複数のマイナス材料は消化可能、低バリュエーションで投資価値が顕在化
現地コード 銘柄名 00916龍源電力集団
(チャイナ・ロンユエン・パワー)
株価 情報種類
6.14HKD
(5/10現在)
風力発電の世界大手、龍源電力の株価は年初から、香港の主要株価指標の一つ「中国企業指数」をアンダーパフォームしてきた。複数の懸念材料を受けた投資家心理の後退が背景。
同社株価のアンダーパフォームの原因は主に、【1】補助金支給の遅れ、【2】電気料金および電力ロス絡みの圧力、【3】リパワリング関連の減損損失――の3点。ただ、BOCIは【1】について、国内電力需要の予想以上の回復ペースが再エネ基金にプラスに働き、補助金支払いの履行にもプラスに働くとの見方。さらに、【2】に関する懸念は短期的であり、政策支援やUHV(超高電圧)ラインの建設、北部での需要増がプラスになるとみる。【3】に関しては、同社は2023年に、2024-25年に予想される計15億元のリパワリング減損引当金を計上済みであり、この先一段の減損リスクは限られると指摘。リパワリングを進めることで、長期的な収益成長の向上というメリットが期待できるとした。
一方、中国では2023年に計293GW規模の太陽光・風力発電所が新設されたが、これは記録的な数字。
BOCIは発電設備の新規導入量と電気料金に関する想定値をいずれも引き下げたのに伴い、2024-25年の予想純利益を11-14%減額修正した。ただ、現在株価は2024年PER(株価収益率)で約6倍、調整後PBR(株価純資産倍率)で0.6倍と、過去最低の水準にあると指摘。一段の下値余地は限定的で、かつリスク・リターン比も魅力的であるとし、株価の先行きに対して強気見通しを示している。
(Bank of China int.)