クリスマスシーズンを彩る鉢花といえば、ポインセチア。フラワーショップや園芸店にクリスマスカラーのポインセチアが並ぶ時期になりました。



赤と緑のキレイな色はクリスマスシーズンにぴったり。最近では白やピンクのポインセチアも販売されていて、組み合わせて飾ると華やかさが一段とアップします。



今回はポインセチアの育て方と管理のコツについてお伝えします。ポインセチアはクリスマスが終わっても長く楽しめますよ。さっそくみていきましょう。



■ポインセチアの選び方



クリスマスの花「ポインセチア」育て方と管理のコツ、長く楽しむには?

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ポインセチア(ZoomTravels/Shutterstock.com)



  • トウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)
  • 常緑低木
  • 原産地:メキシコ
  • 参考価格:500~700円前後(3号鉢)、2000~3000円前後(5号鉢)

定番の赤だけでなく、ピンクや白、斑入りなどバラエティ豊かにそろう昨今のポインセチア。



ポインセチアは気に入った姿かたちはもちろんですが、色が鮮やかで先までピンと張った元気な葉や苞(ほう)のものを選びましょう。



株がグラグラついているのは根張りが十分ではありません。また、下葉が落ちていたり、葉が黄色くなっているもの、葉が丸まっている株も避けます。



丈だけ伸びた弱々しい茎や、葉と葉の間隔が間延びしている徒長したものにも注意します。



※苞(ほう):ポインセチアの花のまわりに作られる赤や白の色づいた部分。花は中心の黄色の部分。



クリスマスの花「ポインセチア」育て方と管理のコツ、長く楽しむには?

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白のポインセチア(Kwanbenz/Shutterstock.com)



■ポインセチアの管理のコツ



クリスマスの鉢花として秋~冬に出回るポインセチアですが、耐寒性はあまりありません。秋冬の観賞シーズン中は室内で観葉植物として楽しみます。



ポインセチアの管理は、ポイントさえ押さえれば難しくありません。ここからは管理のコツを解説します。



■購入してすぐに植え替えしない



購入したばかりのポインセチアはすぐに植え替えをせず、観賞シーズン中は最初の鉢のまま管理します。シーズン中は室内管理のため、鉢受け皿が必要です。



そのままの鉢が気に入らない場合は、鉢カバーを使ってみてもいいですね。



■日当たりの良い場所に置く



ポインセチアは日向を好む植物です。室内の場合も、日当たりのいい暖かい場所で育てましょう。エアコンの風には当たらないよう注意して下さい。



昼間の管理は、日当たりの良い窓辺などが適しています。日照が不足しているとポインセチアが調子を崩したり、枯れる原因になってしまうこともあるので気を付けましょう。



■冬は防寒対策をおこなう



ポインセチアには耐寒性が無いので、寒さで調子を崩してしまうことがあります。昼間は日当たりも良くポカポカと暖かい窓辺も、夜になると急激に気温が下がるので注意しましょう。



夜になったらポインセチアを部屋の真ん中などあまり寒くならない環境に移動して、発泡スチロールや段ボール等を被せて冷気を遮断します。



ポインセチアは低温に弱い植物です。寒さに当ててしまうと葉や苞が変色したり、くるんと裏返ってしまったり見栄えが悪くなるだけでなく、最悪枯れてしまいます。



寒い時期の温度管理には特に注意しましょう。



■冬は水やりを控えめに



ポインセチアの水やりの基本は、他の多くの植物と同じです。午前中に水やりをおこない、土が乾いていたら、鉢底から水が溢れるほどたっぷりとあげるようにします。



ただし、秋冬の観賞シーズン中のポインセチアは休眠している状態。とてもきれいな時期なので、水をたくさん与えたくなりますが、水やりは控えめに、乾燥気味に管理します。



土が湿っている状態で水やりをすると過湿になり、根腐れを起こす可能性があります。日当たりの良い場所で管理しているのに元気な葉が落ちてしまうのなら、根腐れのサインです。



