軽自動車のナンバープレートといえば黄色。ところが最近は、白いナンバープレートの軽自動車を目撃する機会が増えています。

白いプレートは特別仕様のナンバープレートですが、そもそも、なぜ黄色でなくて白で問題ないのでしょうか。

白いナンバープレートの軽、問題ないの?

 最近よく見かける、軽自動車の白いナンバープレート。軽自動車のナンバーは通常は黄色ですが、白で問題はないのでしょうか。

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東京オリパラ特別仕様の白ナンバーをつけた軽自動車(乗りものニュース編集部撮影。番号を消しています)。

 軽自動車の白ナンバーの正体は、2019年ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレート、もしくは、東京2020オリンピック・パラリンピック特別仕様ナンバープレートの一種です。

プレート全体に図柄の入ったもの(交付には申込時に1000円以上の寄付が必要)と、白いプレートの右上にそれぞれの大会エンブレムがあしらわれたものがありました。その後者の自家用軽自動車軽用プレートが、ここでいう「軽自動車の白いナンバープレート」です。なお、いずれの特別仕様ナンバープレートともすでに交付を終了しています。

 東京オリパラのナンバープレートは、2021年までのおよそ4年間で約289万4000件が交付されましたが、実に9割近くを軽自動車の白ナンバー(寄付なし)が占めたことからも、人気の高さが伺えます。定額カーリース事業を手がけるナイル(東京都品川区)が2021年6月、クルマを所有する男女を対象に実施したアンケートでは、軽自動車オーナー627人のうち38%が「黄色いナンバーは嫌だ」と回答。黄色以外のナンバーを利用したい・利用しているとの回答は49%でした。

 ただ本義としては、軽自動車は黄ナンバーのはず。こういう例外もあるとなると、そもそもなぜ軽は黄ナンバーなのか、気になるところです。

黄色の意味がなくなっていた? 揺り戻しも

 黄色のナンバープレートが導入されたのは1975(昭和50)年のこと。それまでは2輪車と同じサイズの白地に緑文字のナンバープレートが付けられていました。

 このとき軽のナンバープレートは、被視認性の高い普通乗用車と同じサイズに変更されましたが、高速道路の料金徴収や交通違反の取り締まりのため普通車との識別が必要で、見分けを容易にするためにナンバープレートの色を変えることになりました。多くの有料道路で軽の通行料金が普通車に比べ割安なのは現在も同じですが、当時は高速道路における制限速度も普通車より低かったのです。

 しかし、いまやETCが普及し、いわゆるオービス(速度違反自動取締装置)やNシステム(ナンバー自動読み取り装置)の精度もアップ、軽の高速道路における最高速度も普通車と同じく100km/hに引き上げられています。識別の意味も微妙になってきたなかで、白地をベースにしたラグビーとオリパラの特別仕様ナンバーのデザインがOKとされたわけです。

黄色じゃなくていいのか「軽自動車の白ナンバー」4年間で起きた揺り戻しと今後

黄ナンバーをつけた軽自動車(乗りものニュース編集部撮影。番号を消しています。

 しかしその後、軽の白ナンバーに若干の揺り戻しが起きました。2018年10月から登場した「地方版図柄入りナンバープレート」では、軽のプレートに黄色い外枠が加えられたのです。

理由はずばり、視認性の向上。軽の白ナンバーの運用を始めたところ、有人の料金所での誤徴収や、判別し辛いという意見が出てきたそうです。

 さらに、その外枠もプレートカバーを付けると見えなくなってしまうため、2022年春からの交付が予定されている新たな「全国版図柄入りナンバープレート」では、外枠の左上部分に塗色が追加されます。

 現在のところ、ラグビーナンバーやオリパラナンバーのような白地だけをベースにした特別仕様プレートの交付予定はありません。ちなみに、こうした特別仕様ナンバープレートは、変更する事由が発生しない限り、廃車するまで使用が可能です。使用を終えた時は、不正使用防止用の穴を開けることで、プレートを記念に受け取ることもできます。