■なぜ東京タワーは黄赤と白なのか



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今年、開業10周年を迎えた東京スカイツリー。一方、長く東京のシンボルであった東京タワーは来年開業65周年を迎えます。



これまで東京のシンボルといえば東京タワーの印象が強くありましたが、スカイツリーの登場によりスカイツリーを挙げる方も増えているでしょう。



とはいえ、東京タワーを題材としたドラマや映画なども数多く、東京タワーに思い入れを抱く方も多いのでは。

日本を代表するシンボルタワーがそれぞれ開業記念を迎える今、東京のシンボルといえばみなさん「東京タワー」と「スカイツリー」どちらを思い浮かべるのでしょうか。

それぞれの特徴とともに見ていきます。



■見る者によって印象が変わる「東京タワー」



1958(昭和33)年12月23日に完工した東京都港区にある東京タワー。正式名称は「日本電波塔」です。



東京タワーといえば、その曲線美とともに見る者を惹き込む「赤」と「白」のツートーンカラーが印象的でしょう。



実は、東京タワーの色は「赤」ではありません。



正式名称は「インターナショナルオレンジ(黄赤)」であり、航空法で一定の高さ以上の建物には黄赤と白を用いなければいけないと定められています。



見る者を時に感傷的にさせる由縁の一つに、この空に映える黄赤色があるでしょう。



「東京タワーvsスカイツリー」あなたはどっち派?見る者によって印象を変えるそれぞれの魅力とは

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高さ333メートルとなった理由は、東京を中心として北は水戸、東は銚子、南は沼津、西は甲府へと電波を送る際に必要な高さであったため。



来塔者数は2013年6月に、累計1億7千万人を達成。

単純計算すれば日本人全員が一度は訪れているわけですから、その人気の強さがわかります。



東京の真ん中にどっしりと力強く佇むすがたは時に「男性的」に、柔らかな曲線美と空とのコントラストが美しい黄赤色は時に「女性的」にも感じさせる東京タワー。



「東京タワーvsスカイツリー」あなたはどっち派?見る者によって印象を変えるそれぞれの魅力とは

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まるで月のように、見る者によって印象を変えるのが東京タワーの特徴ともいえるでしょう。



■日本の伝統美と近未来的なイメージを融合した「東京スカイツリー」



東京都墨田区にある東京スカイツリーは2012年2月29日に完工、同年5月22日に開業。



現存する電波塔としては世界1位の634メートルを誇ります。



「東京タワーvsスカイツリー」あなたはどっち派?見る者によって印象を変えるそれぞれの魅力とは

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あまりに高いと地震による揺れが心配になりますが、日本独自の木造建築物である「五重塔」に似た新しい制振システムを採用しています。



日本の伝統美と近未来的なイメージを融合したそのデザインに、これから訪れる未来への想像や期待をふくらませる方も多いでしょう。



色は「藍白」をベースとしたオリジナルカラーの「スカイツリーホワイト」。青みがかった白が落ち着いた印象を与えてくれます。



「東京タワーvsスカイツリー」あなたはどっち派?見る者によって印象を変えるそれぞれの魅力とは

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「航空法でインターナショナルオレンジと白を使わなければいけないのでは?」という疑問も湧きますが、スカイツリーの場合はこの2色を使用する代わりに高光度航空障害灯を設置しています。



スカイツリーのライトアップは江戸で育まれた心意気の「粋」と美意識の「雅」、賑わいの「幟(のぼり)」の3種類が1日ごとに現れる仕組みとなっています。



■「東京タワーvsスカイツリー」東京のシンボルはどっち?



東京タワーとスカイツリーでは、どちらを東京のシンボルと感じる人が多いのでしょうか。



日本トレンドリサーチが全国の男女750名ずつに行った「東京タワーと東京スカイツリー」の調査より確認します(2021年12月22日公表)。



「東京タワーvsスカイツリー」あなたはどっち派?見る者によって印象を変えるそれぞれの魅力とは

出典:日本トレンドリサーチ調べ(2021年12月22日公表)



1500名のうち、東京のシンボルは東京タワーが67.9%、東京スカイツリーが32.1%でした。同調査より、それぞれの意見も確認しましょう。



■東京タワー派の意見



  • 小さい頃から東京タワーが好きで、東京タワーを見て過ごしてきました。以前、東京タワーが出来るまでの過程をテレビで見たことがあって、人の手で積み上げられていく様は感動でした。スカイツリーができて、電波塔の役目は終わりましたが、いつまでも東京のシンボルだと思います。(50代・女性・東京都)
  • 東京の中心地にあり、構造が綺麗。また、昭和の技術の結晶だと感じるから。(50代・男性・島根県)
  • ずっと長い時間東京を見つめてきた。近未来もいいが過去からの歴史を語る建築物の方がシンボルに思える。(50代・女性・北海道)

■東京スカイツリー派の意見



  • 存在感。東京タワーに比べて、近代的近未来的なところも、現代の東京の象徴と感じるから。
    (40代・男性・神奈川県)
  • 600mを超す高さを持って関東一円に電波を発信していると同時に、天気予報のための観測設備も整っているところが多目的に利用できるタワーとして東京の新しいシンボルのように感じる。(70代・男性・埼玉県)
  • 最新の工学・建設技術によって造られた電波塔だからです。(40代・男性・東京都)

両者ともにデザインが好きな方やその技術を称える方、また人生とともに過ごしてきた思い入れを感じている方が多いようです。



■まとめにかえて



多くの魅力があり、見る者によって印象を変える東京の二大タワー。



みなさんは東京のシンボルと言えば、どちらを思い浮かべるでしょうか。



■参考資料



  • 日本トレンドリサーチ「【東京タワーVS東京スカイツリー】“東京のシンボル”だと思うのはどっち?」( https://trend-research.jp/11284/ )
  • 株式会社NEXER( https://www.nexer.co.jp/ )
  • 東京タワー( https://www.tokyotower.co.jp/ )
  • 東京スカイツリー( https://www.tokyo-skytree.jp/ )
  • 航空法施行規則
  • 国土交通省東京航空局「航空障害灯・昼間障害標識/風力発電機の位置情報提供」
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