2月の中小型株ハイライト「バリューもグロースも指数はアゲアゲ!」
2月の月末最終日(2月27日)、日経平均株価(以下:日経平均)、東証株価指数(TOPIX)とも史上最高値を更新してフィニッシュするという劇的な上昇を見せた2月相場。日経平均の上昇幅は月間5,527円で、これは2025年10月に次ぐ歴代2番目の記録でした。
2月8日に投開票が行われた衆議院選挙は、自民党が歴史的な圧勝に。
アドバンテスト(6857) や 東京エレクトロン(8035) など半導体株が主導する形での上昇になると、日経平均押し上げ効果は絶大。外資系証券でも日本株の目標株価引き上げが相次ぐ中、5万8,000円台から上で日本株を買ったのは「外国人投資家」でした。
その外国人投資家が日本株を買いまくった2月、買った銘柄はその期間に大きく値上がりした銘柄となります。2月の月間上昇率が高いところでは、 古河電気工業(5801) 、 住友電気工業(5802) 、 三井金属(5706) 、 日東紡(日東紡績:3110) 、 JX金属(5016) など半導体、AI関連がズラリ。
AI関連でいえば、2月はAIの進化が既存のビジネスを破壊する「AIディスラプション」も大きな話題になりました。
米アンソロピックの最新のAIツールにより、既存のビジネスが破壊されるというAI脅威論で、 NEC(日本電気:6701) や 富士通(6702) 、 野村総合研究所(4307) のようなソフトウエア関連株が軒並み安。
逆に、ソフトウエア株を売った資金がハードウエア株に流れる極端な動きも発生しました。ソフトウエア関連が下がっても日経平均に影響する高ウエート銘柄が少ない、というのも「指数」にはプラスでした。
上昇が目立った「指数」は日経平均でしたが、中小型株もしっかり上昇した2月相場。ただ、衆院選直後の日経平均爆上げ時は、大きく出遅れましたね。これは、日経平均とは異なり、指数のショートカバーによる上昇要素が無いことが挙げられます。
あとは、半導体株などAI関連株にお金が向かうと、極端にそこに短期の資金が向かうため、個人投資家主体の東証グロース市場の売買は減少するという副作用があります。日経平均は上がるのに、グロース250指数は上がらない(むしろ下がる)といった逆相関がよく見られました。
逆に半導体株が一服する日においては、むしろ上昇するというあまのじゃくっぷりも「お家芸」みたいになっていますが…。
すごかったのは月末で、グロース250指数は26日に+1.8%、月末最終日の27日は+3.8%の高値引けでフィニッシュ。スタンダード市場も強く、1月に続いて2月も中小型株市場が頑張れた1カ月になりました。
プライム市場の大型株から幅広い業種で高値銘柄が発生する中、信用買い残の信用評価損益率も大きく改善しています。個人のリスク許容度が高まっていることは、純粋にプラスになっているようです。
市場 コード 銘柄名 2月
騰落率 時価総額
(億円) S 6072 地盤ネットHD 447% 256 G 6085 アーキテクツ・スタジオ・ジャパン 372% 229 S 2962 テクニスコ 176% 114 S 7999 MUTOH HD 157% 386 G 9338 INFORICH 148% 446 G 4596 窪田製薬HD 143% 272 G 7794 イーディーピー 117% 215 S 6227 AIメカテック 110% 1,148 S 7719 東京衡機 108% 45 G 485A パワーエックス 104% 1,445
なお、スタンダード、グロース市場の全銘柄のうち、2月の月間騰落率トップ10をランキング化すると上記のようになりました。驚くことに10社の全ての月間上昇率が100%超え(株価が1カ月で2倍以上になったということ)。
2月爆上げ株を見ると、中小型株市場を見る上でのポジティブな側面が垣間見えます。最も上昇した 地盤ネットホールディングス(6072) の買い材料は、著名投資家の井村俊哉氏が共同創設した投資助言会社Kaihouが議決権の約30%を保有する大株主になり、和製バークシャー宣言したことでした(それにイナゴの買いがすさまじく集まりました)。
8位の AIメカテック(6227) は、業績予想の上方修正、大口受注、そして株式分割を発表して急騰したのですが、その前に話題になったのが著名投資家の片山晃氏による5%ルール登場(投資目的は「純投資」)でした。
また、5位のスマホ充電器貸し出しの INFORICH(9338) は、米投資ファンドのベインキャピタルと組んだマネジメント・バイアウト(MBO)による株式非公開化の発表が上昇要因。株式公開買い付け(TOB)価格は1株4,560円と、発表前株価の2.2倍という巨大プレミアムが衝撃的でした。
あまりに時価総額が小さい企業でも、上場企業は上場企業。上場企業という「箱」を求め、非上場企業が触手を伸ばすケースが散見されています。また、有望ながら機関投資家に買われていない(適正に評価されていないとみられる)株の大株主に著名な個人投資家がなってしまうケースも増えてきました。