茎がみずみずしい状態なら復活の可能性も高いので、水やりを控え様子を見ましょう。



クタッと葉や苞が垂れ下がっているのは、水が足りていない可能性が高いです。水やりのタイミングは日々観察をおこない、植物の状況を見て把握するようにしましょう。



冬はエアコンなどの風で室内が乾燥しがちです。時々霧吹きで葉水をあげるのも効果的です。



■ポインセチアを長く楽しむ方法



ポインセチアをワンシーズンで終わらせてしまうのは、少しもったいない気もします。



シーズン後もきちんとお世話すれば、翌年のクリスマスにはより立派に育ったポインセチアを再び楽しめます。



次はクリスマスシーズン後もポインセチアを長く楽しむ方法を解説します。



■植え替えをする



ポインセチアの植え替え適期は、生育期を迎える5月~6月頃。



観賞シーズンを終えた鉢花のポインセチアは、この時期ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。植え替え前に、コンパクトに剪定しておくのがおすすめです。



植え替えの手順
それでは、植え替えの手順について説明します。



【1】株よりひと回り大きな鉢を準備します。鉢底ネット、鉢底石を入れて培養土を鉢の半分程度まで入れておきます。【2】元の鉢から株を抜き取ります。古い土は落とし、枯れた根があればカットします。
【3】株を用意した鉢に植え替えます。株を中心におき、隙間を埋めるように培養土を入れましょう。
【4】土を入れて、株が安定したら、鉢底から水がでるくらいたっぷりと水をあげましょう。このようにすることで根と土が密着します。土のかさが減ったら、土を追加で投入しておきます。



1~2年に一度が植え替えの目安です。用土は一般的な野菜や花用の培養土で問題ありません。元肥には緩効性肥料をいれます。



■冬以外は屋外でも管理できる



気温が10℃以上の生育適温になれば、ポインセチアは屋外で管理することもできます。直射日光で葉焼けを起こす場合もあります。真夏は風通しの良い明るい半日陰で管理しましょう。



多湿が苦手なので雨ざらしにならないよう、梅雨時は雨の当たらない軒下で育てます。



■短日処理で葉を色づかせる



ポインセチアは「短日植物」に分類されます。次のシーズンも葉を色づかせるには花芽を作る必要があり、15℃以上の気温が必須。そのため、10月下旬頃から室内での管理に切り替えます。



花のように見える部分は苞と言われる部分で、花は中心の黄色部分です。苞を赤や白に色づかせるためには「短日処理」が必要となります。



「短日処理」とは、植物を遮光状態に置いて人為的に短日の状況に置くことです。クリスマスシーズンに合わせるなら、9月下旬~10月上旬に短日処理を始めます。



短日処理のやり方は簡単です。

植物は照明の光にも反応してしまうため、日没から朝8時位まで照明の当たらない暗所に置くか、段ボール箱を被せて遮光します。これを繰り返すことで、葉が色づいてきます。



■ポインセチア、注意するポイント



ポインセチアは、ユーフォルビア属に分類されます。ユーフォルビア属の植物は、切ると白い液体が出てくるのが特徴として挙げられます。



この液体は人体に有害なことも多く、実際に触れるとかぶれる可能性があります。



ポインセチアを剪定するときには手袋をするなど、白い液体が肌に触れないよう注意しましょう。付いてしまったときは、すぐに洗い流しましょう。



剪定の適期は生育期の5月頃と夏です。夏の剪定では透かすように枝を切って、風通しを良くします。



■まとめにかえて



クリスマスのみのワンシーズンものだと思われがちのポインセチアですが、実は適切な管理で何年も楽しむことができます。



美しい葉色を再び楽しむには管理のコツが必要ですが、うまく育てることができれば毎年クリスマスシーズンが楽しみになりそうです。



今年買ったポインセチアが来年も楽しめるように、育ててみてはいかがでしょうか。



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