「一人暮らしの食費、みんなどれくらい使っているの?」「節約したいけど、何から始めればいいか分からない...」そう悩んでいませんか? 食費は毎日かかるからこそ、上手なやりくりで大きな節約効果が期待できます。一人暮らしの食費の目安と、自炊あり・なし別で可能な食費節約術をご紹介します。

今日から無理なく楽しく食費を抑えましょう!


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食費の理想額を知り、自炊スタイルに合わせて賢く節約しよう

 一人暮らしの食費を節約したいと思ったとき、まず知りたいのは「自分の食費は平均と比べて高いのか、それとも適正なのか」ということですよね。まずは客観的なデータから「一人暮らしの食費の平均」と「理想額」を確認してみましょう。あなたの食費の節約目標額が見えてくるはずです。


 現状を把握できたら、次に具体的な食費の節約方法を試していきます。自炊をする方も、なかなか時間が取れない方も、それぞれのライフスタイルに合わせた節約術をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。


一人暮らしの食費の平均はどれくらい?いくら節約すべき?

 まずは、あなたの一カ月あたりの食費を把握しましょう。家計簿やレシート、スマートフォンの家計簿アプリなどを活用し、食材の購入費と外食費をそれぞれ分けて算出してみてください。後でどこを改善すべきか、より明確になります。


 次に、客観的なデータから食費の平均や理想の目安を見ていきましょう。


 総務省統計局の2024年の家計調査によると、一人暮らし(単身世帯)の1カ月あたりの平均食費は、4万305円です。このうち、外食費は平均で1万7,228円を占めています。


(参照: e-Stat「家計調査 家計収支編 単身世帯」 より。金額は「~34歳」の区分のものです)


 外食費が食費全体の約4割を占めていることが分かります。食費を節約する上で、外食費の見直しが非常に重要であることがうかがえますね。


 一般的に推奨される食費の金額は、「手取り収入の10~15%」とされています。この比率をもとに、手取り収入別の推奨食費額を見てみましょう。


手取り収入 推奨される食費の金額(10~15%) 15万円 1万5,000~2万2,500円 20万円 2万~3万円 25万円 2万5,000~3万7,500円 30万円 3万~4万5,000円 35万円 3万5,000~5万2,500円 40万円 4万~6万円 45万円 4万5,000~6万7,500円 50万円 5万~7万5,000円

 まずはこの表を参考に、あなたの現在の食費が推奨額と比べてどうなのかを確認しましょう。もし大きく超過しているなら、節約の「引き締め」を検討する目安となります。


 自炊中心のライフスタイルであれば10%、外食が多い場合は15%に近い数値を参考にすると良いでしょう。


 なお、この考え方では手取りが少ないほど食費の額も低くなるため、極端に切り詰めて健康を損なわないよう、あくまで参考値としてご活用ください。


 今まで家計簿などをつけておらず食費を正確に把握していない場合は、まずは1カ月だけでも食費を記録してみましょう。支出が分かれば、具体的な予算も立てやすくなります。上記の表を参考に、あなたの目標金額を決めてみてください。


参考: 家計簿の項目をざっくり分類!ズボラでも続けられる&無駄に気づける家計簿とは?


自炊派も自炊なし派も実践できる!今日から食費を節約するテクニック

 ここからは、食費を節約するために役立つ具体的な方法をご紹介します。まずは、自炊の有無にかかわらず、誰でもすぐに実践できる共通のテクニックから見ていきましょう。


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「なんとなく外食」を減らす

 家計調査の結果からも分かるように、外食を減らすことはダイレクトに食費節約につながります。しかし、「すべての外食を禁止!」と厳しくしすぎると、ストレスがたまり、かえって大きな浪費につながる可能性もあります。


 まずは「なんとなく外食」をゼロにしましょう。

例えば「外食は週末だけ」「記念日など特別な日のお楽しみ」などルールを決める、毎日カフェに寄る習慣があるなら、週1回だけにする、月1回だけおしゃれなレストランでランチを楽しむ、などメリハリをつけるのも良い方法です。


 仕事で疲れて自炊する気力がない日に外食に走りがちなら、すぐに食べられる冷凍食品やレトルト食品を常備しておくのがおすすめです。


飲みものは「マイボトル」で節約!「ラテマネー」を見直そう

 カフェで毎日400円のコーヒーを、自販機で毎日150円のジュースを買うと、1カ月(30日)でそれぞれ400×30=1万2,000円、150×30=4,500円にもなります!1回あたりの金額は小さくても、無自覚に使いがちな「ラテマネー(少額な無駄遣い)」は、積もり積もると大きな出費につながります。


「家の外では飲みものを買わない」とルールを決め、自宅で入れたお茶やコーヒーを水筒に入れて持ち歩くようにしましょう。一から入れるのが面倒なら、2リットル入りペットボトルのお茶や粉末飲料を活用するのも賢い方法です。


コンビニよりもドラッグストア・スーパーを優先する

 便利なコンビニエンスストアですが、節約という観点からは少し考えものです。コンビニで売られている商品は、同じものでもスーパーやドラッグストアと比べると、一般的に割高な傾向にあります。少し足を延ばすだけで、同じ商品をより安く手に入れられるケースがほとんどです。


