米国公表の「相互関税」で揺さぶられた世界の株式市場は下落し、特に米国株式市場は大きな影響を受けましたが、一転して相互関税の一時停止が発表され大きく反発しています。そのため、米国企業の決算では、各企業の関税への影響が注視されており、その中で投資妙味のある高配当株も現れています。
米国の株式市場は世界最大の時価総額を持ち、建国当初から株価は右肩上がりの成長を続けています。その理由の一つとして、常に企業の新陳代謝が起こり、時代ごとに革新的な企業を生み出していることが挙げられます。
米国株式の代表的な株式指数には下記があります。
- 鉄道・公共事業以外の工業株30銘柄で構成される「NYダウ平均株価」
- ナスダック(NASDAQ)に上場している全銘柄を対象とした「ナスダック総合株価指数」
- ニューヨーク証券取引所(NYSE)とNASDAQに上場している大型株500銘柄を対象とした「S&P500種指数」
これらに採用されている企業は長期間にわたり利益を出し続け、株価も上昇し、配当を増配し続けている銘柄も珍しくはありません。
そこで2025年6月権利落ちの米国株高配当5銘柄について解説します。
▼参照データ
• 株価… 楽天証券 のHPにて、日本時間2025年5月11日終値を採用
• 時価総額… 楽天証券 のHPにて、日本時間2025年5月11日時点の記載情報を採用
• 配当情報、決算情報… Investing.com のHPにて、日本時間2025年5月11日時点の記載情報を採用
• 為替:1ドル=145.00円で計算
※上記日付のデータで数値を抽出・算出しております。記事公開後の市況変動で数値が異なる場合がございますので、ご了承いただきますようお願いいたします。
まずは、日本と米国の高配当銘柄への投資で、特に重要な三つの違いについて、お伝えします。
(1)米国株の配当金は、通常米国で10%、日本で20.315%の2段階、約30%の課税がされます。しかし確定申告で還付を受けることにより、日本株と同じように20.315%の税率と同じになります。
ただし、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座で購入した場合は、日本での利益・配当金はもともと非課税のため、還付を受けることはできません。この場合は米国で10%の課税のみとなります。
※米国市場で上場していても、国籍が米国籍企業以外の場合、配当金にかかる源泉税率は日本との租税条約によって異なり10%ではありません。
(2)米国株は日本株と異なり、権利落ち日が月末に集中していません。そのため、銘柄ごとに権利落ち日を確認する必要がありますので注意が必要です。
(3)米国株は日本円で買う円貨決済と、米ドルで買う外貨決済を選べます。日本円から外貨に替える為替手数料も積み重なると大きな金額になるので、米国株を買い続けるなら売却時にも外貨決済で米ドルにしなければ無駄に手数料を支払うことになります。
2024年に制度改正された新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠に分かれていますが、米国株も投資できる成長投資枠では、年間240万円を運用期間無期限かつ最大1,200万円まで投資が可能となり、制度期間も恒久化されています。
とはいえ、米国株でNISAを必ず枠全部まで利用しなければいけないわけではありません。運用期間が無期限になったことにより、自分のペースで投資をすることができますので、無理のない範囲で長期投資の手段として有効活用していきましょう。
【2024年からの新NISA制度について、詳しい説明は こちら 】
米国高配当株1: カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CM)
北米有数の金融機関として、全てのステークホルダーに持続可能な価値を創造することを使命としています。
お客さまの目標を現実のものにすることを目的として、リソースを生かし、ポジティブな変化を促進し、より安全で公平かつ持続可能な未来に貢献しています。
4万9,000人の従業員が、カナダ、米国、および世界中の個人向け銀行業務、法人向け銀行業務、公共部門向け銀行業務、機関投資家向け銀行業務の分野で1,400万人の顧客に対して日々サービスを提供しています。
時価総額は603億3,200万ドルで、日本円で約8兆7,400億円となっています(1USD=145.00円換算)。
事業の注目ポイント
事業の中心は「カナダ国内銀行事業(Canadian Personal and Business Banking)」で、続いて「カナダ商業銀行&ウェルスマネジメント事業(Canadian Commercial Banking and Wealth Management)」「資本市場&直接金融サービス事業(Capital Markets and Direct Financial Services)」「米国内商業銀行&ウェルスマネジメント事業(U.S. Commercial Banking and Wealth Management)」となります。
