先週はトランプ大統領のイラン・ガス田攻撃制止による停戦期待も生まれ、日本株は小幅安でとどまりました。しかし、米国が追加派兵を進めている報道が流れると、株価は急落。
今週のトピック:2月CPI、百貨店売上高発表。3月配当・優待の権利付き最終日
日付 イベント 3月22日(日)まで ・米国がイランのウラン濃縮施設を攻撃、イラン側はイスラエルの核施設攻撃で応戦、中東情勢はさらに悪化 3月24日(火) ・2月CPI、2月百貨店売上高・米国の3月製造業・サービス部門PMI速報値 3月25日(水) ・米国の2月輸入・輸出物価指数 3月27日(金) ・3月末の配当・優待権利付き最終日
・米国の3月ミシガン大学消費者態度指数・確報値
・米国が中東に数千人規模を追加派兵と報じられ、週末も米国、イラン双方が敵国の核施設を攻撃するなど事態は悪化。トランプ大統領は軍事行動の段階的縮小を検討していると述べているものの、発言は二転三転し、戦争終結の兆しはいまだ見えず?
・20日(金)夜の米国原油先物価格は1バレル98ドル台で終了。原油価格の高騰が収まるようなら株価の底打ちも?
・日本は3月末の決算期を前に27日(金)が配当権利付き最終日。配当権利取りの買いや、来週30日(月)の配当権利落ちを前にした配当再投資の動きが相場の下支え役に?
・原油価格高騰による米国の利上げや景気後退を恐れて、株式市場から資金が流出する本格的な下げ相場到来も?
3月23日(月)の日経平均
連休明けの日経平均株価は、前営業日比903円安の5万2,468円で続落スタート。米国株安や経済悪化懸念もあり一時は2,600円超安まで下落しました。後場になり約2,100円安の5万1,300円付近で推移しています(3月23日15時現在)。
今週のマーケット:週明け大幅下落!日本船のホルムズ海峡通過容認が事実なら株価反発も?
今週の日本株は大きく下落して始まりました。
先週の日経平均株価(225種)は中東戦争の早期停戦に対する期待感もあり、前週末比447円(0.83%)安の5万3,372円でなんとか踏みとどまりました。
しかし、日本が祝日の20日(金)夜、米国が中東地域に地上戦に向けた数千人規模の海兵隊員や強襲揚陸艦を追加派兵した報道が流れ、戦争の長期化懸念で米国株は大幅に下落。
日経平均先物(期近)も前日比2,000円近く急落しており、週明け23日(月)はこのまま下げ進行で終えそうです。
週末、トランプ大統領はSNSの投稿で軍事行動の「段階的な縮小」に言及して、早期停戦の希望も見えました。
しかし、米国がイランのウラン濃縮施設を爆撃、対するイランもイスラエル南部の核施設に向けてミサイル攻撃を行うなど緊張が続いています。
トランプ大統領は、週末、ホルムズ海峡を48時間以内に開放しなければ、発電施設を爆撃するとSNS上で警告。イラン側は発電所を攻撃したらホルムズ海峡を完全封鎖すると威嚇するなど、事態はさらに悪化しています。
失敗したものの、イランが従来考えられていた以上に射程の長い弾道ミサイルで、はるか4,000kmも先のインド洋の英国領ディエゴガルシア島にある米英共同基地を攻撃したニュースも流れています。
ただ、週末21日(土)には、共同通信との電話インタビューでイランのアラグチ外相は「日本船のホルムズ海峡通過を認める用意がある」と発言。
事実なら、日本株反発の材料になるかもしれません。
またイランの革命防衛隊がホルムズ海峡に「安全回廊」と称する水路を設置し、目視で敵国ではないと認めた船舶の通過を認めているという報道も流れており、事態が好転する可能性もないわけではありません。
先週19日(木)にはトランプ大統領がイランの世界最大級のガス田・サウスパースを攻撃したイスラエルのネタニヤフ首相に対して、原油価格高騰に拍車をかけるイランのエネルギー施設の攻撃は「もうやるな」とくぎを刺したことで株価は急反発しました。
今週、イスラエル、イランがともにイラン領内や中東諸国の石油施設に対する攻撃を控えれば原油価格の高騰が沈静化する可能性があるかもしれません。
むろん、先週20日(金)までにイランはクウェートの製油所やカタールの天然ガス施設を攻撃しており、週末には双方の核施設の爆撃まで戦争がエスカレートしています。
しかし、イランにとっても原油輸出による戦費調達は、米国・イスラエルの攻撃で壊滅的な打撃を受けた政府や革命防衛隊の存続に必要不可欠です。
20日には米国財務省も、原油価格高騰を抑えるため、イラン産原油の購入を30日間限定で容認すると発表。
米国とイスラエル、米国トランプ政権内部でも戦争の目的や継続に対する温度差が際立ってきていますが、今週、中東産原油の安全な生産・輸送が確保される見通しが少しでも立つことに期待するしかありません。
日本株は3月期末に向けた配当取りや配当再投資の動きが下支え役に!?
