新車で数年ぶりの復活だそうです。
場所を選ばない「折戸」の乗降口名鉄バスに納車された「折戸仕様車」第1号(画像:三菱ふそう)。
三菱ふそうは2021年4月26日(月)、高速バスなどに使われる大型観光バス「エアロクィーン」「エアロエース」について、折戸仕様車の販売を開始したと発表しました。
この折戸仕様モデルはグループ会社の三菱ふそうバス製造(富山市)が製造し、同日、初号車を名鉄バスへ納品したといいます。
現在販売されている大型観光バスの乗降口は、1枚の扉が車両の後方へ開くスイングタイプが主流ですが、路線バスの乗降口で見られる折戸タイプのドアを備えたモデルを販売します。高速バスなどでは現在も折戸仕様車は見られるものの、三菱ふそうによると、大型観光バスの新車への投入は数年ぶりだそうです。
折戸のドアは乗降口の内側に折りたたまれるため、開いたときに1枚扉が大きく車外へはみ出すスイングドアと比べて突出量が小さく、乗客が待機する停留所に近い場所での停車が可能になるとのこと。より路肩に寄せて停車できるため、自転車やバイクの侵入を防ぎ巻き込み事故などの防止につながるといいます。
また、折戸仕様車は乗降口のステップ幅を拡げ、昇降用の握り棒も左右両側に設置することで乗降性を高めているとのこと。スイング扉と比べてドア開閉時間も短縮でき、定時運行にも貢献するそうです。
今回の折戸仕様の復活は、路線バス事業者の声に応えたものだといいます。特に、高速バスのなかでも頻繁に運行される近距離路線を中心に高いニーズがあったそうです。三菱ふそうのバス事業本部長 高羅克人さんは、「全国のお客様の運行路線や状況に応じた最適な車両の提案が可能となりました」としています。
ちなみに、三菱ふそうによると折戸仕様車は受注生産になるといい、価格はスイングドア車と同じだそうです。