高市ラリーで、日経平均が急騰しました。過熱していると言われますが、どれほどなのでしょうか? 高市ラリーは、2013年のアベノミクス相場と似ています。

高市ラリーの過熱度を、アベノミクス相場と比較します。結論として、日経平均は高市ラリーでやや過熱しているものの、アベノミクスがスタートした直後ほど過熱しているわけではありません。


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高市ラリーとアベノミクス相場を比較

 高市ラリーは、アベノミクス相場(第二次安倍内閣がスタートした直後の2013年の相場)と似ている所があります。


【1】解散総選挙で自民党が大勝
【2】外国人投資家の買いで日経平均が急騰
【3】外国人は「資本主義の成長戦略を強力に進める内閣成立」を評価
【4】ニューヨークダウよりも日経平均の上昇率の方が高い


 アベノミクス相場では、日経平均の上昇ピッチが速過ぎて、相場に一時、過熱感が出ました。そこで、「バーナンキ・ショック」【注】が起こり、日経平均は一時急落しました。


【注】バーナンキ・ショック
 2013年5月22日、当時のFRB(米連邦準備制度理事会)議長であったバーナンキ氏が、「将来、金融緩和の縮小が必要」と発言したことをきっかけに、世界中の株が暴落した。バーナンキ氏の発言以外に、政治経済面でとりたてて悪材料はなかったので、バーナンキ・ショックと呼ばれる。


 以下、ご覧ください。


<2013年の日経平均推移:2013年1月4日~12月31日>
今の日経平均、どれだけ過熱?高市ラリーとアベノミクス相場を徹底比較(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 2013年の日経平均株価は、1年間で56.7%も上昇しています。2012年12月26日に第二次安倍政権がスタートし、「アベノミクス」と言われる資本主義の成長戦略を、強力に押し進めたことを好感して、日経平均が急騰した年です。


 ところが、売買のタイミングを間違えると、日本株で大損することもできた年です。もし、バーナンキ・ショック直前の高値で投資したら、約1カ月で20%以上の株価下落に見舞われています。


 バーナンキ・ショック前後で、ファンダメンタルズ(景気・企業業績)面では、なんら目立った悪材料がありませんでした。

日経平均の上昇ピッチが速すぎて「相場が過熱していた」ことが、唯一の懸念材料でした。ファンダメンタルズ面で悪材料が無くても、過熱相場でなんらかのショックがあると、日経平均は短期的に急落することがあります。それが「バーナンキ・ショック」でした。


 過熱度を測る指標に、13週移動平均線からのかい離率があります。バーナンキ・ショック直前には18.2%まで開きました。過熱が意識されるのは10%以上であり、いかに過熱感が高かったかが分かります。乖離率18.2%は「10年に1度あるかないかのとんでもない過熱」でした。


 それでは、現在の高市ラリーを、2013年のアベノミクス相場と比較してみましょう。


<高市ラリーとアベノミクス相場の比較:高市ラリー2025年7月1日~2026年2月13日、アベノミクス相場2013年1月4日~12月30日、起点の日経平均を100として指数化>
今の日経平均、どれだけ過熱?高市ラリーとアベノミクス相場を徹底比較(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成注:高市ラリーの起点をどことするか議論が分かれるところです。私は、高市ラリーは2025年7月1日、日経平均が約4万円であったところを起点としました。石破前政権が終盤に入り、そろそろ政権交代が予想されるという辺りから、政権交代への期待が始まっていたと判断しました

 ご覧いただくと分かるとおり、高市ラリーの日経平均は、アベノミクス相場と似た上昇軌道をたどっています。ただし一つ、重要な相違点があります。


 アベノミクス相場では、バーナンキ・ショック直前に日経平均がひどく過熱し、そのために、短期的に暴落をはさんでの上昇となりました。一方、高市ラリーでは、アベノミクス相場ほどの過熱にはなっていません。

2月16日の日経平均の13週移動平均線からのかい離率は8.1%です。


 理由は明らかです。高市政権は、少数与党としてスタートしたため、政権発足当時は、思いどおりの政策を実行できるかどうか、懐疑的な見方もあったということです。そのため、政権発足直後の2025年11~12月の日経平均は弱含んで推移しました。それが、過熱を抑制する役割を果たしました。


 ただし、2026年に入り、解散総選挙で、自民単独で衆院議席の3分の2超を得る大勝をしたことにより、高市政権の政策実行力に対する懸念はなくなりました。これで、足元、日経平均は「やや過熱」していると言えます。


日本株の投資判断

 投資判断は、昨日のレポートに書いたことと同じです。日本株は割安で、長期的に上昇余地が大きいと判断しています。長い目で見れば、高市ラリーは、アベノミクス相場に類似した上昇になる可能性もあります。


 ただし、短期的な株価上昇ピッチがやや速すぎることには、注意が必要です。バーナンキ・ショック直前のアベノミクス相場ほどの過熱ではありませんが、やや過熱しているため、何かショックが起これば、短期的に急落することはあり得ます。


 日本株はこれからも急落・急騰を繰り返しながら、上昇していくと予想しています。時間分散しながら割安な日本株に投資していくことが、長期的な資産形成に寄与すると思います。


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(窪田 真之)

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