アメリカの宇宙開発企業、ヴァージン・オービットが裁判所に破産申請し、事業を停止すると表明しました。この企業と関わりを持つのが、大分空港です。
2023年4月、アメリカの宇宙開発企業、ヴァージン・オービットが裁判所に破産申請し、事業を停止すると表明しました。これにより大きな影響を及ぼすと見られるのが、大分空港です。なぜなら同空港は、ヴァージン・オービットの計画を前提に、「宇宙港」として整備される予定だからです。
大分空港(乗りものニュース編集部撮影)。
ヴァージン・オービットがこれまで行ってきた事業は、「ジャンボジェット」ことボーイング747を改修した航空機に人工衛星を搭載したロケットを翼から吊り下げ、空中でロケットを打ち上げるというものでした。なお、事業停止にともなって「コズミックガール」と呼ばれたこのロケット打ち上げ用の747は、カリフォルニア州の宇宙関連企業、ストラトローンチ・システムズが取得しています。
大分空港は、ヴァージン・オービットよりこの747を離着陸させる「水平型宇宙港」として活用されることが決まっていました。同県は大分空港が選ばれた理由について、3000mの長い滑走路が設置されており、周辺に多様な産業集積と豊富な観光資源をもつことなどを挙げています。
この決定にともなって、大分県では「宇宙ノオンセン県オオイタ」の名の下、同県の名物である温泉と宇宙をかけあわせたプロモーションを実施。大分空港には、2022年より宇宙仕様の特別内装が導入されました。同空港の名物「足湯」をはじめ、宇宙港や宇宙を連想するような特別な内装が各所に見られます。
なお、ヴァージン・オービットの倒産にともない、大分空港の宇宙港計画は、実質的な中止状態に陥っているものの、朝日新聞2023年5月26日付の報道によると、同県の担当者が「米国の別の企業との計画も進めており、宇宙港の実現を目指す方針に変わりはない」と語っています。その報道のとおり、2022年7月現在の大分空港も通常モードに戻っておらず、「宇宙モード」のままです。

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