日本の上場企業の決算発表が多い3月。決算月から約3カ月後、6月下旬に株主総会が実施されることが多い。
株主には株主総会の前に招集通知が届く
3月決算企業の多くは、6月「定時株主総会」を実施します。個人投資家の皆さんには、開催の約2週間前に、郵送で「招集通知」が届きます。
株主総会は、会社にとって重要な事項を決議するための大事なイベントです。上場企業の株式を買うと株主となり、この株主総会の決議の議決権を有することになります。
なお、重要事項のうち、配当金についてはあらかじめ取締役会で決定することができるようにしている企業もあります。その場合、株主総会を待たずして配当金を受け取ることができます。
ちなみに、信用取引で買っている株については、株式そのものを所有していることにはならないため、議決権がなく、株主総会の招集通知も届きませんのでご注意ください。
招集通知が届いたら何かしないといけないの?
株式投資を始めて間もない方は、ある日突然、投資先企業から株主総会の招集通知が届くと、びっくりしてしまうかもしれません。でも、「どうしたらいいの?」と慌てたり心配したりする必要はありません。
招集通知が届いたということは、株主として、その会社の議決権を有していることを意味します。
従って、株主総会で自分が有している議決権を行使して、決議に参加することができるのです。
招集通知が届いたからといって、何もしなくても特に不都合はありません。ただ、せっかく有している株主としての議決権ですから、議決権行使はすることをお勧めします。
なお、議決権行使のほか、株主からの質問を事前に受け付けている企業もあります。
議決権行使の方法
議決権行使の方法は、実際に株主総会に出席するかどうかにより異なります。
実際に株主総会に出席する場合は、招集通知に同封されている議決権行使書を持って会場に出向き、議決権行使書を提出します。
株主総会に出席しない場合は、書面もしくはインターネットで議決権を行使することができます。
議案(役員選任、配当金、役員報酬の決定、合併など重要事項の決定、定款変更など)ごとに、賛成か反対かの意思表示を行うことができます。
株主総会へ出席してみよう!
もし時間に都合がつくのであれば、一度株主総会へ出席してみるのも良いと思います。株主総会が、どのように行われ、どのように決議されていくのか、企業の動きをリアルに感じとることができます。
オンラインで出席できる企業であればオンラインでもよいのですが、臨場感を感じるためには、やはり会場に出向くことをお勧めします。
当日、株主からの質問を受け付けている場合もありますが、上場企業の株主総会は規模も大きく、参加する株主の人数も多いため、いざ当日に質問したくてもできない可能性があります。聞きたいことがあれば、事前質問を使うとよいでしょう。
一度は株主総会に出席して、「この企業の株主となったのだなあ」という実感を味わってみるのはいかがでしょうか。よりその企業のことを好きになったり、深く知るきっかけになったりするかも知れません。
■【動画で学ぶ】足立武志さんの株投資テクニック満載!
≫ [動画で解説]株価下落と円高でNISAに損失!どんな対処をすればよい?
≫ [動画で解説]配当金目的の投資、下落が続く株を買って大丈夫?
≫ [動画で解説]成長株、割安株、高配当利回り株…どの株を選べばいい?
(足立 武志)