物価上昇が続く今、家計への影響は避けられません。しかし、インフレは資産を増やすチャンスにもなり得ます。

インフレ時代を賢く乗り切り、資産を守り育てるためのヒントをクイズ形式で楽しく学びましょう。


【クイズ】高インフレ時代、最適なポートフォリオは?の画像はこちら >>

クイズに挑戦!

 インフレと資産形成について考えるためのクイズを2問出します。


【第1問】 家計の金融資産構成


 下のグラフ【1】~【3】は、日本、米国、欧州(ユーロ圏)の家計の金融資産構成比を示しています。


 ご覧の通り、【1】は株の比率が最も高く、【3】は現金預金の比率が最も高くなっています。さて、【1】の「株好きな国」と【3】の「貯蓄好きな国」は、それぞれ日本、米国、欧州の中のどれでしょうか?


<日本、米国、欧州(ユーロ圏)の家計の金融資産構成比(2025年3月時点)>
【クイズ】高インフレ時代、最適なポートフォリオは?
出所:日本銀行「資金循環の日米欧比較」より筆者作成

 経済には、物価が上がる「インフレ期」と、物価が下がる「デフレ期」があります。それぞれの時期に資産を守り、増やすためには、どのような資産の組み合わせ(ポートフォリオ)が良いでしょうか?


【第2問】 資産を守るポートフォリオ


 前問の【1】~【3】の中から、以下の二つの状況に合致した金融資産構成比をそれぞれ選んでください。


  • 「適度なインフレ」の時代に、資産が元気に育ちやすいポートフォリオ
  • 「デフレ」の時代に、資産がしっかり守られやすいポートフォリオ

日米のインフレ率現状

 クイズの答え合わせの前に、日米の「物価の動き」をのぞいてみましょう。


<日米インフレ率(CPI総合指数前年比上昇率)推移:2020年1月~2025年11月>
【クイズ】高インフレ時代、最適なポートフォリオは?
出所:総務省統計局・米労働省より作成

 グラフを見ると、米国のインフレ率は2022年6月に9.1%という、異例の高率でした。


 当時は、2020年のコロナ禍から脱出するために財政・金融の大盤振る舞いを行った効果で、米景気が過熱し、深刻なインフレが起こっていました。そこに、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって原油価格が急騰した影響が加わり、極度の高インフレになりました。


 その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が急ピッチな利上げを行った効果で、米国のインフレ率は急低下し、今は3%を少し割れたところまで低下しました。


 一方、日本は低インフレが続いてきましたが、足元、インフレ率が3%前後まで高まっています。2025年になると、日本も米国も3%前後で、インフレ率はそろってきています。日本も米国と似た、高インフレの経済になってきました。


「物価が上がる」ことは、「現金の価値が下がる」のと同じことです。例えば100円で買っていたモノが値上がりして110円でないと買えなくなったとします。これは110円の価値が100円に低下したのと同じです。日本でこれからもインフレが続くとすると、現金の価値の目減りをカバーする資産の育て方を考える必要があります。 


正解

【第1問】【1】の「株好きな国」は米国、【3】の「貯蓄好きな国」は日本です。以下の通り。


<日本、米国、欧州(ユーロ圏)の家計の金融資産構成比較(2025年3月時点)>
【クイズ】高インフレ時代、最適なポートフォリオは?
出所:日本銀行「資金循環の日米欧比較」より筆者作成

【第2問】


 適度なインフレ下では、株価上昇率が高くなる傾向があります。


 従って、米国家計のポートフォリオは、インフレ経済に最適です。


 デフレ経済では、物価が下がり株価は下がる傾向があります。


 従って、日本の家計ポートフォリオは、デフレ経済に最適です。


インフレ対策として資産の一定割合を株式で保有する必要がある

 私は、これから2030年にかけて日本は、多くの人が想像している以上の高インフレとなり、年率3%以上のインフレが続くと予想しています。


 インフレは国民生活に厳しい側面がありますが、企業経営・株式投資に追い風です。日本企業の売上収益・日本の名目国内総生産(GDP)の成長率がインフレによって高まる時、日本株への投資は面白くなります。


 最近、食料品や電気・ガス料金、鉄道料金など生活必需品・サービスの値上げが目立ちます。

これまで値上げを控えていた企業が値上げするようになりました。製造業で10年ぶり20年ぶりに最高益を更新する企業が出てきているのは、値上げできるようになった恩恵です。


 インフレで生活が圧迫される分は、インフレの恩恵で値上がりする株を保有するといった方法により、資産運用でカバーすることが重要です。


 例えば、食品価格の上昇が厳しいならば、食品価格の上昇で増益する株を、電気・ガス料金の上昇が厳しいならば、エネルギー価格上昇で増益するエネルギー関連株を買えば良いわけです。


 しかしながら、株式投資は簡単ではありません。日経平均インデックスファンドに大金を投じたとたんに日経平均株価が30%急落するようなこともあり得ます。


 日本株はこれまでもこれからも、急落・急騰を繰り返しながら上昇していくと私は考えています。従って、リスク管理は大切です。


 日本株を現在ほとんど保有していない方は、時間分散しながら、少しずつ日本株の保有を増やしていくことが、長期の資産形成に寄与すると私は考えています。 


個別銘柄投資にチャレンジしたい方へ

 最後に、個別株投資にチャレンジしたい方に、私の著書を紹介します。ダイヤモンド社より、株価チャートの読み方をトレーニングする「株トレ」(黄色の本)と、決算書の見方など学ぶ「株トレ ファンダメンタルズ編」(水色の本)が出版されています。どちらも一問一答形式で株式投資の基礎を学ぶ内容です。


「 2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ 」


「 2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ ファンダメンタルズ編 」


【クイズ】高インフレ時代、最適なポートフォリオは?
「株トレ」 シリーズ2点の書影

(窪田 真之)

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