「クリスマスフラワー」という別名を持つポインセチア。鮮やかな赤色と星にも似た形の花が、クリスマスの雰囲気を華やかに盛り上げてくれます。



寒い冬に出回る花ですが、じつは寒さは少し苦手。枯らさずに育てるにはコツが必要です。



今回はポインセチアの育て方やお手入れについて解説します。うまく冬越しできると、翌シーズンも赤く色づいたポインセチアを楽しめますよ!



■ポインセチアとは?どんな植物?



【ポインセチアの育て方】短日処理で赤く色づかせる方法、来年のクリスマスも楽しめる!

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クリスマスにぴったり!ポインセチア(Leena Robinson/Shutterstock.com)



  • トウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)
  • 参考価格:900~3000円程度

ポインセチアはメキシコが原産地の観葉植物です。アメリカ人のメキシコ大使、ポインセット氏が、駐在中に発見した原種をアメリカに持ち帰って紹介したのでこの名前が付きました。



赤い花のように見える部分は苞(ほう)といい、花を守るために葉が変化したものです。本当の花は、中央にある小さな黄色い部分でほとんど目立ちません。



鮮やかな赤がポインセチアのメインカラーですが、近年では品種改良によってクリーム色やピンク、白、斑入りのものなどバリエーションも増えています。



【ポインセチアの育て方】短日処理で赤く色づかせる方法、来年のクリスマスも楽しめる!

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クリーム色のポインセチア(photolona/Shutterstock.com)



■ポインセチアの育て方



■温度管理



ポインセチアはクリスマスシーズンに出回る花なので耐寒性があると思われがち。実際は寒さに弱い植物です。



10℃以下で葉を落としてしまうので、クリスマスの装飾として屋外で育てるのは難しいといえるでしょう。



冬は暖かい室内で栽培して、株を冷やさないように管理します。

暖房の風を当てると、乾燥でかえって株が弱るので避けるようにしましょう。



冷え込む夜は窓辺から離れた場所に移動して、段ボールで囲んだりビニールを掛けたりすると寒さを防げます。



■水やり



春~夏の生育期と違い、開花時期の冬は水分を吸収しません。水やりを控えめにしないと過湿で根腐れを起こしてしまいます。



水やりのタイミングは土が乾いているのを確認したら、天気のよい午前中におこないましょう。



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冬の水やりはひかえめに(Evgeny Haritonov/Shutterstock.com)



できれば冷たい水をかけるのではなく、室温程度の水道水をあげるようにしてください。



しんなりしてくると慌てて水をたくさん与えてしまいがちですが、これは水切れではなくて寒さのためかもしれません。少し暖かい場所に移動して様子を見ましょう。



■日当たり



ポインセチアは日光を好む植物です。日照不足になると、葉が落ちたり黄色く変色したりといった生育障害を起こします。



ガラス越しに日光がよく当たる場所を選んで置きましょう。ポカポカと暖かい日射しが当たると、光合成も活発になってスクスクと元気に育ちます。

葉の赤や緑も、よりいっそう鮮やかになります。



■肥料



冬は休眠期に当たるので、肥料は特に必要ありません。与えるとしても、薄めの液体肥料を月に1回程度で十分です。



暖かくなったら切り戻しや植え替えをして野外での栽培に切り替えるので、このタイミングで肥料を与え始めます。



2カ月に1回のペースで緩効性肥料を施すか、10日に1回のペースで液体肥料を与えましょう。



■ポインセチアを赤く色づかせる方法



ポインセチアを枯らさずうまく冬越しできれば、夏越しは比較的簡単です。日当たりのよい屋外で育てれば、また新芽が伸びてきます。



ただ、大切なのは葉を赤く色づかせること。そのためには短日処理が必要です。



9月以降は1日のうち12時間以上は暗い状態で管理します。この環境を1~2カ月続けます。



■短日処理のやり方



①17時~翌朝7時くらいまで段ボールをかぶせて完全に光を遮断する。



②翌朝7時~17時までは光をたっぷり当てる。



この作業を1~2カ月間繰り返すと、花芽が形成され苞が赤く色づく。



短日処理はポインセチアが真っ赤に色づくまで、できるだけ毎日続けます。



数日間抜けてしまうとうまく色づかない場合もありますから、根気よく続けることが大事です。



■ポインセチア、その他の注意点



葉が混み合ってきたり伸び過ぎたりしたときは、剪定のお手入れをしましょう。



【ポインセチアの育て方】短日処理で赤く色づかせる方法、来年のクリスマスも楽しめる!

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剪定でコンパクトに仕立てることも可能(BearFotos/Shutterstock.com)



3月~5月が剪定の適期。色づいた部分を切り戻し、新芽の形成を促しましょう。



ユーフォルビア属の植物は剪定すると、葉や枝の切り口から白い液が出ます。



この樹液に触れると、かぶれてしまう場合があるので剪定作業をするときは手袋をすることをおすすめします。



樹液に触れてしまったら、すぐに流水で洗い流しましょう。



■まとめにかえて



クリスマスシーズンが近づくと、ポインセチアの鉢植えがたくさん店頭に並びます。



クリスマスだけの観賞用ではなく、育て方のコツをつかむことで、葉の色が緑から赤へと変化する様子も楽しめます。



来年からは毎年自分で育てたポインセチアを飾って、楽しいクリスマスを過ごすのもステキですね。ツリーの緑にポインセチアの赤が映えて、さらに華やかなクリスマスになりそうです。



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