パトカーはなぜ白と黒の塗り分けなのでしょうか。その歴史は終戦直後にさかのぼり、実用性から塗り分けが誕生したという経緯があります。
警察のパトカーは白と黒のツートンカラーですが、世界では意外とカラフルなこともあります。なぜ日本のパトカーは白と黒なのでしょうか。
もともと、戦後日本の「警察のクルマ」すなわちパトカーには、白のものが一部で使われていました。警察庁によると、1948(昭和23)年から翌年にかけ、GHQの主導で旧警察法に基づく「自治体警察」が全国に置かれ、パトカーには「ジープなどの車両を白色にしたものが見られた」といいます。
栃木県警のホンダ「NSX」パトカー(柘植優介撮影)。
そうしたなか、自治体警察のひとつであった旧警視庁が、下側が黒、上側が白のツートン塗装を採用。この塗装が1955(昭和30)年に全国で統一され、現在に至っています。下側を黒にしたのは、当時、未舗装の場所がほとんどで、車体の汚れを目立たなくするという意図もあったようです。
ところで、一般のクルマをパトカーと同じ白黒塗装にした場合、罰せられるのでしょうか。2020年10月末のハロウィンでは、クルマも仮装させたのか、札幌市内でニセのパトカーが走り、SNSなどで話題になりました。
クルマを白黒に塗装しただけならば罰せられることはありません。
前出のニセパトカーは、赤色灯が付けられ側面には「北海 道警察」と書かれていたとのこと。これが法令違反になるため、警察が捜査していると報じられています。
ちなみに、TVドラマや映画などで使用する、いわゆる「劇用車」と呼ばれるものは、公道走行時は赤色灯にカバーをかけ、「警視庁」や「○○県警」、「POLICE」などの描き込みはシートで覆ったり、マグネットで取り外しできるようにしたりしています。