JAL国内線で高い定評を持つ独自の座席グレード「クラスJ」、ボーイング737型機の一部でこの新仕様機が導入される予定です。見た目はよく似ているものの、新機能が盛り沢山。
JAL(日本航空)国内線の大きな強みのひとつといえば、独自の座席グレード「クラスJ」でしょう。これは、普通席よりも間隔が広く、レッグレストが備わるなど「ワンランク上」の座席を、普通席にプラス1000円(当日アップグレード料金)という料金で提供するものです。
JAL国内線の幅広い路線で投入されているボーイング737型機の一部で、この「クラスJ」が新仕様のものとなり、早ければ、11月ごろから実際の便で順次デビューする予定です。
JALのCAとボーイング737型機の一部で導入される新たな「クラスJ」(2020年10月26日、乗りものニュース編集部撮影)。
新仕様の「クラスJ」となるのは、機番「JA301J」から「JA323J」の13機。これらの「クラスJ」は、これまで旧小糸工業(神奈川県横浜市)のものを使用していましたが、性能不備などの理由から国土交通省から2021年7月までにシートを交換するよう指示があり、順次新たな「クラスJ」シートに切り替わる予定としています。
JALにとっては喜ばしくない経緯で導入されたこの「クラスJ」ではあるものの、実は多くの点で既存のものよりアップデートされています。
見た目は似てるけど中身はだいぶ違う新「クラスJ」JALの国内線用ボーイング737型機の一部で導入されている新「クラスJ」は、個人用のUSBポートを備えているほか、テーブルは従来の折りたたみ式より展開時の安定感が高い、一枚式のものに。個人用の手元読書灯もそれぞれの席に備わっています。収納も、ペットボトルやスマートフォンが入れられるようなサブポケットが装備されるなどの充実が図られています。
見た目は既存のものとよく似た本革製の黒いシートで、座席の間隔も従来と同じ約102cmとのことですが、背もたれ部分には赤いラインが入っており、これで新仕様機と判別できます。

報道陣に公開された新「クラスJ」搭載のボーイング737型機、JA323J(2020年10月26日、乗りものニュース編集部撮影)。
なお、これらの座席は、JALの国際線においてエコノミークラスの主力シートである「スカイワイダー(SKY WIDER)」などの製作も手掛けるドイツ ZIM社製のものとなっています。
ちなみに、これらのボーイング737型機には、ほかにも利用者にとってはうれしい仕様変更が。それは個人用のUSBポートの設置で、クラスJの後方に備わる普通席は、既存のものをそのまま使用しているものの、新たに3席にポート2個の割合で備わります。