2026年、株式市場を動かす最重要イベントは何か。国内は高市政権の「骨太の方針」、米国はFRB議長交代と中間選挙を控えた「トランプ大統領の言動」がカギを握る。
今回は、2026年の日米最重要イベントをそれぞれ一つずつ深掘りします。
日本のイベントで最も重要視しているのは、6月ごろに高市政権が発表予定の「骨太の方針」です。米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)議長交代や、中間選挙を控えたトランプ大統領の言動に注目しています。
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2026年日本の注目イベント:高市政権「骨太の方針」
2026年6月ごろに発表される予定の「骨太の方針」は、高市政権が掲げる経済成長戦略と財政・産業政策の基本方針として策定される見込みです。
高成長分野への重点投資
政策文言としては、17の戦略分野(AI・半導体、サイバーセキュリティ、造船、防衛、デジタルインフラなど)が明記される可能性が高いとされます。これらは経済安全保障の観点からも政府の重点分野とされ、政府支出や税制優遇が強調される見込みです。
積極財政・成長促進策
高市政権は政権発足以来、「責任ある積極財政」を掲げており、減税、設備投資促進、賃上げ支援などの財政政策を重視する姿勢を示しています。これは基本方針にも反映され、成長加速を図るための予算措置・制度改革が盛り込まれる可能性があります。
企業統治・資本効率化
企業の自己資本利益率(ROE)向上や、コーポレートガバナンス改善を促す取り組みが引き続き政策の柱となる可能性が示唆されています。市場では、資本効率改善が企業収益に寄与するとの期待もあります。
社会保障・労働政策
少子高齢化対応や賃金上昇促進策、人的投資強化といった社会・労働政策の方向性も盛り込まれる可能性が高く、政策文言として明示される見込みです。
日本株市場ではROE、配当志向の追い風!
では、「骨太の方針」が国内株式市場にどのような影響を与えるでしょうか。
成長セクターへの資金流入
政府の重点分野が改めて明確になることで、AI・半導体、防衛・インフラ関連株が再度物色されやすくなる可能性があります。既に市場ではこれら産業セクターが政策恩恵を受けるテーマ株として注目され続けていますが、企業業績の伸びが期待できることから2026年もこの流れは続くでしょう。
投資家心理の改善
積極財政・成長支援策が政策として示されれば、投資家心理を刺激することで、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)の上方向への圧力となる可能性があります。企業収益予想の改善や中長期的な投資期待が形成されれば、バリュエーションの引き上げにつながる可能性があります。日経平均の株価収益率(PER)が20倍の大台に乗せる場面も見られるかもしれません。
ROE・配当志向の追い風
政府および東京証券取引所が進める企業統治や資本効率化の促進は、自社株買い・増配など株主還元策の強化に寄与する可能性があります。これも市場全体の評価にプラスとなる可能性があります。企業による自社株買いは、2024年に約18兆円、2025年は約20兆円といわれるなど日本株の下支え役として大きな役目を担いました。2026年も同様の効果が期待できると考えます。
金利上昇、外交関係に懸念
一方、懸念材料もあります。
財政悪化と金利上昇
積極財政の継続は、財政悪化懸念につながり、長期金利の上昇圧力を強める可能性が指摘されています。金利上昇は株式に対して下押し要因となる可能性が大いにあります。「金利のある世界」に慣れていない日本経済は、金利上昇に伴い消化不良を起こすかもしれません。
国内総生産(GDP)に対する債務の割合の高さなどが注目されると、日本国債の格下げ懸念などが株式市場の重しとなるでしょう。
政策実現性と政治基盤の不確実性
高市政権は発足以来、非常に高い支持率を維持していますが、参議院では与党が過半数を持たない状況です。一部政策の実現性に対する不確実性が市場で意識される可能性はあります。衆議院解散のタイミングにも関心は集まるでしょうが、政治的不透明感は投資家心理にマイナスになりますので要注意です。
外交・地政学的リスク
中国と台湾といった近隣国との外交関係の変動もリスク要因です。政策の方向性が安全保障色を強める場合、市場では防衛関連やレアアース関連など一部銘柄にポジティブな反応が見られる一方、当事国でビジネスを展開している銘柄はネガティブな反応を引き起こすことでしょう。
