「星空を壊さないで」村長の切なる願い。
未だルートが確定しない中部横断道「長坂~八千穂」動く中部横断道の“空白地帯”の具体化に向け一歩前進です。
中部横断道。開通済みの佐久臼田IC付近(画像:長野県)。
静岡・山梨・長野の3件を南北に横断する中部横断道は、2021年に静岡~山梨区間が全線開通しましたが、山梨・長野県境部にあたる長坂JCT~八千穂高原IC間のおよそ40kmは、未だルートが確定すらしていません。今回の連絡調整会議では特に、長野県側のIC位置について話し合われました。
この区間は標高1000mを超える高原地域です。長野県南牧村からは、農業への影響や、別荘地から聞かれる高速道路の騒音への懸念、また国立天文台野辺山宇宙観測所が立地する美しい星空が、高速道路建設による光害などで失われることがないよう配慮を求める意見がなされました。
これに対し長野県は、貴重な自然環境や優れた農地、教育研究機関への影響、星空観察などをへの影響を極力回避できるよう検討すると返答しました。
約40kmの区間のうち、途中のICは山梨県側に2つ、長野県側に3つが想定されています。このうち、南牧村野辺山周辺のIC概略位置については、範囲を拡げ、より柔軟に詳細なルートや構造を検討していくとしています。
今後は、山梨県と長野県がそれぞれ都市計画原案を作成し、地域説明会や公聴会を経て、都市計画案を取りまとめていくことになります。
この長坂~八千穂区間が完成して中部横断道が全通すると、東名・新東名から中央道、上信越道まで直結され、太平洋側(静岡県清水)と日本海側(新潟県上越)が結ばれます。
※一部修正しました(7月21日9時08分)。