10月9日(木曜)のドル/円相場の終値は、前日比0.38円「円安」の153.08円。1日のレンジ幅は1.13円だった。
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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 ドル/円153円台へ! この円安はいつまで続くのか? 」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは153.55円↓下値メドは152.20円トランプ関税:近隣窮乏化政策というよりも自国窮乏化政策。米国の世界経済の中で占める割合は、過去に貿易規制が実施された1971年や1985年に比べて、はるかに小さくなっている。これは、世界の他の国々が別の解決策を見つける力をつけたということでもある
トランプ関税:11月に米最高裁判決。米国の裁判所でトランプ関税に対する多く訴訟が進行中
FRB:トランプ政策不透明感は「すでに経済減速を引き起こしている」
米インフレ:FRBの長期インフレ見通しは「あまりにも控えめ」
前日の市況
10月9日(木曜)のドル/円相場の終値は、前日比0.38円「円安」の153.08円。1日のレンジ幅は1.13円だった。

2025年202営業日目は152.63円からスタートした。円安相場が続く中でこの日は円高に動く場面があった。米連邦準備制度理事会(FRB)のウィリアムズ・ニューヨーク連邦準備銀行総裁が、米労働市場の減速を理由に年内の追加利下げを支持したことが理由。
これに反応してドル/円は、東京時間夜遅くに152.11円まで下落した。しかし動きは限定的で152円台を割ることはなかった。
未明には再び円安の動きが強まり前日の高値(153.00円)を超えて153.23円まで上昇した。
政府・日銀の共同声明とは、デフレ脱却と持続的経済成長のため、日銀による2%の物価安定目標と強力な金融緩和、および政府による財政健全化と成長戦略の推進を約束した2013年の政策協定のこと。つまり、日銀は金融政策を担当するが、その決定は「政府の目標に沿う」必要があるということだ。高市総裁は「日本はまだデフレを脱却していない」との立場をとっている。
またバーFRB理事が、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の立場とは逆に、追加利下げに慎重な立場を示したこともドル買いの理由になった。
レジスタンス:
155.88円 02/03
155.52円 02/04
154.80円 02/12
154.67円 02/13
153.23円 10/09
サポート:
152.11円 10/09
151.74円 10/08
150.19円 10/07
148.98円 10/06
147.02円 10/03
2025年 主要指標 終値

今日の為替ウォーキング Dancing Queen
今日の一言 Dancing Queen
準備をしないということは、失敗のための準備をすることである
Dancing Queen
アベノミクスは、日本を観光立国に変えてしまった。二人に一人が大卒という超高教育国家の我が国において、国内の主要産業が「観光業」になってしまった。
2024年の訪日外国人旅行消費額は、前年比53.1%増、2019年比68.8%増となる8兆1,257億円で、過去最高を記録した。これは、訪日客数3,687万人の大幅な増加と、1人当たりの旅行支出の増加によるものだ。
円安が効果を上げていることは間違いない。この円安トレンドが終わってしまえば、インバウンド需要拡大で日本の景気を盛り上げるという政府のもくろみが崩れてしまう。政府は円高だけは絶対に阻止しようと考えているだろう。
しかし円安は、観光業など一部のセクターを除くと、多くの日本企業にとって、かつてのような利益をもたらしていないのが事実だ。製造業のほぼ4分の1はすでに海外に移転し、かつてのような為替レートとの関係も今は薄れている。
(荒地 潤)