日経平均が高騰する一方、この上昇についていけていない割安株が多数あります。現在、原油価格低迷が続いたことから、エネルギー関連セクターに「PBR1倍割れ」銘柄が多数あります。
日経平均急騰!日本株どうする?
2026年に入ってから日経平均株価は急騰、14日終値で5万4,000円を超えました。私は、長期的に日本株の上昇余地は大きいと判断していますが、短期的には上昇ピッチが速過ぎると思っています。
このような時、日本株投資はどうしたら良いでしょうか? 日本株をたくさん保有しているならば、上昇が速過ぎる銘柄を少し売っても良いと思います。
ただし、日本株をほとんど持っていない場合はどうしたら良いでしょうか? 私は、以下二つのうちのどちらか、あるいは両方検討して良いと思います。
【1】インデックスファンドに積み立て投資
日経平均インデックスファンド・東証株価指数(TOPIX)インデックスファンドなどに毎月一定額を積み立て投資。
【2】ディープ・バリュー株(極めて割安な株)を選別して投資
日経平均はかなり上がりましたが、日本には株価純資産倍率(PBR)が解散価値といわれる1倍を割り込んだ銘柄が多数あります。そうしたディープ・バリュー株の中から、財務内容が良好で収益基盤のしっかりした銘柄を選別して投資。
今日は、【2】のアイデアで投資するのにふさわしいと私が考える銘柄を紹介します。今も割安株が多い「エネルギー関連株」から選びます。
なぜ今、エネルギー関連株?
2026年に入ってから、産油国がからむ地政学的リスクの高まりが懸念される出来事が相次ぎ、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物が上昇しています。
【1】ベネズエラ事変:ベネズエラから中国への原油輸出が滞る可能性
【2】ウクライナでのロシアによる攻撃激化:ロシアへの制裁強化でロシア産原油の輸出が減る可能性
【3】イランでの反政府暴動の広がり:イラン産原油の生産が減る可能性
とは言っても、原油価格は2022年の後半から下落が続き、安値圏にあります。
<WTI原油先物(期近)の動き:2022年1月3日~2026年1月13日>
エネルギー関連株は原油価格に連動する傾向があります。
その結果、今、エネルギー関連株にはディープ・バリュー株が多くなっています。日経平均は高騰していますが、PBR1倍割れ・配当利回りも高めのエネルギー関連株は今、買っていって良いと思います。
エネルギー関連株を推奨する理由は、原油価格が過去3年にわたり下げ続けたことによって、株価が極めて割安になっていると判断しているからです。人類のエネルギー依存は今後、一段と高まるでしょう。
特に、今年は生成AI(人工知能)の利用が世界中で急拡大します。電力を大量に消費するAIデータセンターの増加によって、電力不足という新たな社会課題が浮上すると予想しています。
今後、増加する電力需要を賄うために、ガス火力発電や原子力発電を増やしていく必要が生じると思います。それが、世界的なエネルギー価格の上昇につながる可能性があります。今、エネルギー価格が安いうちに、エネルギー関連株を割安に買っておくべきと考えています。
エネルギー関連、買い推奨4銘柄
日本は、資源を輸入に頼る国で、世界に広がる資源ナショナリズムでたびたび痛い目を見てきました。その経験から、日本企業は、海外で資源開発を幅広く手掛け、資源権益を拡大してきました。
<エネルギー安全保障に貢献すると考える、高配当利回り株4選:2026年1月14日時点> コード 銘柄名 株価:円 配当
利回り PER:倍 PBR:倍 1605 INPEX 3,266.0 3.1% 10.0 0.78 5019 出光興産 1,275.5 2.8% 20.8 0.90 9101 日本郵船 5,379.0 4.2% 10.9 0.77 9503 関西電力 2,586.0 2.9% 8.0 0.88 出所:各社決算資料・QUICKより楽天証券経済研究所作成。配当利回りは1株当たり年間配当金(今期会社予想)を1月14日株価で割って算出。1株配当金は、INPEX100円、出光興産36円、日本郵船225円、関西電力75円。PERは、株価を1株当たり利益(今期会社予想)で割って算出。今期とは、INPEXは2025年12月期、他は2026年3月期
