種子島宇宙センターでH-IIAロケット45号機の打ち上げ準備が進んでいます。夜空にそびえるロケットは、ライトアップされて輝いていました。
2021年12月22日午前5時から、種子島宇宙センターでH-IIAロケット45号機の機体移動が行われました。機体の組み立てや衛星などの搭載を行う組立棟から射点まで、およそ500mを24分間かけて運ばれました。
ロケットはこの後、各種点検と燃料注入を行って打ち上げに臨みます。発射予定時刻は、22日の夜、23時33分52秒です。
機体移動は通常は打ち上げの13時間前に行われますが、今回は衛星の整備作業が多くあるため前倒しになったと、発射を行う三菱重工の担当者は述べていました。
なお今回、搭載する衛星は、イギリスの通信企業インマルサット社の新型衛星「Inmarsat-6」シリーズの初号機です。同社が日本のロケットを使って衛星を打ち上げるのは初めてのことです。
射点に到着したH-IIAロケット45号機(撮影:金木利憲/東京とびもの学会)
今回の打上げの特徴は、機体の脇に取り付けられた、固体ロケットブースターという白い補助ロケットが4本あることです。この型式のH-IIAロケットを「204型」というのですが、今回で45回目の打ち上げにもかかわらず5回目という珍しい形です。そして、この型式は今回がラストフライトになります。
種子島では、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、町が運営する一般見学場は、受け入れ人数を絞るため事前抽選制となりました。それでも前回の打ち上げでは3か所の開放に留まったのに対し、今回は4か所すべてを開放することができたのは、感染症が落ち着いているためです。
取材のためクルマで巡っていると、観光客らしきレンタカーにしばしば巡り会います。以前よりは少ないですが、見学者が戻ってきているように実感します。