FRBによるレートチェックを受け、先週は一時円高急伸、日経平均が売られました。ところが、米景気が堅調で、米利下げ期待が低下したことから買い戻されました。

衆院選では自民党が単独過半数を獲得する見通しで、日本株に追い風が続きそう。日経平均のPERが高くなっていること、日本の長期金利上昇ピッチが速いことには警戒が必要です。


円高続く?日経平均どうなる?解散総選挙は自民優勢だが金利上昇...の画像はこちら >>

先週の日経平均は円高を嫌気して下落

 先週(営業日1月26-30日)の日経平均株価は、1週間で524円下がり5万3,322円となりました。日米協調で「円買いの為替介入がある」との思惑から、先週初めの為替市場で円高が急伸。日経平均は円高を嫌気して下落しました。


 ところが、実際には為替介入は無かったこと、また30日のFOMCで利下げが無かったこともあり、週後半は円安に戻して日経平均も反発しました。FRBの次期議長に指名されたのがタカ派で知られたウォーシュ元FRB理事であったことも、円安を後押しする材料と捉えらえました。


<日経平均日足:2025年12月1日~2026年1月30日>
円高続く?日経平均どうなる?解散総選挙は自民優勢だが金利上昇に要注意(窪田真之)
出所:楽天証券MSⅡより作成

 これまで、日経平均は、円安の時に上がり、円高の時に下がる傾向が顕著でした。日米協調の円安阻止は、日本のインフレ・長期金利上昇を押さえるという点で日本にとって本来望ましいことです。


 ところが、「円高だと日本株を売り、円安だと日本株を買う」外国人投資家の影響で、先週は円高を嫌気して日経平均が下がった形となりました。


<日経平均とドル円為替レートの動き:2023年1月4日―2026年1月30日>
円高続く?日経平均どうなる?解散総選挙は自民優勢だが金利上昇に要注意(窪田真之)
出所:QUICKより作成

 ご覧いただくとわかる通り、日本株は円安だと上がり、円高だと下がる傾向が顕著です。日本企業は、海外で稼ぐドル建て収益が大きいため、円安は増益に、円高は減益に働きます。投機筋はかなり機械的に円高だと日経平均先物を売る傾向があります。


 2025年は、トランプ関税の影響で自動車など製造業が大きなダメージを受けましたが、そのダメージを緩和したのが、1ドル=150円台に進んだ円安でした。円安で日経平均が上昇する傾向が続く中、先週は急な円高が進んで不安視されました。


円高は一時的?

 23日(金)にFRB(米連邦準備制度理事会)によるレートチェック【注】が入り円高が進みましたが、円高は一時的の可能性もあります。


【注】レートチェック
 FRB(米国連邦準備制度理事会)や日本銀行が、銀行などの市場参加者に為替取引水準に関して問い合わせること。為替介入の準備段階として意識される。


 為替介入だけでは、中長期のドル円為替を変えることはできません。ただし、そうは言っても、短期的には為替介入はドル円に大きな影響を及ぼします。以下、2024年に政府日銀が円買いの為替介入を行った時の動きをご覧ください。


<2024年の円買い介入時のドル円為替レートの動き:2024年4月26日―5月10日>
円高続く?日経平均どうなる?解散総選挙は自民優勢だが金利上昇に要注意(窪田真之)
出所:QUICKより作成

 為替介入で一気に5円ほど円高急伸しています。円売り投機筋に短期的に大きなダメージを与えることを狙ったアクションです。


 今回、為替介入はありませんでしたが、1月23日の日銀金融政策決定会合で利上げがなく、投機筋が1ドル=159円台まで円安をしかけたタイミングで、FRBによるレートチェックが入り、円高急伸しました。


<2026年1月23日FRBレートチェック時のドル円為替レートの動き:2026年1月23日―1月30日>
円高続く?日経平均どうなる?解散総選挙は自民優勢だが金利上昇に要注意(窪田真之)
出所:QUICKより作成

 1ドル=160円は、政府・日銀にとって「これ以上の円安は止めたい」防衛ラインと考えられます。当然、介入を検討するところです。

ただし、それを米国政府が許容するかわかりません。なぜならば、日本が円買い(ドル売り)介入するためには、保有する米国債を売る必要があるからです。つまり、米国金利の上昇要因となります。


 ところが、1ドル=159円に入ったタイミングで、米国当局からレートチェックが入りました。日米協調して、円安を止めようとする姿勢を示した効果は大きく、円買い介入が入る警戒が高まり、一気に円高に進みました。


 ただし、現実には為替介入は無かった模様です。円安を止めたい日米当局は、「はったり」をかけるだけで効果的に円高反転させられました。


 ここからさらなる円高が進む可能性は低いと思われます。FRBは1月利下げを見送ったこと、米景気は堅調であること、FRBの次期議長にタカ派と見られているウォーシュ氏が指名されたことが、さらなる円高を防ぐ要因になりそうです。


 日本株も、円高を嫌気した売りは一巡すると思われます。ここから先、発表中の2025年10-12月決算に注目が移ると思われます。


日本株の投資判断

 日本株は割安で、長期的に上昇余地が大きいとの判断は変わりません。

ただし、短期的な株価上昇ピッチが速すぎで、PER水準が切りあがっていることから、目先やや上値が重くなると思います。日本の長期金利の上昇ピッチが速いことも、株価の上値を抑えそうです。


 ただし、日経平均の下値は堅いと思われます。レートチェックによる円高は一巡し、円高に対する不安は低下すると思われます。また、2月8日の衆院解散総選挙では、自民党が単独過半数を獲得する見通しが広がっています。日本株に追い風が続きそうです。


 日経平均はこれからも急落・急騰を繰り返しながら上昇していくと思います。時間分散しながら割安な日本株に投資していくことが、長期的な資産形成に寄与すると思います。


▼著者おすすめのバックナンバー

3分でわかる!今日の投資戦略:
2026年1月31日: 第一三共、アステラス、武田…がん治療最前線!バイオセクター分散投資の魅力(窪田真之)
2026年1月17日: エネルギー安全保障に貢献する「PBR1倍割れ」割安株4選(窪田真之)
2026年1月6日: AI関連株:ソフトバンクグループを買い推奨、小型成長株も解説(窪田真之)


(窪田 真之)

編集部おすすめ