JR西日本が芸備線の一部区間について、そのあり方などを地元を協議していくことになりました。廃線も危惧されるその区間、いまでは最少で1日3往復しかありませんが、かつては広島直通の急行になる列車も走っていました。

最大で75.2kmが対象だが

 JR西日本が2021年6月8日(火)、備中神代~広島間159.1kmを結ぶ芸備線の一部区間について、運行のあり方などを地元と協議したいという意向を示しました。

 対象の区間は、芸備線の岡山県新見市と広島県庄原市にまたがる区間。7月にも検討会を発足させ、部分的な廃止や代替バスの運行などについて考えていくと報道されています。

廃線危機の芸備線一部区間 JR発足時から大きく変化したダイヤ...の画像はこちら >>

備後落合駅に停車する芸備線の列車(2007年、恵 知仁撮影)。

 この対象区間について、文字通り「新見市~庄原市」のすべてとすると、備中神代~山ノ内間の75.2kmになります。しかし同区間内でも、地域によって平均通過人員に違いがあります(すべて2019年度の平均通過人員)。

・備中神代~東城:81人/日
・東城~備後落合:11人/日
・備後落合~三次:215人/日(山ノ内~三次間は5駅、15.1km)

 これから単純に考えると、廃線の危機がもっとも高いのは東城~備後落合間の25.8kmですが、同区間はすべて広島県庄原市。今回の「あり方」を考える対象には岡山県新見市内も含まれているので、新見市の備中神代駅から庄原市の備後落合駅までの44.6km、となるかもしれません。

 また備後落合~三次間も、備後落合駅側は利用者が少ないことが考えられ、備後落合駅から備後西城駅までの8.6km、もしくは備後庄原駅までの23.9kmも対象になりえそうです。

芸備線 JR発足時のダイヤはどうだった? 広島直通の急行も

 芸備線で平均通過人員が11人/日と最も少ない東城~備後落合間は現在、列車の運行本数が1日3往復だけです。

東城 05:46→備後落合 06:34(新見発備後落合行き)
東城 13:38→備後落合 14:25(新見発備後落合行き)
東城 19:04→備後落合 19:51(新見発備後落合行き)

備後落合 06:41→東城 07:29(備後落合発新見行き)
備後落合 14:38→東城 15:25(備後落合発新見行き)
備後落合 20:12→東城 20:59(備後落合発新見行き)

 しかし、国鉄が分割民営化されJRが発足した1987(昭和62)年4月は、1日8往復が運転されていました。

東城 06:36→備後落合 07:15(新見発広島行き、備後庄原から急行「たいしゃく」)
東城 08:02→備後落合 08:46(新見発三次行き)
東城 11:12→備後落合 11:57(新見発三次行き)
東城 14:24→備後落合 15:12(新見発広島行き)
東城 16:30→備後落合 17:17(新見発広島行き)
東城 18:30→備後落合 19:15(新見発三次行き)
東城 20:20→備後落合 21:04(新見発備後落合行き)
東城 22:03→備後落合 22:48(新見発備後落合行き)

備後落合 05:40→東城 06:24(備後落合発新見行き)
備後落合 07:18→東城 08:03(三次発新見行き)
備後落合 09:56→東城 10:41(広島発新見行き)
備後落合 12:29→東城 13:13(広島発新見行き)
備後落合 14:02→東城 14:46(三次発新見行き)
備後落合 15:26→東城 16:04(広島発新見行き、三次まで急行「みよし」)
備後落合 17:17→東城 18:00(三次発新見行き)
備後落合 19:39→東城 20:20(広島発新見行き、備後落合まで急行「たいしゃく」)

 JRが発足した1987年度の平均通過人員は、芸備線全区間(備中神代~広島)のものしかないためそれで比べますが、2561人/日でした。

これに対し2019年度は1323人/日と、ほぼ半減しています。

 なおこの8往復のうち1往復は、ディーゼル機関車がけん引する客車列車でした。

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