涼しげで軽やかな印象のアジアンタム。これからの季節、インテリアにもピッタリの植物といえるでしょう。
葉や茎が繊細なので世話が難しそうに思われがちですが、ポイントを押さえれば初心者も育てられる観葉植物です。
今回はアジアンタムの育て方について解説します。
■アジアンタムの育て方

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- イノモトソウ科ホウライシダ属(アジアンタム属)
- 多年草
- 原産地:温帯~熱帯
- 参考価格:1000円前後(4号鉢)
■育てる場所
アジアンタムは耐陰性がありますが、基本的には日光が好きな植物。レースカーテン越しの日光が入る、日当たりのよい場所で育てましょう。直射日光を当てると葉やけを起こしてしまう可能性があります。
寒さには弱いので、10度を下回ったら暖かい場所で育てるようにしましょう。乾燥も苦手です。繊細な葉がチリヂリになってしまうので、こまめな葉水で潤いを与えます。とくにエアコンの風は乾燥を招くので注意しましょう。
アジアンタムは多湿を好むので浴室や洗面所に置くことも可能。お湯がかからないようにして、カビにも注意しましょう。
■用土
アジアンタムは多湿を好みますが、病害虫を防ぐためにも水はけのよい土で育てます。
■水やり

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アジアンタムは寒さが苦手で、冬は生育がゆっくりになります。そのため、季節や気温に応じて水やりの方法を変えるとよいでしょう。
春~秋の生長期は、土表面が乾いたらたっぷりと水をあげるようにします。葉がしおれてきたり元気がないのは、水切れのサインかもしれません。水やりをして様子をみましょう。数時間後には再び元気になるはずです。
アジアンタムの生長が緩慢になる冬は、水やりの回数を減らします。水やりのタイミングは土表面が乾いてから2~3日後が目安。冬は乾燥気味になるので、葉水の回数は増やしましょう。
■肥料
アジアンタムは肥料を与えなくても十分育ちますが、与えたほうが生長が早くなります。肥料を与える時期は、春~秋の生育期です。
緩効性肥料は2カ月に1回、液体肥料は7~10日に1回のペースがおすすめ。使う肥料のパッケージにある用法用量を守って使用しましょう。化成肥料を使うと、コバエの発生も予防できます。
■剪定・切り戻し

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直射日光や水切れでチリチリになってしまったり、枯れて変色した下葉は復活しません。株の通気性をよくし、生きた葉に栄養を効率的に届けるためにもハサミなどで根元からカットしてください。
■病害虫
アジアンタムに発生しやすい病気は立ち枯病、害虫はハダニ・アブラムシ・カイガラムシです。立ち枯れ病はカビの一種。根や地際から感染し、生育不良を起こします。症状が進むと株全体を枯らしてしまいます。
ハダニやアブラムシ、カイガラムシは葉や茎などに潜んで、養分を吸う小さな害虫。そのままにしていると株が弱り枯れてしまいます。
病害虫対策は、間引きや剪定をして風通しよく育てること。蒸れが病害虫発生の原因になることがあります。枯れた葉などもこまめに取り除きましょう。カイガラムシの残した白い斑点や汚れは歯ブラシなどでそぎ落とします。
病害虫は日々の観察で早めに発見することができます。見つけ次第駆除し、薬剤散布で対策しましょう。薬剤は予防にも効果的です。薬剤散布に抵抗がある人は、自然由来の薬剤を使ってみてもよいかもしれません。
■植え替え
アジアンタムは生育旺盛な植物なので、1~2年に1度ほど植え替えが必要になります。5~9月が植え替えの適期です。水はけのよい用土で、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。

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■まとめにかえて
水切れや温度管理に注意すれば、アジアンタムは難しくありません。
涼しげな雰囲気をお部屋にプラスしてくれるアジアンタム。ぜひ挑戦してみてください。