いまや、空港では見ない日はないっていう…。
発表時には「ベイビー・ボーイング」とも1967(昭和42)年4月9日は、アメリカ・ボーイング社の旅客機「737」が初飛行した日です。
NASA時代のボーイング737-100初号機(画像:NASA)。
737を世に出すまでにボーイングは、同社初のジェット旅客機で4発エンジンを搭載した長距離仕様機「707」、そして707よりも小ぶりながらも3発エンジンを搭載した「727」をデビューさせました。737はこれら2つの先代モデルを補完する、「小型・短距離」の旅客機として生み出されました。こういったこともあり、737発表時には「ベイビー・ボーイング」というニックネームが付けられた――という記録も残っているほどです。
737は開発期間を削減するため、707、727の胴体設計をそのまま流用する形を取りました。737は競合機となるダグラスDC-9とくらべ胴体が太く、横3-3列の6列配置(DC-9は5列配置)がスタンダードに。これにより、ライバル機より席数を多くできるセールスポイントがありました。
一方、エンジンの位置当初は727と同じようにエンジンを胴体後部に取り付ける案などもあったものの、最終的には主翼下に2発設置するデザインに。なお、これらの基本デザインは、その後デビューした737シリーズの各種派生型でも、ほとんどそのままです。
初飛行後の737は?737はその後、1968(昭和43)年に路線に就航。
1980年代には、より効率の良いターボファン・エンジンを搭載した「737クラシック」と呼ばれる-300、-400、-500型が、1990年代には「737NG(ネクスト・ジェネレーション)」と呼ばれる-600、-700、-800、-900型が登場。近年では、第4世代の「737MAX」と呼ばれる最新派生型が生産の主流となっています。

1万機目の737が生産されているボーイング社の工場(画像:ボーイング)。
一方、2022年現在の日本の航空会社では、737-800など第3世代の「737NG」が主流となっています。737-800はJAL(日本航空)グループ、ANA(全日空)、ソラシドエア、スプリング・ジャパン、スカイマークが、737-700はエア・ドゥがそれぞれ使用しています。
なお55年前の初飛行はブライエン・ワイグルとリュー・ウォリック両氏によって、約2時間半実施されたそう。その後、この初号機は飛行試験と認証に使用されたのち、NASA(アメリカ航空宇宙局)で気象研究のために使用されたとのことです。