FRBの利下げ実施で米国の長短金利逆転が解消され、市場に安堵感が漂いました。しかし、今週開催される日銀の金融政策決定会合では、利上げが実施される公算大。
米利下げを好感、先週の日経平均は小幅上昇
先週(営業日8~12日)の日経平均株価は、1週間で687円上昇して5万0,836円となりました。12月10日にFRB(米連邦準備制度理事会)が0.25%の利下げを実施(FF金利の誘導水準を3.75~4.00%から3.50~3.75%へ引き下げ)したことを好感して上昇しました。
ただし、ここからさらに上値を追っていくには材料不足だと思います。年内(12月19日)には日銀による利上げ(政策金利を0.5%→0.75%と0.25%引き上げ)が実施される見通しであり、日米金利差の縮小により日経平均は上値の重い展開が続くと思われます。
<日経平均週足:2025年1月6日―2025年12月12日>
FRBの利下げは事前予想通りで、サプライズ(驚き)はありません。それでも、今年3回目の利下げが実施され、米国の長短金利が正常化(長期金利が短期金利を上回る状態)に戻ったことは、株式市場にとってポジティブにとらえられました。
米国の長短金利逆転は終了
12月10日の利下げによって、FF金利(誘導水準の中央値3.625%)は、10年金利(4.194%:12月12日)より0.5%程度低い水準となりました。FF金利が10年金利を上回る「長短金利逆転」がこれではっきり終了したと考えられます。
<米国の長期(10年)金利と短期金利(FF金利)推移:2021年末―2025年12月12日>
米国の長短金利の動きに、米景気に対する市場センチメントの変化が良く表れています。
以下、2022年以降の動きを振り返ります。
【1】2022年
米景気が過熱、深刻なインフレが起こったため、長期金利が急騰しました。パウエルFRB議長は「景気を犠牲にしてでもインフレ抑制を急ぐ必要がある」として、急ピッチにFF金利引き上げを続けました。その結果、2022年末には、長短金利が逆転しました。
【2】2023年
長短金利逆転を受けて、米景気悪化への不安が広がり、2023年初から長期金利が低下しました。
【3】2024年
米景気・インフレがようやく減速してきたものの、米景気は意外に堅調。米景気がソフトランディングに向かうか、ハードランディングに向かうか、議論が分かれました。2024年末にFRBはようやく利下げに転じ、10年金利と短期金利がほぼ同水準になりました。
【4】2025年
トランプ関税ショックがあったものの、米景気は意外に堅調を維持。年末にかけてようやく減速の兆しが出たことを受け、FRBは0.25%の利下げを3回実施しました。これでやっと、10年金利が短期金利を上回る状態に戻りました。金利引き締め局面が終わった形です。
今週の重要イベント:日銀金融政策決定会合
12月18、19日に日銀が金融政策決定会合を開きます。結果発表の予定時刻は19日の正午近くです。
今回の会合で、政策金利は0.5%→0.75%と、0.25%引き上げられる見通しです。高市政権は、成長戦略を実施する上で利上げを望まない姿勢でしたが、過度な円安が進むリスクに備えるために、利上げを容認すると思われています。
日本株の投資判断
日本株は割安で、長期的な上昇余地は大きいと判断しています。年内の日経平均は5万円~5万0,500円を中心とした値固めが続くと予想されます。時間分散しながら、割安な日本株に投資していくことが、長期的な資産形成に寄与すると思います。
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(窪田 真之)

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