2025年上期の好決算で収益見通し引き上げ、TIDES事業が成長エンジンに
現地コード 銘柄名 02359無錫薬明康徳新薬開発
(ウーシー・アプテック)
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111.70HKD
(7/30現在)
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新薬開発の受託会社である無錫薬明康徳新薬開発は、2025年6月中間期に好決算を達成し、収益成長や利益率の拡大に加え、中核の医薬品の研究開発製造受託(CRDMO)プラットフォームにおける継続的な実行力を示した。オリゴヌクレオチドおよびペプチド治療薬(TIDES)事業の高成長と医薬品化学部門全体の堅調が、臨床医薬品開発受託(CRO)と検査部門の軟調をカバーした。
2025年上期の売上高(継続事業のみ)は前年同期比24.2%増の204億元。非IFRSベースの調整後純利益(特殊要因などを除いた実質的な純利益)は44.4%増の63億元。粗利益率は44.5%、純利益率は30.4%に上向いた。利益率の高い商業化プロジェクトと後期段階を迎えたプロジェクトの比重が拡大したことや、営業レバレッジ効果、順調な新規生産設備の立ち上げなどが寄与した。期末の受注残高は前年同期比37.2%増の567億元に達しており、業務需要は堅調。1-3月期の同47%増から「正常化」した。
好決算をけん引したのはTIDES事業で、上期の売上高は前年同期比142%増の50億元。4-6月期の売上高は前四半期比24.6%増だった。期末の受注残は前年同期比48.8%増。経営陣はTIDES事業の通期売上高予想を前年比60%から80%に上方修正した。同社の中核エンジンは医薬品化学部門で、上期の部門売上高は前年同期比33.5%増の163億元。
一方、バイオロジー部門は安定的。売上高は前年同期比7.1%増の125億元だったが、価格圧力を受け、粗利益率がやや低下した。検査部門は1.2%減収。臨床CRO・治験支援(SMO)は4.7%減収。早期段階にあるバイオテックの資金調達難や治験アウトソーシングの回復の遅れが響いた。経営陣は新薬臨床試験開始申請(IND)、新薬承認申請(NDA)支援の継続や顧客との関係を理由に、慎重ながらも楽観見通しを示している。
経営陣は2025年通期の売上高に関するガイダンスを425億-435億元(修正前415億-430億元)に上方修正。継続事業ベースで前年比13-17%(同10-15%)の増収見通しを示した。また、フリーキャッシュフローに関する見通しも50億-60億元(同40億-50億元)に引き上げたが、通期の設備投資計画に関しては70億-80億元に据え置いている。
BOCIは2025-26年の予想純利益を15%、22%上方修正。2025年上期の好決算と利益率見通しの改善を反映させた。
(Bank of China int.)