自炊派必見!買い物や調理の工夫で食費を効率的にダウン

 普段から自炊をする方、これから自炊を頑張りたい方は、買い物や調理のちょっとした工夫で食費を大きく削減することが可能です。


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買い物から無駄を減らす

 ついつい予定外のものまで買ってしまう…という方は、買い物に行く前に「買い物リスト」を作りましょう。目的のものがそろったらすぐにレジへ。買い物時間の短縮にもつながります。


 また、毎日ちょこちょこ買うよりも、週に1回まとめて買う方が無駄が省けて支出を抑えやすくなります。


 また、買い物に行くタイミングも重要です。おなかが空いているときに買い物に行くと、自炊が面倒に感じて総菜やお弁当に手が伸びがちです。食後に買い物に行く、あるいは買い物前に軽食を取るなど、おなかが満たされた状態で行きましょう。

お菓子売り場で誘惑に負けそうな場合は、ガムやキャンディを口に入れておくのも一つの方法です。


大容量・まとめ買いで食材の単価を抑える

 少量パックや切り身など、小分けにされた食材は便利ですが、グラムあたりの単価が割高になる傾向があります。


 お肉やお魚などは、特売品や大容量パックをまとめて購入し、小分けにして冷凍保存しておきましょう。


「かさまし」可能な節約食材を賢く取り入れる

 もやしやキャベツ、豆腐、きのこ類など、グラムあたりの単価が安い食材を積極的に料理に取り入れると、ボリュームをキープしたまま食費を抑えることができます。これらはさまざまなジャンルの料理に活用できる優れた食材です。


「つくりおき」と「リメイク」で時間もお金も節約

 食材はできるだけまとめて使い切ることで、無駄を減らすことができます。


 時間のある週末に常備菜をまとめて作っておけば、平日は温め直すだけで食事が完成。仕事で疲れて「もう外食でいいや…」となるのを防ぎ、自炊のハードルを大きく下げられます。


 また、一度作った料理を別の料理にリメイクすることで、レパートリーが広がり、飽きずに食事を楽しめます。例えば、カレーをまとめて作っておき、翌日は「二日目のカレーうどん」に、残りは冷凍保存して後日じゃがいもと混ぜて「カレーコロッケ」にするなど、多様な展開が可能です。フードロスを減らし、調理の手間も省ける効率的な方法です。


自炊なし派は「今より外食費を減らす」工夫を

「今の自分はほぼ外食率が100%…」という方もご安心ください。今よりも外食費を減らす方法はたくさんあります。

できることから少しずつ取り入れ、将来的には外食の頻度を減らす方向へ意識を向けていくことをおすすめします。


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外食するなら「今より安く!」を目標にお店を選ぶ

 無理やり外食を減らすのではなく、ゲーム感覚で「今よりももっと予算を抑えて楽しむ方法」を探してみましょう。


  • チェーン店を利用:「丼もの」「カレー」などは専門の個人店より大手チェーン店のほうが安価な傾向にあります。「カレーだからカレーショップ」と決めずに、値段で比較検討してみましょう。
  • 割安な時間帯を狙う:モーニングタイムやランチタイムなど、割安な時間帯に利用するのが良いでしょう。
  • お得な情報をチェック:大盛り無料、ご飯おかわり自由、セットメニューがお得などのサービスを提供している街の個人店も探してみる価値があります。SNSや口コミサイトを活用して、情報収集するのも良いでしょう。

「中食(なかしょく)」をフル活用する

「自炊できないから外食しかしない」と決めるのではなく、スーパーやコンビニで買えるお総菜やチルド食品、冷凍食品などの「中食(なかしょく)」に目を向けてみましょう。


 最近では、チルド弁当や冷凍の麺類などもクオリティが高いものが増えています。外食の回数を減らし、その分を中食に置き換えるだけで、大きな価格差につながります。


サブスクで「家ごはん」を習慣化する

 定期的に栄養バランスの取れたお弁当やお総菜を自宅まで配達してくれるサブスクリプションサービスを利用するのも有効な方法です。自炊よりは高額になることが多いですが、外食と比較すると安価に済む場合がほとんどです。


 初回限定価格やキャンペーンを利用すれば、さらに安く試せることも。あらかじめ「家で食べる予定」を組み込むことで、急な外食を減らし、食費のコントロールにつながります。


自炊のハードルを低く設定してみる

「自炊」だからといって、全ての料理をゼロから作らなければいけないわけではありません。ハードルを下げて、できることから取り入れてみましょう。


 お米だけでも炊いて冷凍保存しておけば、あとはおかずだけ買えばよいので節約になります。また、生野菜、納豆、卵、豆腐、ヨーグルトなど、火や包丁を使わずにそのまま食べられる食材を常備しておけば、疲れている日でも手軽に食事ができます。


まとめ:自炊あり・なしにかかわらず、食費は抑えられる!

 食費の節約は、家計のやりくりの中でも比較的早く効果を実感しやすい分野です。


 まずは、あなたの現在の食費を知り、理想の目安との差を確認することから始めましょう。さらにあなたのライフスタイルに合わせて、自炊派向けの工夫、または自炊なし派向けの工夫の中から、実践しやすいものをいくつか選んでみてください。


 定期的に食費を振り返り、改善された点や、さらに工夫できそうな点などがないか、チェックすることも重要です。浮いたお金は将来の貯金に回すもよし、たまには日頃の頑張りをねぎらうご褒美に使うのもよし。毎日欠かせない「食」に関わるお金だからこそ、楽しく、そして健康的に続けていきましょう。


(しま)

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