「カナダ国内銀行事業」では、カナダ全土の個人および法人のお客さまに対し、銀行支店およびモバイルおよびオンラインチャネルを通じて金融アドバイス、サービス、ソリューションを提供しており、「カナダ商業銀行&ウェルスマネジメント事業」では、カナダ全土の中堅企業、起業家、高資産個人および家族に対し、高付加価値の顧客関係重視型銀行サービスとウェルス・マネジメントサービスを提供しています。

競合他社
競合他社として、銀行およびその子会社の持ち株会社であり個人、法人、機関投資家向けに、投資、金融、関連商品やサービスなど幅広いサービスを提供する ドイツ銀行(DB) 、北米の銀行である バンク・オブ・モントリオール(BMO) 、カナダの公認銀行である バンク・オブ・ノバスコシア(BNS) などがあります。
株式の注目ポイント
株価は年初近辺の水準で推移しており、配当は昨年増配しています。
直近の決算で会社側は、「2025年第1四半期において当社は顧客中心の戦略を継続的に実行することで、ステークホルダーに一貫した成果をもたらす強い財務実績を再び達成しました」と発表しています。
また、「多様な事業プラットフォーム、堅固な資本基盤、および高い信用力は、今後の1年間においてステークホルダーへの価値提供の基盤を築いており、国境を越えた事業環境における予想される変動に対応しながら、当社のチームは影響力のあるアドバイスとソリューションを提供できる立場にあります」と発表しています。
米国相互関税の話が出てからも株価は堅調に推移しており、配当も4%程度で推移していることから、配当目的に保有を検討してもよいのではないでしょうか。
業績動向
2025年2月27日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。
直近の決算で会社側は、「カナダ国内銀行事業」で「第1四半期に純利益7.65億カナダドルを報告し、前年同期比5,100万カナダドル増加したが、これは主に売上高の増加によるもので売上高の増加は、取引量の増加、ネット金利マージンの上昇、手数料の増加が主な要因です」と発表しています。
また、「カナダ商業銀行&ウェルスマネジメント事業」では「第1四半期に5.91億カナダドルの純利益を報告し、前年同期比6,800万カナダドルの増加となったが、これは取引高の増加と手数料収入の増加によるもので、特にウェルスマネジメント事業で、市場の上昇により平均資産管理残高と資産運用残高が増加したことが好調な業績につながった」と発表しています。
次回2025年5月29日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。
注意点
関税の影響は株価にほとんど影響が出ていない状況ですが、マーケットが変動した際に管理残高の減少などで業績に悪影響を及ぼす可能性には注意が必要です。
株価動向、配当利回り紹介
配当:2.80ドル
配当利回り:4.40%
株価:63.48ドル(約9,200円)
この銘柄、権利落ち日は6月下旬の予定(権利実施は7月下旬)です。
配当利回りは5月11日時点で4.40%、株価は5月11日終値が63.48ドルでおよそ9,200円から購入できます(1USD=145円計算)。
2023年からの最高値は67.31ドル、最安値は34.73ドルとなっています(終値ベース)。
米国高配当株2: NLインダストリーズ(NL)
1891年にニュージャージー州法人として設立され、主要子会社であるCompX International, Inc. (NYSE:CIX)を通じて、部品製品の製造・販売事業を展開しています。
また、高付加価値チタンダイオキサイド顔料のグローバルな製造・販売会社であるKRONOS Worldwide, Inc.の主要な株式を保有しています。
CompXは多様な用途と業界で利用されるエンジニアリング部品を製造しており、これには、レクリエーション輸送、郵便、オフィス、機関用家具、キャビネット、工具収納、医療機器などにおける機械式および電気式キャビネットロックやその他のロック機構が含まれます。
時価総額は4億1,000万ドルで、日本円で約600億円となっています(1USD=145.00円換算)
事業の注目ポイント
事業はCompXを中心とした単一事業で構成されています。
そのCompXでは、米国を中心にカナダやメキシコにて郵便、レクリエーション輸送、オフィス・施設家具、キャビネット、工具収納、ヘルスケア用途で使用される機械式および電気式のキャビネットロックやその他のロック機構を製造しており、また、レジャー用船舶やその他の産業向けに、航跡向上システム、ステンレス製排気システム、計器類、スロットルコントロール、トリムタブ、関連ハードウエアやアクセサリも製造しています。
競合他社
競合他社として、北米の小売市場向けにハードウエア関連製品と関連マーチャンダイジングサービスを提供する会社である ヒルマン・ソリューションズ(HLMN) 、材料工学におけるニッチな用途に重点を置く世界的な工業会社である ラックスファー・ホールディングス(LXFR) 、産業用ツール、サービス、技術およびソリューションを提供する会社である エナパック・ツール・グループ(EPAC) などがあります。
