株式市場では日々、多くの企業の株価が、様々な材料をもとに変動しています。



今回は、日経平均株価の構成銘柄に採用されることが決まったオリックス(8591)を取り上げます。



今後の株価はどうなるのでしょうか。



■オリックスが日経平均株価の構成銘柄に採用へ



日本経済新聞社は2022年3月1日、オリックスを日経平均株価の構成銘柄に採用すると発表しました。



優待株のオリックス、株価はどうなるのか。日経平均株価の構成銘柄に採用へ

出所:日本経済新聞社「日経平均株価等の構成銘柄の取り扱いについて」



2022年4月4日の算出から組み入れられる予定です。



オリックスの流動性の高さなどがポイントとなって選ばれ、新生銀行と入れ替わる予定です。



■パッシブ需要への期待高まるか



日経平均株価の構成に組み入れられる際、「パッシブ需要」というものが発生することがあります。



これは、日経平均株価やTOPIXといった指数と連動するよう運用されているファンドの買い需要を指します。



加えて、今回オリックスは高い流動性がひとつのポイントとなって選ばれましたが、構成銘柄に組み入れられることで、その流動性がさらに高まる可能性もあるのではないでしょうか。



■オリックスの3Q決算の業績を振り返る



ここで、オリックスが2022年2月7日に発表した2022年3月期第3四半期の業績を振り返っておきましょう。



オリックスの2022年3月期3Qの営業収益は1兆8681億円(前年同期比+12.2%)、営業利益は2821億円(同+45.6%)、株主に帰属する四半期純利益は2113億円(同+48.8%)となりました。



各事業の動向は以下となります。



■法人営業・メンテナンスリース



セグメント利益は710億円(前年同期比+41%)。投資先の上場に伴う有価証券売却・評価損益、受取配当金の増加などが寄与。



■不動産



セグメント利益は278億円(同+68%)。大京やその子会社の不動産売上高が増加したほか、賃貸不動産の売却によりオペレーティング・リース収益が増加した。



■事業投資・コンセッション



セグメント利益は102億円の損失(前年同期は同45億円)。投資先での資産の評価損、棚卸資産の評価損の計上などが影響。



■環境エネルギー



セグメント利益は184億円(前年同期比+8%)。投資先の売却により子会社・関連会社株式売却益が増加したことなどが寄与。



■保険



セグメント利益は456億円(同-11%)。旧ハートフォード生命での変額保険にかかる責任準備金の戻入額の減少が影響。



■銀行・クレジット



セグメント利益は344億円(同-10%)。信用損失費用や広告宣伝費の増加が影響。



■輸送機器



セグメント利益は32億円(同-26%)。Avolon Holdingsでの損失計上が影響。



■ORIX USA



セグメント利益は682億円(同2.7倍)。投資先の売却などにより有価証券売却・評価損益、受取配当金、子会社・関連会社株式売却益が増加した。



■ORIX Europe



セグメント利益は561億円(同2.1倍)。受託資産の平均残高の増加によりサービス収入が増加した。



■アジア・豪州



セグメント利益は359億円(同5倍)。投資先の売却により子会社・関連会社株式売却益が増加したほか、韓国、中国における金融収益や豪州におけるオペレーティング・リース収益が増加した。



こうしてみると、海外での利益成長が著しいです。



売却益の計上や受託資産の残高増加、金融収益の増加など、どの地域も金融関連事業が牽引しています。



一方、国内での事業投資や銀行といった事業では損失計上または減益となっており、国内外で方向の異なる業績となりました。



■まとめにかえて



優待で人気のオリックス。



日経平均株価の構成銘柄に採用されることで、さらに人気度は高まるかもしれません。



今後に注目です。



■参考資料



  • オリックス株式会社 投資家情報( https://www.orix.co.jp/grp/company/ir/ )
編集部おすすめ