「骨太の方針」の発表が株式市場にどの程度直接インパクトを与えるかは、政策方針の「事前リーク」の有無などによって変わってきます。期待感先行で株価が上昇していた場合、発表後は「材料出尽くし」といった反応を示すかもしれません。
短期的な投資であれば、地合いや投資家心理の見極めは重要ですが、中長期的な投資を基本スタンスとしておけば、瞬間的な判断は必要ありません。
2026年米国の注目イベント:中間選挙控えるトランプ大統領の言動
2期8年務めるパウエルFRB議長の任期が5月に切れることから、次のFRB議長候補が話題となっています。トランプ大統領は、第1次政権時の2017年、自ら指名したパウエルFRB議長に対して「遅すぎる男」「負け犬」など度々口撃し、パウエルFRB議長を批判し続けました。
「中銀総裁人事」への介入は市場にネガティブなインパクトを与え、リスク回避の金(ゴールド)買いが強まる背景ともなりました。
そして、今年11月には中間選挙が控えています。現在は、共和党が大統領および議会の上院、下院で多数派を占める「トリプルレッド」の状況ですので、共和党は、トランプ大統領の意向に沿った予算案や法案を通しやすい立場にあります。
中間選挙で共和党が上院と下院で過半数を維持できれば、トランプ大統領の任期が満了となる2029年1月まで、現政権の基盤は維持されるでしょう。
しかし、12月24日に発表された最新の世論調査(経済誌エコノミストと調査会社ユーガブ)では、トランプ大統領の支持率は39%です。
こうした5月のFRB議長任期終了、11月上旬の中間選挙を控えた状況下、トランプ大統領が何かしらの政権浮揚を狙って「口先介入」「指先介入」を繰り広げるものと想定し、下記のように整理しました。
金融政策への強い介入発言
次のFRB議長は2026年1月中に発表される予定ですが、トランプ大統領は「遅すぎる男」の早期退任圧力を強める可能性があります。任期満了の5月まで、米経済指標が安定していれば圧力は低下するとの見方もありますが、高い住宅ローン金利に苦しむ有権者を意識して「一刻も早く退任せよ」といった口撃を行うことは容易に想定できます。
こうした場合、FRBの独立性への疑念が市場で再燃し、2025年春、複数回発生した「トリプル安(株安、債券安、ドル安)」が再度発生するかもしれません。市場の守り神的な存在であるベッセント財務長官が健在であることは安心材料ですが、トランプ大統領の露骨なFRB介入が常態化することは、金融市場を揺るがす衝撃を引き起こす可能性が高いと考えます。
中間選挙に向けた支持率回復政策
政権浮揚を意識して、対外的な強硬策を示す可能性はあります。トランプ大統領は既に南米ベネズエラに対して直接軍事行動に出ましたので、国際法を軽視した対外的な強硬策は金融市場ではネガティブな影響を与えるかもしれません。
自国民の目線を国内から国外に向ける強硬策は、米国のみならず中国など他の国でもよく見られます。原油利権獲得というあからさまなターゲットに対し、ベネズエラと親交のある中国やロシアがどのようなリアクションを取るのか注目です。両国が批判的な態度を示した場合、ウクライナ及び台湾情勢とも密接に関わってくる事象となるでしょう。
個人を対象としたさらなる減税政策
2025年7月、トランプ大統領は「One Big Beautiful Bill Act(OBBB)(一つの大きく美しい法案)」に署名しました。2017年の減税措置の多く(個人所得税の減税など)を恒久化し、法人税率21%の維持などを決定しました。
2026年も中間選挙に向けて、新たな減税政策を実施する可能性はあります。個人への減税は、可処分所得を直接押し上げるため個人消費の下支えとなります。
結果、個人への減税は有権者に分かりやすく、中間選挙・大統領選前の支持率対策として高い効果があります。「家計を直接支援している」というメッセージ性は強力です。
一方、想定されるデメリットとして、財政赤字の拡大が挙げられます。米国はすでに高水準の財政赤字と国債残高の増加を抱えており、減税は中長期的な財政持続性への疑念を強めます。結果として、米国債利回り上昇や財政規律への不信につながる可能性があり、米国債の格下げといった話が出てくるかもしれません。
また、供給制約が残る状況での減税は、需要だけを刺激し物価上昇圧力を再点火させる恐れがあります。これは、FRBの利下げ余地を狭めることを招き、市場の不安定化要因となります。政府と中央銀行のスタンスが乖離(かいり)することとなりますので、トランプ大統領とFRBとの緊張関係はより悪化するでしょう。