株式の注目ポイント
株価は年初水準を上回って推移しており、配当は今年に入って増配しています。
直近の決算発表の結果を受けても株価は若干の下落にとどまっており、関税の話が出ている状況であるにもかかわらず事業の中心が米国であることも少なからず株価にとってプラスに寄与しているようです。
また、主要事業であるCompXにおいてけん引船および政府市場向けの海洋部品の販売増加、および政府セキュリティ市場向けのセキュリティ製品の販売増加によって売り上げが拡大していることも株価の上昇につながっているようです。
マーケットが変動している中でも、株価が上昇していることもあり配当を目的として保有してもよいのではないでしょうか。
業績動向
2025年5月7日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を下回り、売上は市場予想が開示されていません。
直近の決算では、「CompXの売り上げが拡大したこと、またKRONOSの2025年第1四半期の売上高が2024年第1四半期と比較して2%増加しており、それは北米および欧州市場での販売量増加が主な要因である」と発表しています。
一方で、「環境修復関連費用および一般管理費の増加によって2025年第1四半期の企業経費は、2024年第1四半期比で増加している」とも発表しています。
ただ、会社側は「2025年通年の営業業績が2024年通年と比較して増加すると見込んでいる」とも発表しており、今後も堅調な業績が期待されます。
次回は2025年7月30日に四半期決算の開示予定ですが、前年同期の業績を上回る数字を出せるか注目です。
注意点
関税の影響により輸入コストの増加には懸念であると会社側も発表しています。
株価動向、配当利回り紹介
配当:0.36ドル
配当利回り:4.46%
株価:8.07ドル(約1,200円)
この銘柄、権利落ち日は6月上旬の予定(権利実施は6月下旬)です。
配当利回りは5月11日時点で4.46%、株価は5月11日終値が8.07ドルでおよそ1,200円から購入できます(1USD=145円計算)。
2023年からの最高値は9.07ドル、最安値は4.31ドルとなっています(終値ベース)。
米国高配当株3: フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)
フィリップ・モリス・インターナショナルは1987年に設立されたバージニア州の持株会社で、国際的な大手たばこ会社です。煙のない未来を積極的に提供し、たばこ・ニコチン部門以外の製品も含めて長期的にポートフォリオを進化させています。
現在の製品ポートフォリオは主にタバコと禁煙製品で構成されており、2008年以来、タバコの販売を完全に廃止することを目標に、タバコを吸い続ける大人のための革新的な禁煙製品を開発し、科学的に立証し、商品化するために140億ドル以上を投資してきました。
時価総額は2,677億2,100万ドルで、日本円で約38兆8,200億円となっています(1USD=145.00円換算)
事業の注目ポイント
事業の中心は「欧州事業(Europe)」で、続いて「SSEA, CIS & MEA事業(欧州地域、南・東南アジア(SSEA)、独立国家共同体(CIS)、中東・アフリカ地域(MEA))」「EA, AU & PMI GTR事業(東アジア・オーストラリア・PMI免税地域)」「米国事業(Americas)」となります。
「欧州事業」では、スイスのローザンヌに本部を置き、欧州連合(EU)諸国、スイス、英国、ウクライナ、モルドバ、南東欧をカバーしており、「SSEA, CIS & MEA事業」は南・東南アジア、独立国家共同体、中東、アフリカ地域を基盤に、本部はアラブ首長国連邦のドバイにおき、南・東南アジア、アフリカ大陸、中東、トルコ、イスラエル、中央アジア、コーカサス、ロシアをカバーしています。

競合他社
競合他社として、世界的な葉たばこサプライヤーであり、食品および飲料の最終市場に植物ベースの原料を提供するグローバルな企業間取引(B2B)アグリプロダクト会社である ユニバーサル(UVV) 、米国の21歳以上のタバコ消費者向けに、タバコ製品のポートフォリオを営む アルトリア・グループ(MO) などがあります。
株式の注目ポイント
株価は年初の水準を大きく上回って推移しており、配当は昨年増配しています。
直近の決算で会社側は、「第1四半期は極めて堅調な業績を達成し、販売量の継続的な増加が優れた売上高の伸びと非常に強い利益率の拡大を支えましたが、その中で当社のタバコフリービジネスは着実に成長を続け、純売上高で20%を超える成長と、粗利益で33%を超える成長を達成しました」と発表しています。
また、「不確実で変動の激しいグローバル経済環境にもかかわらず、当社は優れた成果を継続的に提供できる自信を持っており、通期においてドルベースで二桁の調整後希薄化後1株当たり利益(EPS)成長を予測しています」とも発表しており今後も堅調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。
業績動向
