2023年下期決算は予想上振れ、製品構成の高度化やAIスマホの登場が追い風
現地コード 銘柄名 02018瑞声科技控股
(AACテクノロジーズ)
株価 情報種類
22.70HKD
(3/22現在)
中国のスマホ部品メーカー、瑞声科技の2023年下期決算は、粗利益率の改善を背景に予想を上回る水準に達した。スマートフォン市場は引き続き低調で、競争環境も厳しいが、BOCIは好材料として以下を指摘した。
2023年下期の売上高は前年同期並みの112億元。アンドロイド・スマホ向けの音響部品需要の低迷が響き、BOCIの予想を4%、市場予想を2%下回った。ただ、光学部品の粗利益率の回復が寄与し、全体の粗利益率は前年同期比1.5ポイント上昇の19.2%と、BOCIと市場の予想を小幅に上回る水準。光学部品の損失縮小により、下期の純利益は25%増の5億9,000万元と、BOCIおよび市場の予想を34%、21%上回った。
品目別にみると、まず音響部品の売上高は下期に前年同期比11%減の42億元。世界的なスマホ需要の萎縮が響いた。
一方の光学部品の売上高は、下期に前年同期比36%増の19億元。粗利益率はマイナス9.2%(原価割れ)だったが、BOCIの予想を上回った。
このほか、電磁駆動・精密機械の下期の売上高は6%増の46億元。スマホ用金属筐体や折りたたみ式スマホ用の金属ヒンジ、VC冷却の需要増がけん引した。BOCIは2024年も、ファーウェイの「Mate」「P」シリーズが、精密機械事業をけん引するとみている。
BOCIはPSSの連結効果と光学部品の利益率改善を反映させる形で、2024年、2025年の予想EPS(1株当たり利益)を17%、12%増額修正。同社ビジネスが着実な回復・成長軌道に乗ったとみて、目標株価の算出基準を2024年予想PER20倍(過去3年の平均倍率に相当)へ、17倍から上方修正した。
(Bank of China int.)