ふくおかFG、東急…中長期の成長に期待の内需銘柄5選
これらのポイントが軸となって、2026年の金融市場は動いていくと考えます。
株式市場では、外部要因の影響を受けやすいAI・半導体株に左右されがちな日経平均株価よりも内需・高配当株が相対的に多いTOPIXの方が落ち着いた動きを示すでしょう。「ボラタイル(不安定な)の日経平均、ステーブル(安定性)のTOPIX」という構図は2026年も同様と考えます。
外的要因を受けやすい銘柄の方が比較的上下に振れやすいので短期的な投資に向いているでしょう。
投資手法は個人の自由ですので、短期投資を決して否定しませんが、私は、さまざまな経験の下「数年単位で長く投資する」をモットーとしていますので、短期投資は控えています(短期投資での成功体験が乏しい、という理由も大きいです)。
今回も、内需銘柄の中長期投資を前提に5銘柄をご紹介します。
銘柄名 証券コード 株価(円)
(1月6日終値) 特色 五洋建設 1893 1,617 防災・国土強靭化関連のマリコンとして注目 太平電業 1968 2,230 原発再稼働・エネルギー安全保障関連として注目 栗本鉄工所 5602 1,722 水道・下水インフラ関連として注目 ふくおかFG 8354 5,324 九州地銀再編のカギを握る 東急 9005 1,836 脱デフレで沿線不動産の価値が高まるか
五洋建設(1893)
海上土木に強いマリコン(マリンコントラクター)の最大手です。防災および港湾関連の一つとして注目されました。同社は港湾、空港、海底トンネルなど海洋土木を強みとし、国内では代替が限られる存在です。インフラ老朽化対策や防災・国土強靱化(きょうじんか)、エネルギー関連投資の拡大は中長期の追い風となります。
足元では採算悪化案件の整理が進み、利益率は改善傾向にあります。さらに受注残高は高水準を維持しており、将来売上の安定性が高い点も評価材料です。
太平電業(1968)
発電所やプラントの建設・保守を担うエネルギーインフラ関連銘柄として注目します。火力・原子力・再生可能エネルギー関連設備の据付やメンテナンスに強みを持ち、電力の安定供給を支える存在です。
特に既存発電所の延命・更新工事は景気に左右されにくく、安定した受注が見込まれます。脱炭素の進展に伴う設備更新需要や、原子力再稼働・エネルギー安全保障の流れも追い風です。
栗本鉄工所(5602)
鋳鉄管・バルブ・プラント設備などを展開しており、水道・下水・エネルギー関連インフラに深く関与しています。国内では、高度経済成長期に整備された水道管の老朽化が深刻化しており、更新需要は今後も長期的に継続する見通しです。
加えて国土強靱化政策や防災投資とも親和性が高いことから、公共投資の下支えが期待できます。足元では価格転嫁の進展により収益性が改善傾向にあり、安定した受注基盤と堅実な財務体質も評価材料です。
ふくおかFG(8354)
九州最大の金融グループとして高い地域シェアを有しており、グループには、長崎地盤の十八親和銀行、熊本地盤の熊本銀行、福岡地盤の福岡銀行、福岡中央銀行の合計4行あります。十八親和銀行は、SBI地銀連合から離脱した筑邦銀行の株を保有する佐賀銀行の株を3%超保有(2025年9月時点)していることから、同社が九州地銀再編のカギを握っていると考えます。
今後、日本銀行の金融政策正常化が進めば、利ざや改善による収益拡大余地は大きく、地銀の中でも恩恵が顕在化しやすいと考えます。また、デジタル化やコスト削減が進み、収益構造の改善が着実に進展しているほか、株主還元にも積極的で、配当利回りの高さや自己株取得期待も魅力です。地銀再編と金利環境変化の恩恵を受けやすい金融株として注目します。
東急(9005)
鉄道、不動産、生活サービスを一体で展開する都市開発力が持ち味です。東京近郊の東急線沿線は人口流入が続くエリアが多く、渋谷を中心とした大規模再開発は街の価値向上と収益基盤の強化に直結しています。鉄道事業は安定的なキャッシュフローを生み、不動産賃貸・商業施設・ホテル事業が収益の厚みを支えています。
今後、「脱デフレ」に伴い不動産価格が上昇した場合、沿線周辺の不動産価値の持続的向上という長期的テーマも期待できるでしょう。
(田代 昌之)

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