよね。実は彼らが中古車に乗ったりファストフードを食べたりするのは、“安く済ませようとしている”からではなさそうです。詳しく見ていきましょう。



お金持ちは「重要だ」と思うことにしかお金と時間をかけない

私たちが思う「お金持ちは高級車に乗り、毎日高級料理を食べている」というのは、世間で作られたイメージとも言えそうです。なぜならば、思っている以上にお金持ちのなかには、庶民と同じレベルの金銭感覚を持っている方が多いのです。



そしてお金の使い方も、たくさんお金を持っているからといって、豪華なものに大金を投じるような浪費はあまり好まず、自分が「重要だ」と思うことに対してだけお金をかけるという特徴があります。



マーク・ザッカーバーグ氏を例に出すならば、彼にとっては高級ブランドの服を着ておしゃれをしたり高級レストランで食事をするよりも、投資をしたり社会奉仕活動をおこなったりする方が重要だということです。



実際彼は、宇宙関連事業やAR・VR分野に積極的な投資をしていますし、社会奉仕プロジェクトの立ち上げもおこなっています。



おそらく普通なら贅沢したいであろう衣料品や車で贅沢をしていないため、一般の目には「ケチ」として映っているのでしょう。ですが、彼は「重要だ」と思うことにはきちんとお金をかけているのです。



お金持ちは強い承認欲求を持っていない

「承認欲求」とは、他人から認められたいという欲求のことです。たとえば「自分のがんばりをだれかに褒めてもらいたい」、「SNSの投稿にたくさん「いいね!」がほしい」などは承認要求の表れともいえます。



承認欲求が強い方は、高級ブランドの商品を購入して写真を投稿したり、有名人が開催しているイベントに行って共に記念写真を撮ってその写真を投稿したりして、SNSでの称賛を集めようとします。つまり、承認欲求をお金で解決している状態です。



ただしお金持ちは、承認欲求をお金で解決しようとはしません。起業や投資など、自分のやりたいことに取り組んで優秀な成績を収めることで、大きくメディアに取り上げられたり自然と祝福や応援の声がかかったりするようになるのです。



そのため、人に見せびらかすようなブランド品も高級車も必要ありません。お金持ちは、自分のモチベーションが高まるような“やりたいこと”をしているからこそ、承認欲求が満たされているのです。



■まとめ



世界のお金持ちたちは、一般的にいわれるような浪費家ではなく、「重要だ」「やりたい」と思ったことに効率よくお金をかけるお金の使い手なのです。

そして彼らの視点からいうと、彼らは「ケチ」ではありません。



本記事で紹介したマーク・ザッカーバーグ氏やウォーレン・バフェット氏のように、値段とは関係なく好物ならファストフードを食べればよいし、企業経営や株式投資など自分のしたいことにお金をつぎ込めばよいのです。



彼らを教訓に、お金の使いみちや承認欲求の満たし方を見直してみることでお金持ちの思考へと一歩近付けるのではないでしょうか?



【参考】
『ザッカーバーグ、FB株上昇で「ほっと一息」資産8兆円に( https://forbesjapan.com/articles/detail/26980 )』(Forbes JAPAN)
『世界長者番付、ジェフ・ベゾスが2年連続首位 21歳のビリオネアも誕生( https://forbesjapan.com/articles/detail/25883/2/1/1 )』(Forbes JAPAN)



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