2025年4月23日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。
直近の決算で会社側は、「当社のSmoke-free businessは総売上高の42.0%および総粗利益の44%を占め、出荷量14.4%増、売上高15.0%増、粗利益27.7%増と、堅調な勢いを維持しており、Inhalable smoke-free productsではグローバルな加熱式タバコカテゴリーの成長をけん引しているIQOSの調整後市場シェアが1.2%増加し、過去最高の11.4%に達しました」と発表しています。
2025年は純売上高成長率約6.0%から8.0%、営業利益成長率10.5%から12.5%となる見込みであるとも発表しており、今後も堅調な業績が期待されます。
次回は2025年7月22日に四半期決算の開示予定ですが、前年同期の業績を上回る数字を出せるか注目です。
注意点
国や地域によってはタバコやその他のニコチン含有製品の使用や環境タバコ煙への暴露に関連する健康への懸念による販売停止には、会社側も懸念であると発表しています。
株価動向、配当利回り紹介
配当:5.40ドル
配当利回り:3.18%
株価:169.70ドル(約2万4,600円)
この銘柄、権利落ち日は6月下旬の予定(権利実施は7月中旬)です。
配当利回りは5月11日時点で3.18%、株価は5月11日終値が169.70ドルでおよそ2万4,600円から購入できます(1USD=145円計算)。
2023年からの最高値は175.36ドル、最安値は87.47ドルとなっています(終値ベース)。
米国高配当株4: キンバリー・クラーク(KMB)
キンバリー・クラークは1872年に設立され、1928年にデラウェア州で法人化されました。
製品イノベーションとブランド構築を通じて、より良い世界のためにより良いケアを提供する製品とソリューションを提供することに重点を置くグローバル企業です。
繊維、不織布、吸収体の先端技術を駆使し、天然繊維や合成繊維、素材からつくられる幅広い製品の製造・販売を主な事業とし、創意工夫と創造性、そして人々の最も本質的なニーズへの理解を原動力として、人々が大切なものをより多く体験できるような製品を生み出しています。
時価総額は443億1,000万ドルで、日本円で約6兆4,200億円となっています(1USD=145.00円換算)
事業の注目ポイント
事業の中心は「北米事業(NA)」で、続いて「インターナショナル・パーソナルケア事業(IPC)」「インターナショナル・ファミリーケア&プロフェッショナル事業(IFP)」となります。
「北米事業」では、紙おむつ、トレーニングパンツ、スイムパンツ、ベビーワイプ、女性用・失禁ケア製品、再利用可能な下着、フェイシャルティッシュ、バスティッシュ、ペーパータオルなどを取り扱っており、「インターナショナル・パーソナルケア事業」では、ベビー&チャイルドケア、アダルトケア、フェミニンケアの三つのコアカテゴリーで構成され紙おむつ、トレーニングパンツ、スイムパンツなどを取り扱っています。

競合他社
競合他社として、スキンケア、メイクアップ、フレグランス、ヘアケア製品のメーカー、マーケティング担当者、販売者である エスティ・ローダー(EL) 、ペットケア、動物の健康・栄養、液体浄化、農業原料、スポーツ分野、工業および自動車市場向けの特殊吸着剤製品の製造・供給会社である オイル・ドリ・コーポレーション・オブ・アメリカ(ODC) などがあります。
株式の注目ポイント
株価は年初近辺の水準で推移しており、配当は今年に入って増配しています。
直近の決算で会社側は、「2024年に築いた堅固な基盤を基盤に、2025年第1四半期において、当社の『Powering Care』戦略の三つの柱においてさらなる進展を遂げることができ、外部環境の変動にもかかわらず第1四半期の業績は通期計画と一致しています」と発表しています。
また、「現在の環境は、年初時点の予想よりもグローバルなサプライチェーン全体でコストが増加する状況をもたらすでしょうが、当社はこれらのコストを時間をかけて相殺し、長期的な潜在力を引き出す能力に自信を持っています」とも発表しており、今後も好調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。
業績動向
2025年4月22日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回り、売上は市場予想を下回りました。
直近の決算で会社側は、「第1四半期の純売上高は48億ドルで前年比6.0%減少したが、これには為替換算によるマイナスの影響約2.4%と、事業売却によるマイナスの影響約2.0%、価格下落の影響が主な要因である」と発表しています。
また、「第1四半期の営業利益は、前年同期が8億5,300万ドルであったのに対し、7億6,900万ドルであったが2024年の変革イニシアティブの費用を除くと前年同期と近い水準の利益であった」と発表しています。
世界的な地政学的情勢の変化による潜在的な影響を含むコスト基盤の再評価を反映し、2025年度の調整後営業利益は前年度横ばいからプラスとなる見込みであるとも発表しており、今後も堅調な業績が期待されます。