さらに、「TOBは割安株に行われるもの」という常識を覆し、ユニークなビジネスモデルのベンチャー企業を買ってしまう動きも増えているのはグロース市場にとって朗報です。
NISAで中小型株!今月の銘柄アイデアは…「3月の高配当株~中小型株バージョン2026~」
月初いきなり、日経平均が一時1,500円安となる場面をつくるなど波乱の幕開けとなった3月相場。そういえば前月(2月)も、月初に強烈なリターンリバーサルが発生し、それまで上がっていた米テック株や貴金属が急落に見舞われました。月が替わるタイミングというのは、機関投資家のリバランスやポジション調整で前月までの動きの逆回転が起きやすいものです。
そのタイミングで、好決算を出した米 エヌビディア(NVDA) 株が調整していることが、バリュエーションの高い米テック株に対する漠然とした下落不安につながっています。
また、米ブロックがAI導入で従業員の大量削減を発表したことで、AIディスラプション懸念が売りネタとして再燃。そして、米国のイラン攻撃で高まった中東情勢懸念も売りネタに浮上。
こういった場合のヘッジ手段としては、国内の機関投資家は日経平均をショートして売りヘッジしたり、地政学的リスクには防衛株や資源株、海運株などをヘッジとして買ったりします。
ただ、「遠くの戦争は買い」とも言いますし、数日後に「あの下げは何だったの?」というような全戻しをすることもこれまで多く、ヘッジを入れることが正解とも限りません。これが相場の難しいところです。
そうしたリスクオフ的な地合いが続く場合、資金がグロース株からバリュー株へ流れる展開は考えられそうです。日本の中小型株のほとんどが、上述の売りネタと関係無いわけですから。とくに、期末の3月相場ということで、配当株に注目が集まるタイミングでもあります。
その配当でいうと、日本株の配当利回り妙味はかつてないほど…低下しています。過去最強に企業側の増配モメンタムは強い一方、それにも増して株価モメンタムが強まりました。結果、プライム銘柄の予想配当利回りは2%割れ。一方で、10年金利は2%を超え、債券の利回りが株の配当利回りを上回っています。これはほとんどの投資家が未体験です…。
市場全体(森)でいえば配当妙味は低下しても、個別株ベース(木)でいえばまだ利回りの高い株はあります。
ここまでの株高で個人投資家の投資余力は大きくなっていること、インフレ圧力により株式投資への切迫感が強まっていること、そして新年からの株高で買いのチャンスを逃し新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)枠は十分残した投資家が多いとみられることから、高配当株に注目されます。
今回は、新NISAの成長投資枠にもおすすめの3月高配当株を、中小型株に絞ってスクリーニングしてみました。対象は東証スタンダード、グロース銘柄としますが、高配当株はスタンダード偏重となってしまうことはご容赦ください。
まだ割安な高配当利回り中小型株は!?
【条件】
(1)スタンダードorグロースの3月決算企業
(2)予想配当利回り3.5%以上
(3)時価総額100億円以上
(4)今期増配予想
※2月末時点、配当利回り高い順
コード 銘柄名 予想配当利回り PBR(倍) 4644 イマジニア 5.45% 0.88 9888 UEX 5.13% 0.52 8291 日産東京販売HD 4.93% 0.56 8076 カノークス 4.67% 0.64 6317 北川鉄工所 4.45% 0.40 4619 日本特殊塗料 4.32% 0.93 3553 共和レザー 4.30% 0.80 5210 日本山村硝子 4.29% 0.63 7927 ムトー精工 4.07% 0.84 7971 東リ 4.06% 0.89 9034 南総通運 4.05% 0.72 5958 三洋工業 4.00% 0.72 8596 九州リースサービス 3.82% 0.77 8869 明和地所 3.81% 0.73 7472 鳥羽洋行 3.75% 0.73 2892 日本食品化工 3.64% 0.65 3434 アルファCo 3.62% 0.36 1914 日本基礎技術 3.61% 0.56 7561 ハークスレイ 3.60% 0.56 9686 東洋テック 3.54% 0.81 2907 あじかん 3.54% 0.62 8864 空港施設 3.52% 0.86 6262 PEGASUS 3.52% 0.65 9896 JKHD 3.52% 0.65 1905 テノックス 3.50% 0.73
3月決算企業で、配当利回りの高い銘柄(予想配当利回り3.5%以上)の中から、今期が増配予想で、かつ純資産倍率(PBR)が低い(割安感)銘柄を残しました。時価総額にも100億円以上の条件を設定。結局、抽出されたのは全部スタンダード銘柄でしたが、2月末終値ベースで合致する高配当利回りの全25銘柄を一挙公開!
(岡村 友哉)

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