下落相場になったら要注意！塩漬け株をつくってしまうメカニズム (2025年1月16日)

個人投資家の最大の悩みとは？ 株式投資を長年していると、当然ながらうまくいくときとそうでないときがあります。さまざまな悩みも生じるわけですが、その中で最大の悩みといえば「塩漬け株」の存在です。 塩漬け株とは、買った株の株価が大きく下がってしまい、今さら売ることもできず、我慢して含み損を抱えたまま保有するしかない状態に陥ってしまっているものを言います。 例えばこんな状況です。 A社株を1株5,000円で100株購入（50万円） 購入後株価が下落したが、「そのうち戻るだろう」と我慢して保有継続 しかし株価下落は止まらず、1株2,000円に（30万円の含み損） 筆者はこれまで数多くの個人投資家からの相談に乗ってきましたが、その中で圧倒的に多い相談がこの「塩漬け株」についてなのです。なぜ塩漬け株が発生してしまうのか？ なぜ塩漬け株が発生してしまうのでしょうか？ その理由は至ってシンプルです。買った株の株価が下落しても我慢して持ち続けてしまうからです。 いくら株価上昇の可能性の高い株を買ったとしても、見込み違いだったり、その後の業績の変化などにより、買った後に株価が下落することはどうしても一定数生じます。 でも多くの個人投資家は、株を買う時に「株価が下がったらどうするか」というルールを設けてはいません。 そのため、いざ買った株の株価が下がったとき、売るという選択肢がそもそもなく、株価が戻るまで我慢してしまうのです。上昇相場しか経験していない個人投資家は危険？ 塩漬け株が発生しやすいシチュエーションとしては、やはり「下落相場」です。「上昇相場」では、株価は上下動を繰り返しつつも右肩上がりの上昇を続けます。そのため、買った株の株価が下落してもそのまま保有を続けていればもとに戻ることが多いです。 上昇相場が長期間続くと、これが何度も繰り返されるため、上昇相場しか経験していない個人投資家の頭の中には、「株価が下がっても下手に売らずに持ち続けていれば大丈夫なんだ」という思考が無意識のうちに刷り込まれていきます。 中には、株価が下落したところで保有株をナンピン買いで買い増すという投資家もいます。これも、「株価下落は一時的でそのうち元に戻る」と無意識のうちに考えてしまっているからといえます。 ところが、これが下落相場になると様相が一変します。株価が上下動を繰り返しながら右肩下がりに下がっていきます。値下がりした株を我慢して持ち続ければ持ち続けるほど含み損が膨らんでいき、株価も回復せず、結局は塩漬け株となってしまうのです。塩漬け株が発生してからでは遅い 冒頭で、個人投資家からの相談内容として圧倒的に多いのが「塩漬け株」であるとお話ししました。 ところがこの塩漬け株、相談されてもどうにも対処ができないのです。なぜなら、個人投資家の方が相談に来るころには、すでに株価が大きく下落した後だからです。 例えば5,000円の株が4,000円になってしまった、という程度であれば、思い切って損切りしてしまうのも選択肢です。（ここで「戻るまで我慢して持ちましょう」では塩漬け株を誘発します） しかし5,000円の株が1,000円まで下がってしまった、という状態で相談に来られても、もはや手遅れです。 ですから筆者はこのようなもはやどうしようもない状態になってしまっている個人投資家の方には、「今までのものは仕方ないからあきらめて、せめて今後は塩漬け株をつくらないようにしましょう」とアドバイスをしています。 具体的には、買った株につき、売却・損切りのルールを事前にしっかり決めておくということです。筆者であれば、移動平均線割れだったり、直近の安値割れで売却・損切りするようにしています。 株価が大きく下落してからでは何も対応できなくなりますから、そうなるまでに損切りを実行し、損失を最小限に食い止めることが重要です。 今後、いつかは分かりませんが本格的な下落相場が訪れます。その際に、塩漬け株で苦しまないよう、今のうちにしっかり売却・損切りのルールを決めておきましょう。■【動画で学ぶ】足立武志さんの株投資テクニック満載！≫ ［動画で解説］成長株、割安株、高配当利回り株…どの株を選べばいい？ ≫ ［動画で解説］投資初心者に絶対知ってもらいたい！新NISAの『不都合な真実』 ≫ ［動画で解説］配当金目的の株式投資、ここに注意！ （足立 武志）

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