先週の日経平均は小幅下落も、節目割れでの押し目買い意欲も強く、下値の堅さが意識されました。今週は国内のイベントが少なく、トランプ米大統領の一般教書演説や関税の動向が相場を左右しそうです。
迷いと様子見の中で堅調さを見せた先週の日本株
先週末20日(金)の日経平均株価は5万6,825円で取引を終え、前週末終値(5万6,941円)からは116円安の小幅下落となりました。
<図1>日経平均の5分足チャート(2026年2月16日~2026年2月20日)
あらためて、先週の日経平均の値動きを図1の5分足チャートで確認していくと、前週に大きく上昇した反動や、利益確定の動きが優勢となり、週のはじめは売りが先行しました。
週の半ばにかけては、米国の堅調な経済指標(ニューヨーク連邦準備銀行製造業景気指数など)や、トランプ政権との対米投資プロジェクト第1弾の決定報道が追い風となり、株価は反発。国内のインフラ・エネルギー関連銘柄が買われました。
しかし、週末の20日(金)は3連休が控えていたことで値を下げて取引を終了。日経平均は5万7,000円台を下回ったところで買いが入り、下値の堅さを見せたものの、トランプ米大統領によるイランへの軍事行動示唆(「10日間で明らかになる」と述べた)で、地政学リスクが高まりました。
さらに、米大手投資ファンドのブルー・アウル・キャピタルが運営する個人投資家向けプライベートクレジット(ノンバンク融資)ファンドが解約の受付を一時的に停止したことをきっかけに、クレジット市場を巡る懸念が浮上。米国市場の雲行きがやや怪しくなってきた中で取引を終えているのが気掛かりです。
<図2>日経平均(日足)とMACDの動き(2026年2月20日時点)
こうした5分足の値動きを日足チャートに当てはめて見ていくと、日経平均は12日(木)にいったん高値をつけた後、5万7,000円台でのもみ合いとなり、短期的な調整をこなしているようにも見えます。仮に、今後株価が下落した場合、昨年11月4日と今年1月14日の高値どうしを結んだ「上値ライン」、もしくは25日移動平均線がサポートして機能できるかが焦点となります。
そのため、先週は堅調ではあったものの、「迷い」と「様子見」が感じられる展開だったと言えそうです。
今週のポイントその1 米国の不透明感とトランプ米大統領の一般教書演説
そんな中で迎える今週の株式市場は2月の最終週となります。
国内では、24日(火)から26日(木)にかけて高市早苗首相による施政方針演説に対する代表質問が行われ、発言内容が物色の手掛かりとなる可能性があります。
先述したイラン情勢をめぐる地政学的緊張の高まりや、プライベートクレジット市場への懸念に加え、日本株市場が取引を終えた20日(金)の米国株市場では、米10-12月国内総生産(GDP)が予想以上に減速したことや、トランプ相互関税に対して米連邦最高裁判所が違憲判断を下したという、気掛かりな材料も浮上してきました。
もっとも、20日(金)の米国株市場では、主要株価指数(ダウ工業株30種平均、S&P500種指数、ナスダック総合指数)が揃って上昇して終えています。
減速したGDPは、この時期に一部の政府機関閉鎖が影響したとされ、一時的な要因と受け止められたほか、米中間選挙を前に、米トランプ政権が景気対策を打ち出すという期待もあって、あまりネガティブ視されなかった模様です。
また、トランプ相互関税に対する米連邦最高裁判所の意見判断は、市場では予想済みで、過度な関税政策が軽減されるという思惑で、市場の初期反応はポジティブに働いたと思われます。
<図3>米大統領に発動権限が付与されている主な関税措置
図3は、米大統領に発動権限が付与されている主な関税措置を簡単にまとめたものですが、今回の違憲判断は「国際緊急経済権限法(IEEPA)」によるものです。
これを受け、米トランプ政権の反応は、ひとまず、「通商法122条」を根拠に150日間の15%関税を24日(火)から発動すると発表しています。そして、今後は150日間のあいだに、「通商法301条」もしくは「通商拡大法232条」による関税政策の発動を準備していくものと思われます。
また、商品別に課されている関税もそのままのため、今回の違憲判断をきっかけに、米国の関税政策が大きく変わることは考えづらく、今後の動向や影響を見守る必要があり、株式市場にとって積極的な買い材料にはなりにくいと考えられます。
