2025年は株価が大きく上昇し、個人投資家にとって実りの多い年となったことでしょう。しかし、2026年もこの好調が続くとは限りません。
2026年、投資方針をどうするべきか
2026年がまもなくやってきます。2025年は、日経平均株価がバブル後最高値を更新し、さらには5万円を突破するなど、株価が驚異的な上昇を遂げた年となりました。
米国の株価も好調に推移したので、多くの個人投資家がプラスの運用成績を収めたことでしょう。大きな株価下落の懸念もありましたが、ひとまず乗り切ったという感じです。
もはや「日経平均株価1,000円安」のニュースがインパクトを持たない時代になりました(「率」で考えれば当たり前で、日経平均株価5万円時代の1,000円下げは2万円時代なら400円の下げでしかないわけです)。
しかし、2026年もこの上昇基調が続くとは限りません。今回は、相場観は排しつつ、個人投資家が2026年に考えておきたい心構えをまとめてみたいと思います。
1.積立額の増額(賃上げ時には掛金を上げよう)
2026年の課題としてまず挙げたいのは「積立額の増額」です。給料が上がる時代になりましたが、物価も同等かそれ以上に上昇しているため、「掛金増額なんてとても無理!」ともなるでしょう。
しかし、物価上昇がもたらす要素は目先の負担増だけではありません。将来の負担も増していくことになります。
2025年にお米の値段が上がったとすれば、未来のお米の値段も高くなるわけです。そのため、物価上昇開始前のイメージ(例えば、月5万~6万円の不足を換算すると「老後に2,000万円」を備える)については上方修正が必要になります。
そのためには「運用収益を高い利回りとする」か「毎月の積立額を増額する」しかありません。
近年の運用はリターンが高くなりましたが、これも物価上昇率を割り引いて考えると、実質的なプラスは3%程度減っていると考える必要もあります。
かといって、リスクを高めてこれをクリアしようとするのは危うさが残ります。そうなると、物価上昇分くらい、掛金額も上昇させていくことが必要になります。
多くの会社では春に昇給があると思いますので、4月になったら積立額の増額を目指してみるといいかもしれません。
いきなり5,000円や1万円の増額をする必要はありません。できれば毎年、月1,000円くらいの増額ができると理想的でしょう。
2.iDeCoやマッチング拠出の改正対応はどうするか
iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)の限度額引き上げが2027年1月から予定されています。これは、2026年12月分から掛金額を変更する必要があります(翌月[2027年1月]引き落とし分を前月に確定させるため)。2026年の秋ごろには、その手続きに関する説明があるでしょう。
掛金全額所得控除の基本路線は変わらず、最大で月6.2万円という大幅な枠拡充になります。一方で、中途解約できないことは変わりません。無理のない範囲で、引き上げ可能な掛金額に変更し、2027年1月からの拠出に備えていきたいものです。
また、2026年4月にも確定拠出年金の法改正が一つ行われます。これは、企業型の確定拠出年金を実施している会社が、iDeCoと同様の税制優遇を得られるマッチング拠出制度を実施している場合において、「会社の掛金額以下」の規制を解除するというものです。
iDeCoであれば、月2.0万円まで拠出(企業年金のある会社員の場合。企業年金が充実している場合枠が少なくなることもある)できます。一方、マッチング拠出は会社の掛金額以下の制約があったため、会社が1万円の場合、マッチング拠出も1万円という制限がありました。
これが、2026年4月からは以下の計算方法へと変わります。
「上限月5.5万円-(確定給付企業年金のある場合、他制度掛金相当額+企業型の確定拠出年金の会社拠出額)」
多くの場合、現状より多く拠出ができるようになり、月2.0万円を上回る可能性があります。
狙い目となるのは、確定給付企業年金のみがあって、他制度掛金相当額が大きくないケースです。例えば、公務員の他制度掛金相当額は月8,000円となりますが、同程度の制度設計の民間企業であれば、「上限月5.5万円-他制度掛金相当額0.8万円=マッチング拠出上限月4.7万円」ということになります。
会社の確定拠出年金がマッチング拠出を実施している場合、社内のアナウンスに注目してみてください。必ず4月対応とは限らず、会社によっては2027年1月にあわせてマッチング拠出の上限撤廃をシステム対応することもあるようです。
なお、iDeCoの加入者はマッチング拠出に切り替えすることも可能です。
3.「下げ」への覚悟を今からしておく
本来、株価の期待リターンについては年4~7%くらいを見込んでおくのがちょうどいい感覚だと思います。しかし、この数年はその2倍以上の成果がもたらされました。
そのため、そろそろ下がる年があってもおかしくなく、平均的な年利回りに近づくこともあるでしょう。ところがこの「下げ」への覚悟はなかなか難しいものです。
私自身、ITバブル崩壊時の値下がりを我慢できず、損失確定した失敗経験があります。理屈では分かっていても、回復が遅いと怖くて売ってしまうのです。
私の場合、このときの失敗経験があるので、リーマンショック時には「売らずに回復まで待つ(そして積み立て投資は継続)」の方針を維持できました。
近年、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCoをきっかけに投資をスタートした若い世代は、大きな下げは未経験です。コロナショックの時期の下げも、あっという間に回復してしまったので、今ではあまり印象に残っていません。
ぜひ、「下げ」への覚悟をしておきましょう。
ただこれは同時に「毎月の積み立てでは割安で購入できるチャンス」にもなります。
iDeCoやNISAのつみたて投資枠を活用されている方は、2026年に下げがあっても積み立て投資は中断せず、保有資産はろうばい売りしないように今から心がけておきましょう。
まとめ.今やっていることを「継続」(そのまま)でOK
「2026年の課題」のようなテーマでまとめてみましたが、積立投資家がiDeCoやNISAのつみたて投資枠を活用している資産形成については、相場観を巡らして短期的な売買を行う必要はありません。
市場がどのように動いたとしても、焦らずに今やっていることを「継続」することが基本と考えていいでしょう。
強いて言えば、50歳代後半から60歳代前半で受け取りを意識する世代、リタイア直前世代においては「どこかで利益確定し安定運用にするタイミング」を考えていいでしょう。ただし、これは2026年の課題ではなく個人の属性の問題です。
制度上明らかに2026年に動きがあるのは確定拠出年金制度になります。企業型の確定拠出年金のマッチング拠出は社内情報のアナウンスを、iDeCoについては運営管理機関からの情報発信をよく確認、必要な手続きをしてください。
2026年も、あなたの資産運用がいい年となりますように!
(山崎 俊輔)

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