東海汽船のジェット船「セブンアイランド結」が水中生物と衝突した想定で、ヘリによる避難・誘導訓練が行われました。通常の船とは大きく異なる高速ジェット船、ヘリでの救助にも高度な技術を要するようです。
東海汽船が2020年12月15日(火)、高速ジェット船を使用し水中生物との衝突を想定した避難・誘導訓練を実施、海上保安庁や東京消防庁の職員など約40名が参加しました。
MH690ヘリコプター「あきたか」。特殊救難隊が降下準備中(2020年12月15日、乗りものニュース編集部撮影)。
今回の訓練は、東海汽船の高速ジェット船「セブンアイランド結」が東京港西航路入口付近を航行中に水中生物と衝突、その衝撃により多数の負傷者が発生、前部の水中翼が脱落し航行不能になったという事故を想定したものです。
事故発生の後、「セブンアイランド結」から118番通報で救助要請がなされ、それを受けた海上保安庁や東京消防庁臨港消防署、および警視庁湾岸警察署の所属各挺が海から、特殊救難隊が同乗した海上保安庁羽田航空基地所属のMH690ヘリコプター「あきたか」が、空から救助を行いました。
船の周りを何度もホバリング そのワケは?MH690ヘリコプター「あきたか」は、ホバリングによるダウンバースト(下降気流)の影響を調べるため、船体の左右などへ数回アプローチをしたのち、降下訓練を行いました。「セブンアイランド結」は通常の船舶と異なりデッキ部分が狭いため、降下するには高度な技が求められるといいます。
一方、救助を待つ船内では、負傷者の応急手当や吊り上げの準備が進みます。その後、負傷者を吊り上げた「あきたか」は、臨港消防署の屋上ヘリポートへ着陸。待機中の救急車から病院へ搬送するという設定で、海上保安庁と東京消防庁の連携プレイを確認しました。

巡視艇「やまぶき」から高速ジェット船「セブンアイランド結」へ担架が運び込まれる。
なお負傷者の救出を終えた「セブンアイランド結」は、巡視艇「ゆりかぜ」による曳航で竹芝桟橋へと回航されました。