バンパーを発泡ウレタンで、ルーフを再生可能な新素材で作った、人と自然とまちに優しいクルマが表参道で公開されました。デザインしたのは愛玩ロボット「LOVOT」の生みの親です。
世にも珍しい、「柔らかいクルマ」がお披露目されています。
東京都渋谷区の表参道にある「gallery de kasuga(ギャラリー・ドゥ・カスガ)」で、繊維(人工&天然)と樹脂による柔らかい複合材「コンポジット・テキスタイル(CT)」の可能性を表現した「コンポジット・テキスタイル展2021」が2021年12月25日(土)まで開催されています。この展示品のひとつに、「小型EV車」があります。
これは、株式会社hide kasuga 1896(東京都港区)が開発した上記の新素材コンポジット・テキスタイルと三井化学のバイオプラスチックで作られています。プロダクトデザイナーの根津孝太氏が手掛けたもので、トヨタ車体の超小型EV「コムス(COMS)」をベースに、人と自然とまちが調和する「令和モダニズム」をコンセプトに製作したそう。
「gallery de kasuga(ギャラリー・ドゥ・カスガ)」に展示されている小型EV車。一緒に写るのはデザインを担当した根津孝太氏(柘植優介撮影)。
根津孝太氏は、GROOVE X(グルーブエックス)社が販売する愛玩用の家庭向け小型ロボット「LOVOT(らぼっと)」のデザイン担当者で、今回の小型EV車も「小型/低速/柔らかい/リサイクル」というコンセプトを基にデザインされています。
今後発展するための第一歩小型EV車は、バンパーを発泡ウレタン製にし、さらに再生可能なコンポジット素材をルーフなどに多用しているのが特徴です。またソフトなイメージを与えるよう、丸みを帯びたデザインを多用しており、これらによって、従来のクルマが持つ「ハード:固い」というイメージを変えるものとなっています。
説明によると、保安基準などの面からこのままの状態で公道走行するのは難しく、小型EV車はあくまでもコンセプトモデルに留まるとのことでしたが、これをスタートラインに発展させていきたいと根津氏は語っていました。
「gallery de kasuga」に展示されている小型EV車。
なお、「コンポジット・テキスタイル展2021」では、小型EV車のほかにも家具や、ライフスタイルグッズを展示するほか、建築家の隈 研吾氏が描くウォールアート「green zenkoji」も初公開しています。「gallery de kasuga」は、平日(12時~17時)は予約制となっているものの、土曜日(12時~18時)は予約不要で見学できます。なお定休日は日曜日と月曜日です。

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