今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは114.96円↓下値メドは112.65円今年の冬、欧米は近年稀にみる厳寒予想。流通網の混乱に追い打ち、原油価格上昇も
27日(水曜)のドル/円は「円高」。高値114.22円、安値113.39円、1日の値幅0.83円。
この日は114.10円からスタート。東京時間朝に114.22円をつけたあとは徐々に売りに押されて、夕方に114円を割る。NY時間には113.39円まで比較的大きく下落。終値は113.83円(前日比▲0.33円)
下落したドル/円は、短期的なサポートゾーンである113.40円近辺で止められました。ここがブレークした場合、次のターゲットは12日安値の113.00円になります。
上サイドは200時間移動平均の114.05円近辺がレジスタンス。オプションマーケットでは、115円到達に懐疑的なトレーダーが増えているようで、円安ディレクションのオプションの解消が出ています。その結果114円から115円にかけてロングガンマになり、ドル/円の上昇を阻んでいます。
カナダ銀行はこの日の会合で政策金利を0.25%で据え置きましたが、緩和縮小は公式に終了宣言しました。カナダは雇用統計も強く、消費者物価指数も上昇。原油価格の上昇を追い風に経済見通しも上向いているため、量的緩和政策はもはや不要だというのがカナダ銀行の考え。カナダ銀行の利上げは「来年4回、再来年3回」と、マーケットは非常に強気の予想をしています。
日銀は現状維持。マーケットの関心は、日銀よりも週末の参議院選挙。どれだけ自民党が苦戦するのか、そしてそうなった場合、支持率回復のために景気刺激策の金額上乗せはあるのかということを見ています。

主要指標 終値

今日の為替トレッキング
今日の一言
世界経済はインフレリスクの時代に入った。中央銀行は雇用回復よりも金融引き締めを優先すべき – IMF
Highway to Hell
ドイツ連銀は、「ドイツの成長見通しは著しく弱まった」と悲観的なレポートを発表しました。
世界的な半導体不足で原因でドイツの主要産業である自動車生産は設備稼働率が78%まで低下しています。またステアリングホイールやエンジンブロックなど、自動車部品に不可欠なマグネシウムの不足も深刻。マグネシウムは中国が世界の約85%を占めていますが、石炭価格高騰による火力発電の稼働停止で生産が激減しています。
一方で、欧州でもインフレが急上昇。ドイツの物価上昇率は29年ぶりの高水準となり、労働者が賃金上昇を要求してデモも起きています。ユーロ圏のインフレ率も13年ぶり高さ。来年夏まで2%以上のインフレが続く予想。これまで日銀と一緒にマイナス金利政策を続けてきたECB(欧州中央銀行)ですが、マーケットは早くも「2022年11月利上げ」を織り込み始めました。今日はECB理事会が開催されます。
ECB(欧州中央銀行)は12月に「重大な政策変更を行う」と予告しています。PEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)の終了に関して今回そのヒントが得られるかもしれません。
RBA(豪準備銀行)も、消費者物価指数が上向くなかで2024年まで緩和政策を継続することは難しいといわれています。豪ドル/円の上下のメドは今日のピボットをご覧ください。
今週の注目指標

今日の注目通貨:豪ドル/円
今週の予想レンジ ↑86.99円 ↓83.03円
今週の豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、85.01円。
85.01円より上ならば豪ドル買いが優勢、85.01円より下ならば豪ドル売りが優勢と判断します。
2021年これまでの高値は86.25円、安値は77.89円。平均値は82.07円。
1日の最大値幅は1.84円、最小値幅は0.19円。平均値幅は0.70円。
2021年のこれまでの値幅は8.36円。
87.74円 : 第4レジスタンス (HBO)
86.99円 : 第3レジスタンス
86.25円 : 2021年 高値
86.23円 : 第2レジスタンス
86.00円 : 第1レジスタンス
85.01円 : ピボット
84.02円 : 第1サポート
83.83円 : 10月 61.8%
83.78円 : 第2サポート
83.08円 : 10月 平均値
83.03円 : 第3サポート
82.32円 : 10月 38.2%
82.27円 : 第4サポート (LBO)
79.90円 : 10月 安値
77.89円 : 2021年 安値

2021年 豪ドル/円データ

(荒地 潤)