そして、トランプ米大統領をめぐる動きとしては、24日(火)に一般教書演説を行う予定となっており、そこでの発言内容によって、相場が動くことも想定しておく必要があります。
今週のポイントその2 米エヌビディアとセールスフォース決算
また、今週最大の注目イベントは日本時間26日(木)の朝に発表される米 エヌビディア(NVDA) の決算になります。
<図4>米エヌビディア(日足)とMACDの動き(2026年2月20日時点)
図4は、エヌビディアの日足チャートとMACDの推移を示しています。エヌビディアの株価は昨年10月29日に高値をつけた後、株価と25日・50日移動平均線が横ばいの中でもみ合いを3カ月近く続けており、時間調整が進んでいた様子が確認できます。
また、この10月の高値と、昨年4月7日とを起点とした「ギャン・アングル」でも、直近の株価が「2×1」ラインに沿って推移しているため、今週の決算の内容が好感されれば、上昇しやすいチャートの形状と言えます。
仮に、決算を好感する動きとなった場合、国内株市場でも、 東京エレクトロン(8035) や アドバンテスト(6857) など半導体関連株の押し上げ要因になりそうです。
また、直近で売られていたソフトウエア関連銘柄のひとつである セールスフォース(CRM) も、エヌビディアと同じ日本時間26日(木)の午前中に決算を発表します。
<図5>米セールスフォース(日足)とMACDの動き(2026年2月20日時点)
図5はセールスフォースの日足チャートですが、先日の「アンソロピック・ショック」で株価の下落が進行した後、決算発表を前に下落の勢いが鈍化しつつあるように見えます。
決算をきっかけに「悪材料出尽くし」で本格的に反発していく展開となれば、相場のムードを大きく改善させていくことになりそうです。反対に、あまり好感されなかった場合には、金融株も巻き込んで売りが強まる可能性があるため、両社の決算は週末にかけての相場の流れを決定づけることになりそうです。
目先の日本株に上値余地はあるか?
最後に、日経平均の上値余地についても考えていきます。
前回のレポートでは、週足のMACDの値に注目し、その値の高さから上昇ピッチの速さによる過熱感を指摘しました。
▼前回のレポート
2026年2月16日: 日経平均、高市ラリーで上昇継続?過熱感から反落か?
<図6>日経平均(週足)とMACDの動き(2026年2月20日時点)
図6を見ても分かるように、先週のMACDも上昇し、週末20日(金)のMACDの値は3,111円となり、これまでの最高値(昨年11月14日週の3,037円)を超えてきました。
MACDは、短期と中期の移動平均線(厳密には指数平滑移動平均線)の価格差の推移を示しており、図4の設定は短期を12週、中期を26週に設定しています。
つまり、MACDの値が急上昇しているということは、短期の線の上昇スピードがそれだけ速いことを意味し、前回のレポートでも述べたように、足元の日経平均はかなりの過熱感があると言えます。
▼前回のレポート
2026年2月16日: 日経平均、高市ラリーで上昇継続?過熱感から反落か?
では、「過熱感があるからもう上値は伸せないのか?」というと、実は、まだ上値余地が残されている可能性があります。
<図7>日経平均(週足)MACDの乖離率(12週と26週の離れ具合)
図7は、MACDを構成する12週と26週の指数平滑移動平均線の乖離率の推移を示したもので、これにより、単純な価格差ではなく、「過去、どこまで乖離が進んだところでピークを迎えていたのか?」を確認することができます。
一般的な傾向としては、乖離率がプラス5%あたりでピークを迎えることが多いのですが、先週末20日(金)時点の乖離率はプラス6.21%ですので、「かなりイイところ」まで乖離が進んでいることが分かります。
その一方で、アベノミクス相場時の2013年5月にはプラス9.96%、さらに、小泉劇場で株価が上昇していた2006年1月にはプラス7.65%まで乖離が進んでいた時期もあり、足元の相場も「もうひと伸び」する可能性は残されていると考えることもできそうです。
とはいえ、いつ調整局面を迎えてもおかしくはない状況であることに変わりはないため、深追いは避けた方が無難かもしれません。
(土信田 雅之)

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