実は新幹線と同じ構造のトイレを採用しています。
女性隊員の増加を踏まえ、消防では初の整備秋葉原駅にほど近い東京消防庁 神田消防署で2021年4月26日、トイレカーの運用が始まりました。
トイレカーは、災害現場における長時間の活動や、消防職員や消防団員の女性比率が向上していることなどを踏まえて、後方支援体制を強化するために導入された車両です。車体中央に男性用スペースとして小便器2基および個室2室を配置し、後方には施錠可能な女性専用の更衣室兼個室が設けられています。
東京消防庁が運用を開始したトイレカー。発電機を搭載するため、エンジンを切っていても運用可能(2021年4月26日、柘植優介撮影)。
これまでも東京消防庁には、活動支援および指揮本部運用に用いる「指揮統制車」など、トイレを備えた車両は配備されていたものの、トイレ機能に特化したものは同車が初になるとのこと。なお職員によると、総務省消防庁でこのような車両をすでに運用している消防組織は把握していないため、おそらく全国初だろうということでした。
従来、火災や救助などで出動した消防士たちはどうしていたのか職員に話を聞いたところ、近隣住民の了解を得て、民家や事務所などのトイレを借りていたとのこと。神田消防署の女性消防士は「このような車両があれば安心して活動することができます」と話していました。
神田消防署では、はしご車などを運用する「はしご隊」が兼務する形だといい、トイレカーの場合は「神田救援小隊」として出動するそうです。
なお、すでに警察や自衛隊などには、トイレカー、またはそれに準じた車両は配備されています。