アジア随一の規模を誇る中国国際航空宇宙ショー、通称「エアショーチャイナ」。ここを訪れると成長著しい中国の航空機産業の一端を見ることができますが、2021年の開催時も、日本からの渡航は難しい時期でした。

そんな世界屈指のエアショーを振り返ります。

中国で行われるアジア最大級のエアショー

 経済発展著しい中国(中華人民共和国)。その勢いは航空産業についても同様で、いまや世界で最も多く新型機の開発が行われている国といっても過言ではないほどです。

 そのような中国で2021年、3年ぶりに中国国際航空宇宙ショーが開催されました。通称「Airshow China」と呼ばれる本イベントは、9月28日から10月3日の日程で中国南部の広東省にある珠海金湾空港で行われています。

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中国空軍のJ-10A戦闘機(細谷泰正撮影)

 1996年から定期的に開催されてきたこのショーは、出展される航空機の顔ぶれをみるだけでも、中国の航空産業の急成長ぶりが手に取るようにわかるものです。例年ならば偶数年の11月上旬に開催されますが、2020年は新型コロナの世界的流行で中止になっていました。

 2021年もまた、ショーの開催時期は日本からの渡航に大きな制限がともなっていました。そこで前回、2018年に行われたショーの様子を紹介します。

エアショーチャイナ見るなら珠海市内が便利

 会場となる珠海金湾空港は、マカオに隣接する珠海市にあります。近年、香港国際空港とマカオを結ぶ橋が完成し、香港からバスで簡単にマカオや珠海へ行けるようになりました。便数が多く、航空料金も安い香港空港を経由して、珠海へアクセスするのが手軽です。

 また珠海と広州は高速列車で1時間ほどなので、広州から珠海へ向かうことももちろん可能です。なお、国際的な観光地であるマカオに宿泊して航空ショーへ行くといったこともできますが、マカオと珠海の間に入管(出入国審査場)があるため、こちらのルートの場合は時間的なロスを考慮する必要があります。

 そのため、開場時間からショーを観覧する場合には、珠海市内に宿泊したほうが良いでしょう。

航空分野でも中国の勢いスゴイ! 世界屈指の一大航空祭「エアショーチャイナ」とは

中国国産のAG600飛行艇。いわゆる水陸両用機で、機体規模は日本のUS-2飛行艇よりも大きいが、耐波性は波高2mとされている(細谷泰正撮影)。

 入場券は事前にネットで購入すると便利です。理由は入場料に送迎バスの運賃が含まれているからです。価格は大人なら500元(1元17.8円換算で8900円)で、学生とシニアには割引価格が設定されています。送迎バスは珠海駅から頻繁に運行され、所要時間は40~60分程度です。

 バスを降りて会場入り口で荷物検査を受けてから入場となります。会場では室内展示会場である巨大な建物の反対側に駐機ランプがあり、多数の機体が地上展示されます。地上展示機の周りには柵があるので機体に触れることはできません。

輸送機などの大型機も機内の見学はありません。ただ、飛行展示を行う機体は観客側から地上展示機の背後に駐機してあるため、展示飛行に向かう機体のタキシングは見ることができます。

中国は自家用飛行機市場も活発

 展示飛行は午前中から午後にかけて、盛りだくさん行われるため、食事の時間をいつにするか迷うくらいです。会場には巨大な食堂があり、内部はフードコート形式です。かなり大きな食堂ですが、1日中混雑しているので、天気が良ければ屋外に持ち出して食事している観客も多くいます。

航空分野でも中国の勢いスゴイ! 世界屈指の一大航空祭「エアショーチャイナ」とは

地元珠海近郊の工場で生産されている「Sky Trek」。軽量スポーツ機(LSA)といわれるもので、完成機としてFAAの認証を取得しており、欧米にも輸出されている(細谷泰正撮影)

 地上展示は航空機だけでなく、移動式ミサイルランチャーや可搬型レーダー、各種ドローンなど多岐に及びます。地上展示される戦闘機や爆撃機は爆弾やミサイルなどの各種兵装を装着した状態で展示されるため迫力があります。

 また中国は、軍用機だけでなく民間機の開発・生産にも力を入れており、自家用機市場向けの単発小型機や小型ヘリコプターなども数多く造られています。これらもとうぜん出展しており、特に欧米で急速に普及しつつある軽量スポーツ機(Light Sport Aircraft:LSA)の分野には多くのメーカーがひしめき合っていることから、それらも数多く見ることができました。

 一方、屋内の展示スペースには、中国の武器メーカーや欧米の旅客機メーカー、各国のエンジン・メーカーがブースを出展、そちらについてもかなり盛り上がっていることを実感できました。

 ちなみに2021年のショーでは、アメリカのEA-18Gグラウラーに相当する電子戦機、J-16Dや無人高高度偵察機RQ-4グローバルホークに相当するCH-6なども公開されたと報道されています。

新型コロナが収束し、海外渡航が可能になれば、次回は日本からも訪れることができるでしょう。次はどんな新しい機体が披露されるのか、いまから注目です。

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