次回2025年7月29日に開示予定の四期決算で、前年同期を上回る決算を発表できるか注目です。
注意点
会社側は、為替レートおよび金利の変動により、収益、キャッシュ・フローおよび資本が悪影響を受けるリスクにさらされていると発表しています。
株価動向、配当利回り紹介
配当:5.04ドル
配当利回り:3.79%
株価:133.05ドル(約1万9,300円)
この銘柄、権利落ち日は6月6日(権利実施は7月2日)です。
配当利回りは5月11日時点で3.79%、株価は5月11日終値が133.05ドルでおよそ1万9,300円から購入できます(1USD=145円計算)。
2023年からの最高値は148.35ドル、最安値は116.86ドルとなっています(終値ベース)。
米国高配当株5: サンコア・エナジー(SU)
カナダを代表する総合エネルギー企業で、低排出原単位の電力、再生可能な原料燃料、排出原単位をターゲットとしたプロジェクトへの投資を通じて、低排出の未来への移行を進めながら、石油資源を開発しています。
また、主に原油、天然ガス、副産物、精製製品、電力のマーケティングと取引を中心としたエネルギー取引事業も行っており、人材、業績、持続可能性、そして社会、地域社会、顧客、株主への付加価値貢献を共に生み出す関係性で尊敬される、カナダを代表するエネルギー供給企業となることを目指しています。
時価総額は426億4,100万ドルで、日本円で約6兆1,800億円となっています(1USD=145.00円換算)
事業の注目ポイント
事業の中心は「オイルサンド事業(Oil Sands)」で、続いて「石油精製&販売事業(Refining and Marketing)」「探鉱&生産事業(Exploration and Production)」となります。
「オイルサンド事業」では、所有・運営する採掘、抽出、アップグレード、原位置および関連する物流、混合、貯蔵資産を指しており、「石油精製&販売事業」では、精製・供給部門と販売事業で構成されており、精製・供給部門では原油および中間原料を精製し、幅広い石油製品および石油化学製品を製造し、販売事業では主にカナダ国内のペトロカナダ、ブランド・ディーラー、およびカナダ国内の直営拠点の組み合わせを通じて、石油精製品を小売顧客に販売しています。

競合他社
競合他社として、原油と天然ガスの生産を専門とする企業である カナディアン・ナチュラルリソーシズ(CNQ) 、総合エネルギー会社である シェブロン (CVX) 、エネルギープロバイダーおよび化学メーカーである エクソンモービル (XOM) 、探査と制作の会社である コノコフィリップス(COP) などがあります。
株式の注目ポイント
株価は年初近辺の水準で推移しており、配当は昨年増配しています。
直近の決算で会社側は、「当社の成果は上流部門と下流部門の両方で記録的な業績を達成したことで2024年に確立した勢いを維持し、安全で信頼性が高く、コスト効率の良いオペレーションを継続的に提供することに、引き続き集中しています」と発表しています。
また、「基本に焦点を当てた経営、統合型ビジネスモデル、継続的なコスト構造の改善により、現在の変動の激しい事業環境下でもフリーキャッシュフローと株主価値の創出を実現しています」とも発表しており、今後も安定した業績から堅調な株価の推移が期待されます。
業績動向
2025年5月6日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回り、売上は市場予想を下回りました。
直近の決算で会社側は、「上流部門の生産量は85万3,000バレル/日で同社史上最高の第1四半期記録となり、精製処理量は48万3,000バレル/日で同じく同社史上最高の第1四半期記録、精製製品販売量は60万5,000バレル/日で、こちらも同社史上初の第1四半期最高記録を達成しました」と発表しています。
また、「主要事業の「オイルサンド事業」ではアップグレーダー1のコークスドラムの交換を行うことで寿命が約30年延長されるほか、将来の操業コストと資本コストの削減を見込むなど、今後に向けたさまざまな取り組みを行っている」と発表しています。
次回2025年7月23日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。
注意点
会社側は今後のカナダへの関税の影響について将来に影響を与える可能性のあるリスクとして認識しています。
株価動向、配当利回り紹介
配当:1.64ドル
配当利回り:4.69%
株価:34.96ドル(約5,000円)
この銘柄、権利落ち日は6月4日(権利実施は6月25日)です。
配当利回りは5月11日時点で4.69%、株価は5月11日終値が34.96ドルでおよそ5,000円から購入できます(1USD=145円計算)。
2023年からの最高値は41.70ドル、最安値は28.00ドルとなっています(終値ベース)。
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(西崎努)