上記4社の株価指標をご覧ください。どれもPBRが1倍割れのディープ・バリュー株(株価指標でみて割安度が際立つ株)であることが分かります。予想配当利回りは2.8~4.2%と、魅力的な水準です。株価収益率(PER)は、出光興産を除くと、8.0~10.9倍と極めて低い水準です。
出光興産は今期予想PERは高いものの、来期コンセンサス予想PERは10.0倍と低く、出光興産もPERから割安と評価しています。
出光興産は今期(2026年3月期)原油価格が下がったことにより在庫評価損が発生して一時的に利益水準が低くなっています。
来期(2027年3月期)のコンセンサス予想1株当たり利益(EPS)は127.34円で、1月14日の株価から計算される来期コンセンサス予想PERは10.0倍です。来期以降の利益成長を織り込むと、出光興産もPERベースで割安と評価できるでしょう。
利益も配当もしっかり出していてエネルギー安全保障にとって重要な企業群であるにもかかわらず、4社とも株価はPBR1倍割れで低い評価となっています。4社とも、中長期で価値が見直されると判断し、「買い」と判断しています。
4銘柄それぞれ、固有の投資価値とリスクがあります。楽天証券のかぶミニ®を使えば、1株単位で売買できるので、以下の通り、2万円強で4銘柄に分散投資するのが良いと思います。
<エネルギー安全保障にとって重要な4銘柄への分散投資ポートフォリオ(かぶミニ®利用):2026年1月14日時点> 銘柄名 配当利回り 業種 株価 投資金額 投資比率 INPEX 3.1% 鉱業 3,266.0 6,532 31.2% 出光興産 2.8% 石油 1,275.5 3,827 18.3% 日本郵船 4.2% 海運 5,379.0 5,379 25.7% 関西電力 2.9% 電力 2,586.0 5,172 24.7% 合計 3.3% 20,910 100% 出所:銘柄選別は筆者、QUICKより楽天証券経済研究所が作成。配当利回りのみ平均値
三菱商事(8058) も、エネルギー安全保障に貢献する重要企業として、投資価値は高いと判断しています。ただし、PBRが既に1倍を超えて1.69倍まで上昇していることから、今回の推奨リストには入れませんでした。三菱商事については、また別の機会でレポートします。
INPEXを買いと判断する理由
INPEX(1605) は、日本最大の原油・天然ガス開発・生産企業です。日本のエネルギー安全保障にとって、最も重要な会社と考えられます。
【注】黄金株
経営上の重要事項について、黄金株の保有者に拒否権がある。企業防衛策として高い効果がある。敵対的買収などを防ぐ効果があると考えられる。
黄金株は、経営陣の自己保身に使われることもあるので、発行が認められることは少ない。日本で黄金株を発行しているのは、INPEXのみである。
INPEXを高く評価する点は、以下5点です。
【1】日本最大の原油・天然ガス生産・開発企業。長年の先行投資が実り、今後生産量・埋蔵量とも拡大が続くと見込まれる
原油・ガスの生産量・埋蔵量は国内最大で、海外20カ国に資源権益を有します。長い年月をかけて開発を進めてきたオーストラリア(イクシス)で先行投資が実り、生産量や確認埋蔵量が拡大する局面に入っています。インドネシア(アバディ)も2030年ごろ生産開始を目指し、開発が進んでいます。
【2】海外権益のほとんどが友好国に
海外権益はほとんど、オーストラリア、インドネシア、中東などの友好国にあります。
【3】技術的に難しい海底ガス田を開発
技術的に難しい海底ガス田を開発、陸上にガスを誘導して液化天然ガス(LNG)に転換して日本などに輸出するプロジェクトを行っています。技術的な難易度が高く、資源ナショナリズムによって接収されるリスクは低いと考えられます。
