まだまだ普段のホノルル線とは若干状況が違っていて…。
パイロットからしても違う「ホノルル線」のいまワクチン3回接種者の帰国後隔離免除など、新型コロナウイルスの水際対策が大きく緩和されたことをうけ、海外旅行のハードルが大きく下がりつつあります。
旅客にとっても「海外へ行きやすくなった」というのは嬉しいことといえるとともに、それを受け入れる側の航空会社にとっても、当然ホノルル線の盛況は”吉報”といえるでしょう。担当便のパイロットやCA(客室乗務員)は、どのような心境でこのフライトを迎えたのでしょうか。
2022年GWのホノルル線。写真は5月2日にホノルルから羽田に向かう便(松 稔生撮影)。
「3年ぶりにホノルル線に乗務しましたが、スケジュールが判明したときから楽しみにしていましたし、お客様も『やっと(ハワイに)来れた!』といった感じがあるんだな……とサービスをしていて感じました」。30日羽田発ホノルル行きのフライトを担当したCA(客室乗務員)は次のように話します。
一方、コロナ前のホノルル線とは異なるところも。
「(コロナ禍前と比較して)トラフィック(上空の交通量)が少ない!」「途中の太平洋上空を飛んでいても、(コロナ禍前の)多くの便が飛んでいる状況だと、(快適性や効率などの面から)飛びたい高度を選べなかったりすることもあるんです。今日はそういった競合機も少なく、飛びたい高度を飛べる状況だったなと感じました」。担当パイロットは次のように話します。
担当のCAは客室の様子を「以前のホノルル線は日本人のお客さまが大多数を占めていたのですが、今回は外国籍の方が多く見られました」と話します。
そういった特殊な状況であった2022年GWのANAホノルル行きの客室では、コロナ禍の国際線、もしくはこの便ならではの工夫も凝らしていたそうです。
「アメリカではマスクの着用が義務化されていないので、外国籍の方などを中心に、どのように『(マスク着用が一般的な日本の)ANA便ではマスクの着用をいただく』ということを説明するかといったところに気を払いました」「安心してお乗りいただけるよう、とくに機内の衛生面には気をつけて乗務いたしました」――同便を担当したCAは次のように話します
確かにこの日のホノルル行きでは、ほぼ満席の国際線という慌ただしい状況のなか、おもに乗客が睡眠をとる時間帯を狙って、化粧室を積極的に清掃するシーンも見られました。

4月30日ホノルル行きNH186便の担当乗員(松 稔生撮影)。
「フライトが好きなので(コロナ禍で乗務が減り)飛べない時期もあったのはもどかしかったですが、いつかは戻ると信じて頑張ってきました。フライトできるうれしさを感じています」(同便のCA)。
「コロナ禍ではCAの乗らない貨物便も多かったのですが、最近は多くの便でCAが乗っています。『旅客機のパイロット』として、本来あるべき姿に戻った気がします」(同便のパイロット)。
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彼らが乗務したNH186便(30日羽田発)では246席仕様のボーイング787-9「JA921A」が使用され、搭乗者は幼児含め179人だったそうで、高い搭乗率を記録しています。なおANAでは今後、成田・羽田~ホノルル線の増便や、超大型機エアバスA380「フライングホヌ」の投入、ハワイ行きのツアー再開など、”海外旅行の一丁目一番地”ホノルル線の復活にむけ注力する方針です。