日経平均急落! こんな今、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)から見て割安な内需ディフェンシブ株は買っても良いでしょうか? 株価チャートを見て判断する方法を、クイズを解きながら学びましょう。


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クイズ

 トランプ関税で、世界的に株価が急落しました。二転三転する関税政策に世界中が振り回され、不安が高まっています。

世界経済の影響を受けやすいグローバル企業の株は買いにくいところです。


 とはいえ、日経平均株価は大きく下落。割安度が際立つ銘柄も出ています。以下のA社は、内需ディフェンシブ株(世界景気の影響を受けにくい株)で、PER(株価収益率)8倍、PBR(株価純資産倍率)0.8倍です。株価は割安と思われます。


 A社を今、買っても良いでしょうか? 株価チャートを見て、考えてください。


<A社株価チャート:2024年2月5日~2025年4月11日>
【日本株大荒れ】今こそ割安な「ディフェンシブ株」を買ってよい?
出所:実在する株価チャートをモデルとして筆者作成

テクニカル分析も使って判断

 株式投資で成功するのに大切な武器は、「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」です。


 テクニカル分析とは、株価チャート・売買高の変化を見て、株が買われる流れにあるか売られる流れにあるか判断する手法です。ファンダメンタルズ分析とは、個別企業の業績・財務・株価指標・ビジネスモデル・経済環境など分析し、その銘柄の「成長性」「割安性」を判断する手法です。


 テクニカル分析の重要さは、私の著書「株トレ」で解説しています。保有銘柄の株価チャートに「強い売りシグナル」が出たら、どんな事情があろうといったん売るべきです。どんなにファンダメンタルズが良いと信じている銘柄でも、強い売りシグナルが出たら、売って頭を冷やすべきです。


 逆に、株価チャートに「強い買いシグナル」が出た銘柄は、黙って買うべきです。

銘柄の好き嫌いが激しい人は、嫌いな銘柄に強い買いシグナルが出ても無視しますが、強いシグナルには素直に従うべきです。


 とはいえ、見た瞬間に「売り!」とか「買い!」とか確信できるシグナルが出ているチャートは、そんなにしょっちゅう見つかるものではありません。ほとんどの株価チャートは、「やや強そう」「やや弱そう」「中立」のどれかです。


 あいまいなチャートのシグナルで無理に売買していると、「だまし」にひっかかりやすくなります。「やや強そう」「やや弱そう」だけで売買していると、逆に持っていかれて痛い目を見ることがあります。


 できることなら、テクニカルとファンダメンタルズを総合的に見て判断すべきです。


正解は…

 私は、A社は買ってみて面白いと思います。


 世界経済に大いなる不安がありますが、A社は内需ディフェンシブ株で、株価指標から見て割安なので、ここからの下値リスクはさほど大きくないと思います。


 株価チャートを見ると、買いの勢いが強いことが分かります。


 2024年9月に株価は急反発した後、三角もちあいを形成していました。2025年4月になり、売買高が急増して再び、株価が急反発しています。何らかの買い材料が飛び出して、投資家が急いで買い始めているように思われます。


 2024年9月の戻り高値をまだ更新していませんが、その後半年以上経過していることと、足元の売買高が大きいことから、戻り高値は更新していくと予想されます。


 A社チャートは過去に実在した銘柄をモデルとして作成しています。A社株はその後、以下の通り、大きく上昇しています。


<A社、その後>
【日本株大荒れ】今こそ割安な「ディフェンシブ株」を買ってよい?
出所:筆者作成

チャートのシグナルは外れることもある

 テクニカル分析は、株式投資で重要な武器ですが、必ず当たるわけではありません。かなりはっきりした強いシグナルが出ていると思って買っても、7割当たれば良い方で3割は外れます。従って、テクニカル分析だけで、過度なリスクを取ることはできません。


 ファンダメンタルズ・テクニカル両方を見ながら判断していくことができれば理想的です。


テクニカル・ファンダメンタルズ分析を勉強したい方に

 最後に、テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析をしっかり勉強したい方に、私の著書を紹介します。ダイヤモンド社より、株価チャートの読み方をトレーニングする「株トレ」(黄色の本)と、決算書の見方などを学ぶ「株トレ ファンダメンタルズ編」(水色の本)が出版されています。どちらも一問一答形式で株式投資の基礎を学ぶ内容です。


「 2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ 」


「 2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ ファンダメンタルズ編 」


【日本株大荒れ】今こそ割安な「ディフェンシブ株」を買ってよい?
「株トレ」 シリーズ2点 表紙

(窪田 真之)

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