ウィラーの新移動サービス「mobi」が渋谷エリアでスタートしました。バスでもなくタクシーでもなく「自宅から2km圏内の移動に特化」したサービス、早くも好調のようです。
ウィラーが2021年7月1日(木)、新しい移動サービス「mobi」を東京の渋谷エリアにて開始しました。
「mobi」は利用者の呼び出しに応じて迎えにくる、いわゆるオンデマンド交通で、車両にはワゴン車が使われます。ウィラーの村瀬茂高(瀬の字は異体字)社長は「自宅から2km圏内の移動に特化」「ライバルはマイカーのチョイ乗りと自転車」といった特徴を挙げ、コロナ禍で在宅時間が増え、自宅近くの移動が多くなっていることに着目したといいます。
渋谷エリアで使われる「mobi」の車両(中島洋平撮影)。
同様のオンデマンド交通は、主に地方で多く導入されていますが、「mobi」ならではの特徴として、次のような点が挙げられます。
・呼べば平均10分で迎えに来る
スマートフォンアプリの地図上から乗車地を指定して申し込めば、平均10分で迎えにきます。AIによるルーティングで、予約状況や道路状況を考慮して最適なルートを計算し、相乗りで目的地へ移動します。
・運賃は「サブスク」(1回利用も可)
本会員は5000円で30日間乗り放題。家族会員を1人あたり500円で追加でき、同居家族6人まで登録可能。このほか1回あたりの利用も大人300円、子供150円でOK。(登録から最初の2週間は無料お試し期間、その後の90日間は月額3000円)。このほか、30日間2万2000円の「店舗会員」も設定。
このサービスの概念を村瀬社長は「共有交通」と説明します。決まった路線、決まった時間で運行する車両に乗りに行く「公共交通」に対し、「自分の時間に合わせて」「運転手付きのクルマを複数台共有する感覚で利用できる」ものだそう。
「買い物や保育園、塾の送迎などご家族で使っていただけます。会員どうしがライフスタイルや価値観でつながり、さらにママ友会やお父さんがたの飲み会などに使っていただくこともあるでしょう」(村瀬社長)
月額のサブスクであるため、積極的に外へ出られることになり、「これが街と結びつくことで持続継続性につながる」とのことです。
「たぶん月5000円以上使う」今回は渋谷区のうち、おおむね渋谷駅(国道246号の北側)から原宿駅、代々木上原駅にかけてのエリアが対象。このエリアで始めることになったのは、渋谷区からの声掛けがあって実現したそうで、同区にとって初のオンデマンド交通でもあるといいます。
6月に実施された記者向けのレクチャーで、採算の見込みについての質問に村瀬社長は、1エリアあたり一般会員200世帯、店舗会員40ほど集まればペイすると答えていましたが、この渋谷においてはすでに、およそ200世帯の会員を集めているとのこと。7月1日午前中の時点で、30件以上の利用があったそうです。

概要を説明する村瀬社長(中島洋平撮影)。
実際の利用者にも話を聞くことができました。渋谷駅の南西側に住む30代女性は、自宅ポストに入っていたチラシでサービスを知り会員登録したといいます。
利用した際は、他の利用者も乗り合わせており、最初は怖かったそう。
「会員も近隣の人ですし、ドライバーさんも同じですから、子供が習い事に向かうのにも安心して使えます。送迎から解放されるのはすごく嬉しいです」(30代女性)
月額5000円という価格については、「頻度を考えれば、5000円以上は確実に使うでしょう」ということでした。
導入予定自治体、教えてくれました!サービスの裏側についても説明します。
現状、渋谷エリアで設定されている乗降地は200か所以上。おおよそ200mごとに1か所設定されており、アプリの地図では「東急プラザ前」など名称がつけられています。
今後は利用者の要望に応じて順次、増やしていきたいといいますが、「どこでも」というわけにはいきません。1か所ずつ、警察とも協議をしたうえで、安全に停車できる場所を設定していくそうです。
また「mobi」のサービスにおいてウィラーはアプリを提供する立場で、実際の運行を担うのは地域のタクシーやバス事業者です。渋谷エリアでは現在、MKタクシー(エムケイ)のハイヤー(アルファード)が使われています。
運行の免許もMKが取得しており、当面は同社をパートナーとしてサービスを展開することとなりますが、もちろん他社がウィラーのアプリを使って参入することもあり得るそうです。

乗降ポイントはエリア内で200か所以上設定されている(中島洋平撮影)。
ウィラーによると、「すでに多くの地域から導入へのお声掛けをいただいている」とのこと。1か所だけ、導入予定の自治体も教えてくれました。同社が「イケバス」も運行している東京都豊島区で、2021年内にも「mobi」を展開予定だそうです。