新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を機に、高速道路の料金所の有人ブースを廃止し、ETC専用に統一することが検討されていることをご存知でしょうか?



普段から高速道路を利用している方にとっては何てことのないニュースですが、高速道路を頻繁に利用しないドライバーの中にはETCカードを持っていないという方もいるでしょう。



そこで本記事では、高速道路のETC専用化に関連して、あまり聞き慣れない「ETCパーソナルカード」について紹介していきます。

特にクレジットカードがなくてお困りの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。



■高速道路「ETC専用化」を検討へ



2020年7月2日に共同通信は、「国土交通省は2日、全国の高速道路について、料金所の現金向け有人ブースを廃止し、ETC専用とする方向で検討すると明らかにした」と報じました。



これは、2020年6月27日までに、料金所係員9人が新型コロナウイルス感染症に感染したことを受け、感染症対策として人と人とが接触する機会をなくす必要があるとの判断からのようです。



そもそも現時点においても、ETCの利用率が93%に達しているということもあり、ETC専用化への工程はスムーズに進んでいく可能性が高いのではないでしょうか。



ETCの利用に必要な「ETCカード」は、クレジットカードとETCカードが1枚のカードになった一体型と、クレジットカードの付帯カードとして発行されるETC専用カードがありますが、いずれにせよクレジットカードと紐づけて発行される場合がほとんどです。



普段あまり高速道路を使わないのに、自分のクレジットカードとETCカードを紐づけることに抵抗を感じる方や、そもそもクレジットカードを持っていない場合はどうすれば…?という疑問が浮かんできますね。



■「ETCパーソナルカード」はクレカ不要のETCカード



そのような方のために、クレジットカードが不要な「ETCパーソナルカード」が用意されています。



「ETCパーソナルカード」は、クレジットカードを持っていない方でもETCが使えるよう、東/中/西日本高速道路、首都高速道路など6社が共同して発行しており、略して「ETCパソカ」と呼ばれることもあります。



クレジットカードの付帯カードとして発行するETC専用カードと同様に、高速道路の有料道路料金の支払いのみに利用可能で、年会費は1,257円(税込)です。



それでは、ETCパーソナルカードの特徴を詳しく見ていきましょう。



① デポジット(保証金)が必要

ETCパーソナルカードを発行してもらうには、デポジット(保証金)の預託が必要です。そして、有料道路の料金支払いに利用することができるのは、このデポジット額の80%までとなっています。



というのも、ETCパーソナルカードには、クレジットカード発行時のような審査はありません。

その代わりにデポジットを預託することで、利用者にETCの利用金額に対する債務を保証しているのです。



デポジット額は「平均利用月額の4倍」とされ、最低2万円、2万円単位で設定します。ETCの利用金額がデポジット額の80%を超えると、ETCパーソナルカードの利用が一時的に停止するため、あらかじめ余裕を持って設定しておくようにしましょう。



② 利用料金は口座引き落とし

ETCパーソナルカードは、プリペイドカードのような前払いシステムではなく、デポジットはあくまでも保証金なので、ETCの利用料金は申込み時に指定した銀行口座から毎月27日(金融機関が休業日の場合は翌営業日)に引き落としになります。



指定できる金融機関は、銀行(ゆうちょ銀行を含む)、信用金庫、信用組合、農協などさまざまです。ネット銀行の場合は、振替依頼書をETCパーソナルカード事務局からネット銀行に提出後、本人に確認の連絡が入ります。



③ 申込みは郵送

基本的に郵送での申込みになります。A4用紙とプリンターの準備が可能な方は、公式サイト( https://www.etc-pasoca.jp/application/ )からETCパーソナルカード利用申込書を作成することができます。または、ETCパーソナルカード事務局や各道路会社のお客さまセンターに問い合わせて、申込用紙を郵送してもらうことも可能です。



利用申込書を入手したら、必要事項の記入と捺印をして、運転免許証のコピーを同封のうえETCパーソナルカード事務局に郵送します。本人確認書類は、ETCパーソナルカードがETC利用に特化したサービスであることから、原則運転免許証に限定されています。



郵送した書類がETCパーソナルカード事務局によって確認されたら、デポジット払込用紙が届くので、コンビニなどでデポジット額を支払いましょう。



デポジット額の支払いをETCパーソナルカード事務局が確認すると、簡易書留でETCパーソナルカードが届きます。

カードが届いたその日から利用することができますが、入金からカード到着まで2週間程度かかるので、使う予定がある方は余裕をもって準備しておいたほうが良さそうです。



■まとめ



本記事では、高速道路の料金所のETC専用化が検討されていることから、「ETCパーソナルカード」についてご紹介しました。少々手間のかかる手続きにはなりますが、クレジットカード申込時のように審査がないことと、もしカードを紛失した場合でも被害が限定的というのは、「ETCパーソナルカード」のメリットですね。



興味がある方は、ETC専用化に備えて公式サイトで確認しておきましょう。



【参考】
・「高速道路、ETC専用化へ 料金所でのコロナ感染防止( https://news.infoseek.co.jp/article/kyodo_kd-newspack-2020070201002044/ )」(共同通信)
・「ETCパーソナルカードとは( https://www.etc-pasoca.jp/service/ )」(ETCパーソナルカードWebサービス)
・「パーソナルカード( https://www.w-nexco.co.jp/etc/personal_card/ )」(NEXCO西日本)



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