ソラシドエアには、兄がパイロット、妹がCAの兄妹がおり、実際に兄が操縦かんを握り、機内で妹が接客する便もあったそうです。どのような感じなのでしょうか。
「お互い航空業界を目指していたことは昔から気づいていたんですが、ソラシドエアに入社したら兄がいた、という感じです。偶然でした」――宮崎に本拠を構える航空会社、ソラシドエアには、兄がパイロットで、妹がCA(客室乗務員)の兄妹がいます。兄・安里英幸さんと、4歳離れた妹・久美子さんです。そして実際に複数回、同じ便に乗務した経験もあるとのことです。
ソラシドエアの安里英幸さんと安里久美子さん(2022年4月11日、乗りものニュース編集部撮影)。
兄妹同一便の乗務について、兄の英幸さんは「気恥ずかしさもあります。とはいえ一度仕事が始まってしまったら、そういった(兄妹であること)を排除し、安全運航に務めるのがパイロットの務めです」と話す一方で、「でもやっぱり『仕事ちゃんとやってるな……』と思って見ています」とも。
一方で、妹の久美子さんは「フライト前の打ち合わせ『ブリーフィング』で顔をあわせると気恥ずかしさはあります。ただ、ひとたび機内に入れば、それぞれのポジションで真剣に仕事に取り組んでいます」と話します。
ふたりとも「いざ乗務が始まれば……」というのは共通しているようです。
普段と仕事モード、ギャップはある?さて、普段の兄・妹として見るお互いの印象と、パイロット・CAとしてのお互いの印象に、ギャップなどはあるのでしょうか。

ソラシドエアの安里英幸さんと安里久美子さん(2022年4月11日、乗りものニュース編集部撮影)。
「このインタビューでもそうなのですが、普段よりかなり真面目に受け答えするなと感じました。いつも見る妹より(CAのときは)しっかりしていて、プロの仕事をするなと感じています」(兄の英幸さん)
「家での兄は優しくて、結構冗談も言うような人なのですが、いざ仕事になると安全運航に妥協しない、譲らないというプロの信念を感じることがあります」(妹の久美子さん)
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ちなみに兄の英幸さんは久美子さんがソラシドエアの入社試験時「一緒に飛んでいるキャプテンの方などに、『妹が(ソラシドエア)受けるんで優しくしてください』といった話もしましたね」と話しました。
安里兄妹はともに沖縄県出身。ふたりは2022年4月11日、沖縄県沖縄市とコラボした特別デザイン機「ちゃんぷる~文化のまち 沖縄市へGO」の運航開始式典に参加し、ソラシドエア高橋宏輔(高は「はしごだか」)社長、桑江朝千夫沖縄市長などとともに、旅客を見送っています。