日本市場は今週27日(金)、3月決算企業の配当・優待権利付き最終日を迎えます。
配当権利獲得を狙った買いや、来週30日(月)の配当権利落ち日を前に日経平均先物や東証株価指数(TOPIX)先物に買いを入れる配当再投資の動きが、株価の下支え役になりそうです。
先週19日(木)には米国で高市早苗首相とトランプ大統領の首脳会談が行われ、高市首相はホルムズ海峡への艦船派遣を確約することなく、トランプ大統領と友好関係を保つことに成功しました。
両政府は、米国内でのレアアースや銅鉱山の開発に日本が投資する「日米重要鉱物プロジェクト」に合意。日本の南鳥島沖の深海レアアース開発でも協力の覚書を結びました。
米国内でレアアースのリサイクル・精錬事業を行う 三菱マテリアル(5711) は先週すでに前週末比3.6%高、銅鉱山事業に出資する 三菱商事(8058) も3.6%高と上昇していますが、今週も見直し買いが入るかもしれません。
今週は24日(火)に日本の2月全国消費者物価指数(CPI)や2月全国百貨店売上高も発表されます。
生鮮食料品を除く2月のコアCPIは補助金による電気・ガス代の下落もあって、2%以下の前年同月比1.7%の伸びに落ち着く予想です。
しかし、3月に入ってからの原油価格高騰が今後の日本の物価高再燃につながりそうです。
また2月の百貨店売上高も、中国人観光客の渡航自粛や3月以降は中東戦争によるインバウンド(訪日外国人)需要の急減が心配されるため、注目を集めそうです。
先週は原油価格の高騰で、18日(水)に政策金利の据え置きを決めた米国の連邦公開市場委員会(FOMC)でも、参加理事たちの想定する2026年の利下げ回数が減少しました。
市場では、米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が10月までに利上げに動く予想が50%に達しています。
金利の上昇は、株価が金利水準に比べて割高な人工知能(AI)関連株にとって逆風になります。
先週の米国市場では、AI関連の花形株 エヌビディア(NVDA) が4.1%安。
AIデータセンター向け半導体メモリの販売が絶好調で好決算を発表した マイクロン・テクノロジー(MU) も決算発表直後の19日(木)、20日(金)の2日間で8.4%も急落しています。
先週、S&P500種指数が1.90%下落したのに対して、ハイテク株の集まるナスダック総合指数は2.07%の下落と下落率も大きくなっています。
先週はここまで高騰してきた金や銀など貴金属の価格も再び急落しました。
株式市場が本格的な下げ相場に入った場合、真っ先に売られるのはこれまで上昇が続いた人気株や金融商品です。
今週も下げ相場入りを見越した投資家心理のさらなる悪化で、AI関連株の換金売りや金の価格下落が続くかもしれません。
先週の振り返り:海運、資源セクター上昇!AI周辺株の換金売りは下げ相場入りシグナル!?
先週の日本株は33業種中12業種がプラスで終了するなど3週連続の全面安は回避しました。
業種別上昇率のトップは封鎖中のホルムズ海峡を一部の船舶が通過できたことを好感した海運業セクター。原油価格100ドル超えで収益増加が見込める鉱業セクターが2位でした。
主力株の 商船三井(9104) が14.1%高、 INPEX(1605) が7.2%高で、両セクターの上昇率のみが突出して高くなりました。
海外に多数の原油や天然ガスの権益を持つINPEXの3月に入ってからの上昇率は前月末比23.7%に達しています。
33業種中12業種がプラスといっても、その他のセクターの上昇率は低いものにとどまりました。
下落率ワーストは非鉄金属セクター。原油への資金流入や利益確定売りで金や銀の価格が急落したことを受けて、金関連株の主力株・ 住友金属鉱山(5713) が8.0%安。
AIデータセンター向け光ファイバーの販売が絶好調の 古河電気工業(5801) も4.2%下落しました。
その他、パルプ・紙、ゴム製品、輸送用機器セクターなど原油価格高騰がコスト増加や需要減少につながりやすい業種が売られました。
個別株では、19日(木)に行われた日米首脳会談でレアアースなど重要鉱物の共同プロジェクトが始動することに期待して、海底からのレアアース泥の回収技術を持つ 東洋エンジニアリング(6330) が32.2%高。
海底資源開発に強く、原油高も追い風になる 三井海洋開発(6269) が14.4%高と急騰しました。
一方、AIが普及しても事業が陳腐化しない重厚長大企業として買われてきた建機メーカー株が急落。 コマツ(小松製作所:6301) が10.6%安、 日立建機(6305) が8.2%安でした。
米国でも世界最大の建機メーカーであり、かつAIデータセンター向け発電装置が絶好調の キャタピラー(CAT) が3月に入って前月末比8.3%下落。
金利上昇に弱いAI関連株だけでなく、AI脅威論にさらされないという理由で買われていた重厚長大産業の銘柄も、中東戦争や原油高という別の下げ要因が浮上したことで、今週もさえない展開になるかもしれません。
(トウシル編集チーム)

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