【4】脱炭素にも積極的に取り組み
2050年までにCO2排出ネットゼロを目指し、(1)水素・アンモニア事業、(2)CCUS(CO2回収・貯蔵・利用)、(3)再生エネルギー事業(地熱・風力など)、(4)メタネーション(合成メタン)、(5)森林保全などの事業を推進しています。
【5】株価割安、株主への利益還元に積極的
PBR0.78倍と、株価は極めて割安と判断しています。株主への利益配分に積極的で、増配・自社株買いによりPBR1倍を回復していくことを、経営陣は目指しています。
出光興産、日本郵船、関西電力を買いと判断する理由
【1】出光興産
出光興産は、石油精製事業で安定収益を稼ぎながら、高機能材(有機EL青色発光材料など)で利益を成長させていく企業と評価しています。ところが、PBR1倍割れで、株式市場の評価は高くなっていません。過去に石油精製事業が過当競争で低収益が続いたことがあり、そのイメージがまだ払拭(ふっしょく)されていないものと思われます。
石油精製業は業界再編が進み安定収益源になったと評価しています。原油価格乱高下に伴う在庫評価損益によって見かけ上の利益は大きく変動しますが、在庫評価損益を除くベースでは、既に安定収益源となっていると評価しています。
出光興産は、石油事業以外の多角化を積極的に進めてきましたが、その成果がこれから出ると予想しています。特に期待しているのが、有機EL材料です。
出光興産は1980年代に有機ELの研究を始め、発光に高エネルギーを必要とするため最も困難と考えられていた青色有機ELの実用化に1997年に世界で初めて成功しました。その後も青色発光材料関連の技術開発をけん引し続けており、世界シェアトップと考えられています。
有機ELの世界市場は今後、液晶を代替していくことで、高い成長が見込まれています。液晶に比べ、高画質で、消費電力が低く、薄型になることがメリットです。ただし、価格が高いうちは急速な代替は進みません。量産によるコストダウンが進むことに伴い、液晶の代替が進んでいくと思われます。
【2】日本郵船
日本郵船はLNGタンカーで 商船三井(9104) とともに世界最大級の船舶を運航管理しています。オイルタンカーも含め、エネルギー物流で重要な役割を果たしています。
同社は現在、定期船ビジネスを行う持分法適用会社ONE社が最大の稼ぎ頭となっています。定期船ビジネスは長年にわたり、過当競争で赤字が続いてきた歴史があります。日本でも世界でも業界再編が進み、収益が安定化してきました。今後、世界的な物流増加にともない、定期船事業の利益は緩やかに拡大していくと予想しています。
それに加え、世界的に利用拡大が見込まれるLNGタンカー事業の収益も拡大していくと期待しています。
ただし、海運業は好不況にともなう、利益変動がどうしても大きくなります。過去には、海運不況で巨額の赤字を計上したことがあります。そのイメージがあるため、海運株に対する株式市場の評価はなかなか高まらず、株価指標で割安な評価となっていると思われます。
海運業の利益も財務も安定的になっていることが評価されれば、株価水準を切り上げていくと予想されます。利益の変動も株価の変動も大きいことは変わらないと思われますが、株価が割安と判断される今投資して、長期に保有して価値を高めていくと予想しています。
【3】関西電力
生成AIの利用拡大によって、日本でも今後、電力需要の拡大が予想されます。日本では、主にLNG火力発電の増加と、原子力発電の再稼働によって、拡大する電力需要をまかなっていくことになると予想しています。
関西電力は、原発の安全対策工事の進捗(しんちょく)・原発再稼働で先行しており、電力需要拡大の恩恵を受けていくと予想しています。
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(窪田 真之)

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